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台湾代表処が暴露! TSMC汚染が水俣病を引き起こす? 

2024/02/26

https://www.youtube.com/watch?v=c0cEbe5JFOg&t=272s

■  台湾高官によるTSMC熊本工場に関する重大な指摘

TSMCの汚点を暴露したのは謝長廷氏。1946年5月生まれの中華民国の政治家(民主進歩党)、弁護士、台北駐日経済文化代表処駐日代表、元行政委員長。

代表処は、大使館とか領事館のようなところだ。日本は日中国交正常化を果たしてから、台湾、中華民国とは国交が無くなったので、中華民国は国ではなく中華人民共和国の中の一つのエリア・地域と認識するようになり、中華民国の大使館を置くことができなくなった。そういう建前のもとに、経済文化代表処という形で、大使館のような業務を行う代表処がある。

その台湾代表の謝長廷氏は、かなりシニアの政治家なのだが、元行政委員長なども歴任しているぐらいのかなりの高官である。その人が何を血迷ったのか、いきなりフェイスブックでTSMCの汚点について暴露しまくった。TSMCが来たら、水俣病を経験している熊本の人たちは怒るのではないのか、農地は取られてしまうし、電力も水も取られて地元の人は困るだろう、一つの企業にばく大なお金を渡せば。台湾だったら、誰かの懐に金が流れているのかという話になる、と突然フェイスブック上にバーンと出してしまった。

台湾のヤフー・ニュースから『賞賛を浴びるTSMCの日本工場。謝長廷が明かす煽りやすい問題』というタイトルで出ている。
「TSMCの日本初の半導体工場である熊本工場が、昨日、正式にオープンした。同社は第二工場の建設も準備している。謝長廷代表は本日2月25日、日本政府からの補助金の額が、外資系企業としては過去最高を更新したことを指摘し、政治化した台湾でれば、あちこちで噂や中傷が飛び交っていたに違いないと述べ、TSMCに対し、工場設立に反対する声が出ないよう、好意的な世論を利用し、住民や地元政府と良好なコミュニケーションを保つように呼びかけた。

謝長廷氏は自身のフェイスブックで、TSMCの投資先であるJASMはソニーの隣に位置し、もともとソニーが所有していたという噂は信憑性が高いと述べた。工場の設立には水道、電気、交通など複雑な行政手続きが伴うが、ソニーのような地元の大企業が投資に参加することで、これらの問題を解決できたのだろうという。

謝長廷氏は、TSMCは第二工場を開設し、日本政府は昨日7300億円の補助金を発表。第一工場の補助金と合わせて合計1兆2000億円以上が、外資企業への補助金として拠出されたことは記録を更新し、これは勿論、各界での注目を集め、こんなことが政治化した台湾で起こったら、激しい議論が長く長く長い間、あちこちで噂や中傷が飛び交う可能性があると指摘した。

また、謝長廷氏は、来月執り行われる熊本県知事選で、現職の川島知事は再選の意向がなく、激しい選挙戦が繰り広げられているが、今回の彼の施策の理解によれば、主要な二候補はTSMCの工場があることを了承しており、今回の選挙の争点になることはないだろうと指摘した。

しかし、TSMCの工場に伴い、多くのサプライヤーもその周辺に工場を設立し、台湾のサイエンスパーク集落同様、これが将来的に農地縮小、または農地が消滅、更には、水や電気が不足しているかどうか、交通渋滞の問題は不安を引き起こすに違いないと指摘している。

謝氏は、TSMCや東京エレクトロンのような近代的な化学工場は、排水処理で環境問題に対処しなければならなくなるだろうと述べた。排水処理と環境保護の要件では高い基準を満たすためにやらなければならない。

ところが、熊本県は60年以上前に八代海の近くに水銀を含む工場排水が原因で、水俣病事件を引き起こし、多くの地元の人々はまだ動揺している。この種の問題は、日本のネガティブな感情の炎を仰ぐことは容易であり、サイエンスパーク当局はコミュニケーションが直面する問題を解決することは、なかなかできないと、自治体や企業そのものに依存する必要があると述べている。

謝氏は、したがって、TSMCは世論が好意的な現在の時期を利用し、住民や地元政府との良好なコミュニケーション維持して行かなければならないと述べ、信頼の基礎を築いて、初めて工場設立に反対する地元住民や労働組合からの同様の抵抗を避けることが可能になると付け加えた。」


面白いニュースだ。謝長廷氏を見直した。もともと面白い政治家だと思い、ウォッチしていた。フェイスブックでTSMCをディスりまくりの投稿をすることをやってのけたわけだが、TSMCが来て環境問題は大丈夫なのか。熊本は確か水俣病問題があったよね。その対応をしっかりと考えているのか、きちんと地元の人の感情を逆なでしないように、コミュニケーション取らないといけないと述べているのだ。

これは謝長鄭氏の仰る通りで、熊本県も、TSMCの熊本工場JASMも何も開示していない。環境関連の質問に関して、何も開示していないどころか、環境アセスメント逃れをして、本来だったら住民に開示しないといけない情報を何一つ開示していない。

しかも、政治力を使い、環境影響評価条例まで変えてしまった。第二工場が隣接して建設されるならば、アセスの要件を満たすので、本来だったら情報公開をして住民と話し合い、工場を建設していいのか、どれぐらいの環境に対する影響があるのかをディスクローズし、住民とディスカッションしていかなければいけないが、その手続きをすっ飛ばしている。

だから台湾代表処の謝長廷氏から、このようなご指摘をうけるのは本当にありがたい。このような近代的な化学工場は、廃水処理環境問題に対処しなければならないと言ってくださっている。

そもそも政府が外国企業に1兆2000億円以上をばら撒いたら、台湾だったら、良からぬことをやっているのではないのかと噂が飛び交うはずだが、日本はおかしいと言っている。

工場を設立するに対して、莫大な水を吸い上げる水問題や、莫大な電力量を使うので、電気はどうするのか、交通渋滞をどうするのかを全く議論しないままに工場建設がいきなり始まったと指摘している。

私はここ何年間も孤独の戦いを繰り広げてきた。『光と影のTSMC誘致』ほか、いろいろな本を書いてきたが、台湾から来た方がこのように正直に話をして下さり本当にありがたい。

■  謝長廷氏暴露の背景

謝長廷氏はオープニングの翌日に、突然TSMCのことをここまでディスったのだが、一年ほど前に金美齢氏とネット空間上で激しく罵り合っている。表ではハッキリとは言われていないが、このTSMCの件の裏で色々とあったようだ。

最初にTSMCの口利きしていたのは、安倍元首相とも親しく、台湾案件の窓口だった金美齢氏ではなかったか。自民党の中の台湾プロジェクトチームが、TSMC案件が決まった瞬間に、みな金美齢氏にひれ伏している。彼らが金美齢先生よろしくお願いしますと頭を下げて、TSMC誘致が決まった。

2年ほど前に長尾氏が「台湾プロジェクトチームのお陰です」とライブで発表していた。

誰がTSMCを誘致するのか、誰が手柄を取るのか、なぜTSMCという外資に、これだけ巨額のお金を与えることが手柄になるのかの理解に苦しむが、その後ろに婆やさまの姿が浮かびあがっていた。

その金美齢氏と謝長廷氏の間で激しく罵り合う事件があったのだが、やはり背後に窓口は誰になるのかという争いがあったと言われている。

どうも謝長廷氏はそのTSMCのディールに絡むことができなかったのだろうか。熊本県の知事選にまで私見を述べている。二人の主要な候補は、TSMCの工場について了承しているので争わないだろうと予言している。TSMCの水問題とか環境問題が、次の選挙の争点になることはないと仰っている。情報通でかなりの慧眼の持ち主である。


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