43銀型角交換四間飛車~前置き~
このノートは、角交換振り飛車について考察をしてくシリーズの第一回目である。どうせ長くなるので、複数に分割して投稿することにした。
第一回目は前置きとして、従来の角交換四間飛車がいろいろな対策によって不利飛車になっている現状を考察していこうと思う。
☆無理が通らない逆棒銀
従来型の角交換四間飛車でまず見るのが左側の形だ。成立すれば33銀を活用するのに一番効率が良い方法だが、86歩同歩同銀の瞬間に居飛車側が74銀なり73桂を間に合わせることで受けるという対策が一般的だ。この筋については世の中にたくさんの解説する記事があるので掘り下げないが、居飛車側が47銀と上がった時点で、持久戦に移行することとなる。
☆相手より固くはならない玉形
この戦型は当然ながら、角を手持ちにしている。こうしてお互いに組み合ったとき、44銀型では金が4筋から離れられないが、先手の47銀型は5筋まで動くことが出来る。金が一路玉に近いという違いが結構大きく、攻め合ったときに負けるという展開が多々あるのだ。また、この形では56角で桂馬の頭を狙われる危険もあり、なかなか居飛車側のほうが楽しみが多い形である。
☆四間飛車の得とは?
角交換四間飛車をやっていてこんなことを思わないだろうか?
どうせ2筋に振りなおすなら初めから2筋に振りたいし、四間飛車にするなら4筋で戦いたい
前者は、ダイレクト向かい飛車という戦法だ。65角の両取りから乱戦になる変化がある関係で、乱戦となるので大変な将棋だ。ダイレクト向かい飛車の研究は世の中にたくさんあるので割愛するが、また別の将棋ではあるだろう。
後者は、考えとしては有用だ。2筋より4筋で戦った方が相手玉に近いから当然である。しかし、それは飛車先をとりあえず受けた33銀の形と相性が悪く、従来の角交換四間飛車では難しい。お互い飛車交換みたいな形になった時、居飛車側の銀の位置のほうが振り飛車側の33銀より明らかに良いことが多いのだ。感覚としては対抗系の居飛車棒銀をさばく、さばかない的な話に似ている。
そこで登場するのが、今回扱う43銀型の角交換四間飛車というわけだ。
~つづく~
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