眼瞼下垂症手術を受けた話

10年ほど考え続けて、ようやく手術を受けてきました。
結果、iPhoneが顔認識しなくなりました。そして頭痛と肩こりがかなり軽減しました。
悩んでいる人は、ぜひ。おすすめです。

眼瞼下垂症とは

眼瞼、つまりまぶたが下がってくること。先天性(生まれつき)の場合もあるけれど、多くは加齢による。逆に、高齢者ではかなりの割合で眼瞼下垂症と診断される状態になっている。けれど「症」なので、日常生活に不自由を感じなかったり、本人が気にならないのであれば、そのまま放置しても何の問題もない。
私の場合は。視野を確保するためにおでこの筋力をつかって瞼をもちあげていたために、おでこにしわが寄る状況だったことから、意を決して治そうと思った次第。頭痛と肩こりについては、解消するなら、それに越したことは無いわー。ぐらいの期待度。

クリニック選び


職場の人が勧めてくれたから。というのが私の選択基準だった。その人は、別の理由で皮膚科を受診し、院内掲示を見て、このクリニックが眼瞼下垂を得意にしていることを知ったとのこと。

教えてもらったwebsiteを見ると、皮膚科形成外科を標榜している完全予約制のクリニックで、駅チカで、眼瞼下垂症は保険診療も可能であること、youtubeに手術風景を公開していること、そして何より、症例豊富な院長を信用できると感じたことから、ここに決めた。

初診。眼瞼下垂症の手術希望であることを伝えて電話予約。完全予約制なのになぜか30分ほど待たされて、人気のクリニックあるあるだよなぁ。と思い起こすなど。
院長先生は、もう何百回も繰り返しているであろう術式説明を、とてもていねいにしてくださった。youtubeでも観ていたので同じことの繰り返しではあるのだが...わかりやすい説明って、大切。

さっそく手術の日程を決めて、別室で採血。その理由は、感染症や血液凝固能の検査をしたいから、と説明された。

手術当日

午後の診察が始まって1時間後、が、予約時間だった。職場は午後休をとって、指示通り軽い昼食をとってから、クリニックに。

やっぱり待たされること20分、ここでイラつく人がレビューでマイナス評価を入れているんだろうな、と思いながら、たぶん院長の選曲、と思わせる古い洋楽が続くBGMを聴きながら。

まず診察室に呼ばれ、どのくらい瞼を挙げるか、鏡を見ながら院長と相談。おそらく手術用のペンでまぶたに線を引いていた。

一度待合室に戻ってしばらく待つと、次は手術室に案内された。靴をスリッパに履き替えて、荷物を更衣室に置き、髪をすべて使い捨てのキャップに入れて、準備終了。

まず、麻酔

看護師さんが点眼してくれた。少し染みる目薬、麻酔だと言われた。

院長登場。目の周りを消毒し、手術用の布をかぶせられた。

続いて、注射するタイプの麻酔。これが痛い。とくに瞼の裏に針を刺すときの痛さときたら...くじけそうになった。看護師さんが手を握ってくれた。

麻酔が効くまでしばらく待ち、いよいよ手術開始。瞼の中に糸を通して引っ張り上げる術式。だから針が通るときと、糸がひっぱりあげられるときが、めっちゃ痛い。麻酔は効いているので、物理的に押される感じ。看護師さんに肩をトントンされるのが、子どもにやってあげる仕草通りで、やってもらったのは初めてだったけれど、本当に癒された。

確認

糸止めをする前に一度体を起こして、目の開き具合を確認するのが、この医師のスタイル。手鏡を渡された。症状の重い右側を、もう少し持ち上げることになったので、この確認作業は2回あった。
この作業、本人に確認させているようでいて、院長先生自身が仰臥位ではなく普通に起きている状態で確認しているんだな、と思った。目の周りが麻酔効いているし何かあわただしいし、よほど意思の強い人でないとここで注文つけるなんてできないぞ、と。

仕上げ

糸が見えないように処置していただき、最後にワセリン基剤の眼軟膏を塗って、終わり。説明通り15分程度だった。

お会計!

保険診療なので点数通り。約44000円、クレジットカードで支払いができることは事前に電話して確認済みだったので、現金の必要が無かったのはありがたい。
自費診療の料金はwebsiteに掲載しているのに、保険診療の料金が書いていないのは、ルールとは言え不親切だよなぁ。…と、消費者としては思いました。

術後すぐ

電車に乗ってiPhoneのカメラ機能で自分の顔を見ようとしたら、iPhoneのロックが解除されない。顔認証システムが、この術後の目を持つ人相を、他人と判断したようだ。
パスワードでロック解除して、iPhoneの顔認証をリセットする方法を検索。すぐに再登録した。電車の中でスマホに向かって顔をぐるぐるやる奴、だいぶ怪しかったとは思うが…車内空いていたから良いことにする。

やたらと目が乾燥するのと、当然ながら違和感があるのとで、ものすごく瞬きの回数が増えた。糸を引っ張って瞼を挙上させているので、その一番力のかかった部分がとがっていて、三角目になって、なんだか人相が変わった(=つまりこの手術、気に入らない!とこの時点ではかなりがっかりしていた)。再手術かーめんどくさいなー。と、思った。

抗菌剤と痛み止めの内服薬、炎症止めの点眼薬が処方された。たぶんクリニック近隣の薬局に行けば在庫しているのだろうけれど、この後寄るところがあったので、自宅近くの薬局にとりあえず処方箋を送ってみた。すると、点眼薬の在庫が無いという。小さな薬局なので仕方ない(わりと頻繁に在庫切れ連絡をもらう)と割り切り、帰宅前に寄る場所の近くの薬局に行ってみた。

トモズというチェーンの薬局で、調剤専門形態のトモズには初めて入店した。受付の医療事務の人に「この点眼薬の在庫はありますか? 1件断られてここに来ました」と告げると、その場で端末に入力し在庫確認をしてくれた。すばらしいシステムだ。

無事処方箋を受け取ってもらえたので、安心して用事を済ませ、薬局に戻った。待合スペースにあったドリンクサーバーで飲み物を出し、すぐ1回目の服薬と点眼。手術の紙に「1回目のおくすりは、なるべく早めに飲んでください」と書いてあったので。(別件を済ませた後なので、すでにちっとも早くないのだが。)

帰宅すると、病み上がりで自宅療養中の子どもから「お母さん、目が変!」と即指摘が入った。手術を受けることは一切伝えていなかったが、すぐに見抜くとはさすがだ。そして「まさか…お母さんがそっちに手を出すなんて…」と嘆かれた。美容整形をしたのだと思っている様子。眼瞼下垂については、また後でゆっくり説明することにする。

手術から2時間ぐらい経つと、麻酔が切れたのか、ちくちくした痛みを感じるようになった。いや、それよりも、相変わらず頻繁にまばたきするのが、とにかくつらい。
手術の説明であったように、保冷剤(ケーキ買ったときについてくる、あれ)を当てて冷却してみた。ものすごく楽になった。保冷剤、最強。手術当日と翌日は、保冷剤で積極的に冷やした。

もともと奥二重だった目が、両目ともくっきりはっきり二重になってしまった違和感。この新しい形相(←言い方...)にいつ慣れるのだろう...と、不安な日々を過ごす。

術後1週間

右の瞼に内出血が認められるものの、ファンデーションで隠れる程度の薄さなので、お化粧する習慣のない男性はつらいなぁ。と思うなど。手術直後気になっていた三角にとがった点は、徐々に落ち着いてきて、もはや三角目ではなくなった。事前に言われていた通り、若いころの目つきに戻ってきた気がする。

レビューで悪評書いている人は、たぶん手術直後の自分の目が気に入らないのだろうな、というのは、ほぼ確信に近くなった。

都民共済から手続き終了のメールがあったので、さっそく銀行の残高を確認してみると、確かに振り込まれていた。医療特約つけておいて良かったよ。

術後1か月

このクリニックでは、術後1週間と1か月の2回、診察を受けることになっている。紹介してくれた職場の同僚に、1週間後はともかく1か月後っていく意味あるんですかね?と話してみたら、それは医師に協力するかどうか次第じゃないかな。との返答。診療報酬に貢献するのと、医療費削減するのと、どっちが良いのかな。と悩みつつ、診察を受けることにした。近くに行きたかったラーメン屋があることに気づいたので、診察後の楽しみもできていた。

ほぼ診療終了時刻の予約だったこともあり、あまり待つことなく診察室に呼ばれた。1週間後の時と同様に写真を撮影し(至近距離でレンズを見るように言われるので、とっても寄り目で変な顔になる)、医療に貢献したなぁと自分を納得させた。医師から、上まぶたのたるみをとる手術があることを再度説明され、今回の眼瞼下垂症の手術は経過観察も含めて終了となった。
「他にも困ったことがあったら来てください」と宣伝も忘れなかった。さすが。

手術の感想

テレビに出ている芸能人で眼瞼下垂の手術をした人、ですぐ名前が挙げられる北斗晶さんや和田アキ子さんは、はっきり言って失敗していると思うので、あぁなっては困るなぁ嫌だなぁと思っていた。実際、術後すぐは後悔したぐらいだから。
けれど、手術の3日後には肩こりと頭痛が軽減したことを体感して、考えが少し変わった。手術してよかったと思い始めた。1か月後には三角目ではなくなって、まだ自身の二重瞼には慣れないものの、違和感という意味ではなくなってきた。そして3カ月後、おでこのしわが薄くなってきたのを感じ始めている。

迷っている方は、ぜひ。おすすめ。








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