見出し画像

キャンプの正面玄関から入る(カワウソ祭)

1年ぶりです。みなさんお元気でしょうか。
カワウソは去年、このWebZINEにお誘いいただき「YouTubeで他人のキャンプに興奮する」と「___ちゃんへ」を書いてジットリしていました。1年経ってもカワウソ家は相変わらずキャンプにハマり続けており、世間の様子を伺いつつ海や山でキャンプ…というか野営をしています。
キャンプYouTuberも色々見ていますが、カワウソの最推しMr.SYUがライブ配信を始められまして、沢山のファンと交流されているのを見守りつつ、自分も高額スパチャ投下で推しに認識されたい気持ちと戦っています。
夫の大陸氏(仮名。上半身がユーラシア大陸くらい広大なことに因む)は野山へ分け入り山菜を摘んでみたり、釣りをしてみたり、罠猟の免許を取得したりしています。どうして?
ちょっと前までは週末ともなれば二人で寄席へ行ったり、ワインを飲み歩いたり、ジャズコンサートを聞いたり、美術館や映画館に通っていたような気がするのですが、夢だったのかもしれません。

先日もこんなところへ行ってきました。

画像1

あ!!!!

そう、去年同じく「吹けよ春風」へ寄稿していらした、野あそび夫婦アオさん(青木さんご夫妻)が運営するキャンプ民泊「NONIWA」に泊まる機会があったんです。
アオさんの記事:夜明けの鎌を見つめる「フリーハーブゾーン」の復活

画像2

信じられないほど写真記録が下手で、NONIWAのキャンプサイトHANAREの雰囲気がわかる写真を撮ったつもりで残っていたのがこれでした。広々としたきれいな芝生サイトで、ほどよく川に近くて快適なのがおわかりいただけるでしょうか……。

「キャンプ民泊」をうたうNONIWAは宿泊方法がちょっとユニークで、電話などで予約すれば泊まれるスタイルではありません。
キャンプ未経験者であれば、日帰り〜1泊2日まで3〜4ステップある講習「ステップアップキャンププログラム」を受けてNONIWAメンバーになります。経験者であればNONIWAメンバーからの紹介か、イベントなどで青木夫妻にコンタクトを取って宿泊できます。
「ステップアップキャンププログラム」は、そもそも道具は何が必要なのか、キャンプ場でのマナーってどんなものなのか、火の起こし方は、道具の使い方は、実際に泊まってみるとどんな感じなのか……と、ドが付くほど丁寧な内容になっているようです。

画像3

NONIWAの母屋にはありとあらゆるキャンプ道具が揃っていて、基礎を教わった後に好みの道具をレンタルして使ってみることができます(珍しいものや、憧れの高級ブランドもある!)。
道具をまるっと借りられ、かつ青木夫妻のレクチャーを受けることができ、お手洗いやシャワーも使わせてもらえるので、単なるキャンプ場ではなく「キャンプ民泊」だというわけです。
ホテルのように泊まれるグランピング施設や、手軽・気軽に利用できるキャンプ場はたくさんありますが、ここまで初心者のレクチャーに特化した施設は珍しいと思います。

画像4

キャンプサイトの向こうにも人がいますね。
NONIWAメンバーでないカワウソ達が泊まることになった経緯は少しややこしく、この「吹けよ春風」がきっかけというよりは、向こうに見える人たちとの繋がりに端を発しています。
彼らは「週末冒険会」の主催する「ベーシックキャンプ」の参加者です。
週末冒険会とは、アウトドアコーディネーターの伊澤直人さんが率いるアウトドアスクールやイベントを行う会で、伊澤さんが開催しているキャンプの入門編を学ぶ1泊2日のプログラムが「ベーシックキャンプ」です。
その開催地が最近NONIWAになり、カワウソ達は週末冒険会のメンバーなので、ベーシックキャンプに参加する形で泊まりに来れたわけです。
お分りいただけるだろうか……。

画像5

めちゃめちゃ薪を集めました。
週末冒険会の伊澤さんは、子供の頃からボーイスカウトを極め、キャンプや野営を極め、挙句の果てにアメリカ式のガチサバイバル術を学び、アウトドアに関しては入門編から応用編、ハードコア編までレクチャーできる先生です。長野の森の中に可愛らしい小屋を建てて住んでいます。
その周辺で専門家を呼んで渓流釣りや野草採集をしたり、四国でカヤックを漕いだり、沖縄でビーチを貸切にしたり、年間を通して日本国内で体験できるアウトドアイベントはなんでもあるのでは?と思うほど企画があるので、週末冒険会のメンバーは告知を見て好きなものに参加するという感じです。

昔から子供向けのボーイスカウトやアウトドア教室の類は全国で見られ、大人向けのイベントもNPOやキャンプギアのブランドが主催するものなど色々ありますが、カワウソ家は週末冒険会の大人向けかつタフネスなイベントが好きであれこれ参加しています。
……そんなこんなで、たまたま伊澤さんと青木夫妻が繋がり、ベーシックキャンプの開催地がNONIWAになったのは嬉しい偶然だな〜と思って、改めて初心者向けのベーシックキャンプに参加してみたというわけです。
お分りいただけただろうか???

画像6

なにこれ…?荷物置き場?
カワウソ家はバックパックキャンプが主なので、荷物を減らすためにテントではなくタープで寝ることが多く、寝床をつくるとこのように「ビバーク(遭難時とかの緊急野営)してんのか?」みたいなみすぼらしい見てくれになります。これでも真冬以外は割と快適です。

ベーシックキャンプでも基本的な道具はまるっと伊澤さんから借りることができるので、ビバークセットがなくても各種テントや寝具を貸してもらえるし、食材の準備も全てお任せです。
キャンプの基本を学ぶのはNONIWAのプログラムと同じですが、週末冒険会は1泊2日の間で一気に濃い内容を学びます。道具の選び方使い方、キャンプサイトの選び方、テントの張り方片付け方、焚き火の考えと火の起こし方に消し方、アウトドアならではの調理方法、果てはロープワークの基礎まで。
結構忙しいのですが、どのレクチャーも勉強になるし、伊澤さんのエピソードは全部面白いし、ご飯もお酒もおいしく、楽しく過ごせます。
この日の夜ご飯メニューはダッチオーブンで作るポークシチューにバゲット、鯛の蒸し焼き、あさりのアヒージョなどでした。

画像7

伊澤さんは信念がハッキリしていて、キャンプのことを“自然の中で暮らし、生き延びるための知恵や技術”として捉えているのがカッコいいのです。アウトドアに流派があるなら、カワウソ家は「伊澤流門下」です。
きっと、NONIWAで青木夫妻に丁寧なレクチャーを受けてキャンプを好きになった人たちは「野遊び夫婦流」から自分なりのスタイルを見つけて行くのでしょう。

PR記事みたいになってしまいましたが、実際オススメなのでいいか。
趣味を見つけたら、我流でやらずにちゃんと習うと面白いし、他の参加者もわざわざ習いに来る人なのでユニークな人が多く、コミュニティを広げる手段としても良いものだなぁと思います。
あと、良い年こいた大人になると、教わることの大事さはもちろん、教わる時間が思いのほか快適なことにも気付きます。何かに詳しい誰かの話はどのジャンルでも面白いので、知らないことは素直に詳しい人に教わればいいんだよな。教えてもらうのって楽しいことだよ。

カワウソはインターネットでしつこく情報を集めて溜め込むオタク仕草は得意なのですが、こと実践となると我流でやりがちです。効率も悪いし無駄なコストもかかりがち。なにごとも裏口や近道を探すのではなく、堂々と正面玄関から入るのが結果的に一番早くて確実なんだよな。なんで人生で何度も痛感してきたことを覚えられないんだ……。
焚き火を見ているとそんな内省も湧いてきますが、何でも先生を探して教室に通う大陸氏に引っ付いて行くうちに、週末冒険会にもNONIWAにも関わることができたので、余計に少しのことにも先達はあらまほしき事だなぁと思います。まずは大陸氏から習いごとの習い方を学んでいこう。

残念ながらコロナ禍はまだ続きそうですが、それでも新しく学べる面白いことは無限にあります。しかも世の中には良い先生がたくさんいることだし、多少疲れて気分がクサクサしても、ひねくれて回り道をせず、何事にも正面から挑んでいきたいものですね。

余談ですが、写真を撮らせてもらいつつアオさんに相馬光くんの話を聞いたら「相馬と仲良すぎて3人で住もうとして、エリーにすごい嫌がられたことがあります」と言っていました。魔性の男じゃん……。

画像8

カワウソ祭
https://twitter.com/otter_fes
http://majires.tokyo/profile/
山から降りて里にまぎれ、人に化けて暮らすカワウソ。Twitterをやったり文章を書いたり、酒が好きなのでバーの店番をしたり、後は酒を飲んで楽しく暮らしています。去年の緊急事態宣言下に始めたツイキャスも1年くらいになりました。酒うってくんろ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?