松本人志と鉄骨渡り

松本人志と鉄骨渡り

ふかい たかあき
00:00 | 00:00
twitterを見ていたら、ダウンタウンのまっちゃんこと松本人志がアイドルの自殺について言及して、それが炎上しているというニュースを見ました。どんな発言をしたかというと、「死んだら負け」という言葉を発したようです。で、まっちゃんは、どういう文脈でこの言葉を使ったのかなと思い、ニュースを読んでみました。

私の印象としては、自殺したアイドルを批判しているというよりは、むしろ「死んでほしくない」という思いから発せられたもののように思います。真意を汲めば、そこまで叩かれるような発言ではないかなと思ったわけです。

ただ若干、認識が足りないとも思います。そもそも自殺する人は、勝つ負けるという尺度で自殺しているわけではないんですよね。ラクになりたいという思いから自殺してしまうわけですよ。その、勝つ負けるという考え方や同調圧力がプレッシャーになって、追い込まれていくわけです。

「逃げる」という選択ができる人であれば、自殺する前に逃亡するんです。きつかったら仕事を辞めちゃうし、すぐに出社しなくなっちゃうんですよね。私なんて、面倒臭いなと思ったら、すぐ行かなくなっちゃいますからね。そういう人は、まあ自殺しないんですよ。むしろその逆で、責任感がある人とか、自分に負けたくないとか考えちゃう人が抱えきれなくなるまで頑張ってしまうんです。

私が勝手に心配しているだけなんですけどね、最近、ダウンタウンの松本人志がニュースとかのご意見番的な立ち位置に着き、一言言っていう姿をよく見るんですけど、彼は芸人を辞めちゃったんですかね? ニュースに対して一言言うのは全然OKなんですけど、笑いがないんですよ。

お笑い芸人というポジションを外れ始めてたのかなー、ちょっと上のほうに行こうとしてるのかなー、お笑い芸人ならお笑いの力で世界を明るくして、自殺を減らしてほしいなーと思うわけです。

そんなこともあって、ちょっと気にかかっていたら、Amazon プライムでよく見かける松本人志のお笑い番組が目に留まりました。今、何やってんだろうなと思ってその番組を観てみたんですよ。

番組の構成はこうです。芸能人を数名を一室に集め、松本人志が考えた様々な仕掛けに動じず、最後まで動かなかった人に100万円を渡すというものでした。で、松本人志は、モニターがある別室でそれを眺めて、ケラケラと笑っているわけです。

この番組を観た時、漫画『博打黙示録カイジ』とそっくりだと思ったんですよ。カイジでも、マンションとマンションの間を鉄の板で渡る「鉄骨渡り」というくだりがあります。中には、渡っている最中に落ちてしまう人もいるわけです。で、それをお金持ち達が美味しい食事に舌鼓を鳴らしながら、グフフフフと愉悦に浸っているわけです。

「ご意見番になり上から意見する構図」と「後輩芸人を見下ろして笑っている構図」には類似性がありますし、「後輩芸人を見下ろして笑っている構図」と「カイジの鉄骨渡り」にも類似性がありました。



最後に、お笑い芸人ならお笑いの力で世界を明るくして、自殺を減らしてほしいと思います。



ということで、松本人志のお笑いの類似性でした。



このアカウントのテーマは、「身近にあった出来事や時事ネタをアナロジー思考を用いて類推していく」です。音声配信がメインとなります。ご興味があれば、フォローしてください。さて、今回はどのような類推が飛び出すのか。お楽しみに。
 
 
【アナロジー思考のコツ】
アナロジー思考法について、こちらのブログで詳しく説明しています。
https://fukaihanashi.hatenablog.com/entry/2017/04/03/201956

リンク先では、10万字を超えるコンテンツが閲覧できます https://www.shoubaisekkei.co.jp/column