ラグビーコラム再掲横

【7月号コラム再掲】W杯開催目前!藤村Dが独自の視点で語るラグビー入門!

皆様こんにちは、月刊webマガジン、『Wednesday Style』編集部です。

いま日本で大いに盛り上がっているラグビーワールドカップ
実は、藤村Dも学生時代はラグビーに青春をささげたひとりでした。

そんな藤村Dがラグビーのおもしろさを一足先に語った7月号のコラムを、W杯特別記念ということで再掲載いたします!
そして今月は『Wednesday Style』初月購読無料キャンペーンを実施中です(詳細は以下のページをご覧下さい)。

ご購読いただきますと、本コラムの全文のほか、たらればさん(公開中)やSHARPさん(10月末公開予定)と嬉野D・藤村Dの対談記事などをお楽しみいただけます。この機会にぜひご購読ください!

お待たせいたしました、それではコラムをお楽しみください!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

水曜どうでしょうディレクターの藤村忠寿でございます。

今月号の藤村コラムは少し色を変えまして、いま最も私が語りたい「ラグビー」について、熱く語らせていただきます。

実は私、中学から大学まで青春時代をラグビーに捧げておりまして。
大泉洋さん主演『ノーサイド・ゲーム』も楽しみに観ておりますし、今年の9月から日本で開催されるラグビーワールドカップも心待ちにしております。

ラグビーっていうとね、「なんか難しそう」とか「ルールがわからん」みたいな人がたくさんいらっしゃるじゃないですか。
だけどね、ラグビーなんて、たったふたつのルールさえ覚えておけば存分に楽しめるんですよ。

そもそもね、ラグビーの面白さっていうのは勝った負けたじゃなくて、ハッキリ言って人間ドラマなんです。
何となく取っ付きにくくて、ハードルが高いと思われてるかもしれないですけど、そうじゃない。
もっと、人間の本能と秩序がせめぎ合うようなドラマチックな競技であるということをね、今回は大いに語らせていただきたいと思います!

誰が主役でもなく、全員でひとつの目的を果たすというラグビーの精神

もうすぐラグビーのワールドカップが始まるけど、全然盛り上がってなくないか?これはやっぱり、みんながラグビーのことをよくわかってないからだと思うのよ。だってさ、どうやったら得点が入るとか、どんなプレーがすごいとか、何をしたら反則かとか、いきなり観てもわからないじゃない。

だけど、ラグビーのルールって別に難しくないんだよ。ただ、他のスポーツにはないルールが多いからわかりにくいってだけでさ。ラクビーを観戦する上で知っておきたいルールはふたつだけなので、是非覚えていただきたい。

ひとつ目は「ボールを前に投げてはいけない」っていうルール。

これがね、ラクビーと他のスポーツの最も大きな違いだと思う。サッカーでもバスケでも、相手のゴールに近づくためにボールを前にいる選手にパスするでしょ。だけど、ラクビーではこれができない。

じゃあどうするかっていうと、選手がボールを抱えたまま前に向かって走って、相手に取られそうになったら後ろにいる味方にパスをする。パスを受け取った選手はまたボールを抱えて前進して、相手が迫ってきたら後ろにパス。これを繰り返すことで、ちょっとずつ相手のゴールラインに向かっていくのよ。

つまり、チームの誰かがボールを持った瞬間に、全員がそいつの後方支援に回るわけ。ここが面白い。あの屈強な男たちが、ボールを持ったひとりの仲間を全員でサポートして、チーム一丸となってゴールを目指すんだよ。

これがいわゆる「One for all , All for one」という精神なんですよ。スポーツの中でも、特にラグビーやってるやつらが仲良いっていうのは、誰がチームの主役でもなく、全員でひとつの目的を果たすっていう精神があるからだと思うんだよね。

たださぁ、当然チーム内にはボールを持って走るのが得意な選手もいれば、苦手な選手もいるわけ。だから、足が遅かったり、体が小さくてすぐに吹っ飛ばされるようなやつが相手からボールを奪ったりすると、チーム全員が「わー!お前がボール持ったかー!」とか思いながら必死でバックアップするのよ。「みんなで何とかフォローするぞー!」って。そういう状況は、すごく盛り上がるよね。

そういうのを知るとさ、相手のゴールラインまで進出してトライするまでの間に、ひとつのボールにどれだけの想いが込められてるかっていうのがわかるじゃない。だからもう、チームのために必死でプレーしてる選手たちを見てると泣けてきちゃうよね。

「ルールを犯してでも仲間が繋いできたボールを守りたい」という人間ドラマ

ボールを持ってる選手に対して相手はタックルを仕掛けてくるんだけど、倒されているのにボールを抱え込んだままになっちゃうと、試合が動かなくなるでしょ。そこでラグビーは、スポーツとして成り立たせるために、もうひとつルールを設けたわけですよ。

それが「倒されたら、潔くボールを手放す」というルール。覚えておきたいふたつ目のルールが、これなんだけどさ。

ラクビーでは、タックルを受けて倒れたら、すぐにボールを手放さないと反則になるわけ。だけどさ、せっかくみんなが繋いできたボールを易々と手放すわけにはいかないじゃない。そういう気持ちがあるから、倒れてもついボールを守りたくなっちゃって、手放すことができず反則をとられるのよ。

つまり、「倒れたのに、ボールを手放さない」という行動は、無念さの表れなわけ。オレはね、あれを見てると〝人間の性〟を感じるんだよね。だってさ、仲間が必死で繋いできたボールが自分のところで奪われてごらんよ。そりゃあ、ルールを破っても守りたいと思うって。

ラグビーを観てると、タックルを受けて選手が潰れたところで笛がなるでしょ。あれってタックル自体が反則なんじゃなくて、倒れた時にボールを離さなかったから審判が笛を吹いて試合を止めてるの。その瞬間、観客である我々は「ルールを犯してでも仲間が必死に繋いできたボールを守りたい」という人間の性を目の当たりにしてるわけですよ。

そんなの涙なしに観れるかい? ラグビーは、人間ドラマなんだよ。

野生的な人間の本能に、ルールという秩序を与えることで誕生したスポーツ

ここから先は

2,495字

¥ 500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?