5p欠失症候群(指定難病199)

5p欠失症候群は全般的な発達の遅れ、 筋緊張の低下、成長障害、顔貌の特徴など共通する症状を持つ、染色体異常症候群の1つである。患者数は15,000~50,000人に1人と推定されている。人種の差や性別の差は特にない。5番染色体短腕の部分的な欠失が原因である。ほとんどの患者は突然変異による染色体異常が原因。ただし、不均衡型転座が原因である場合は親が均衡型転座保因者であることもある。出生後の成長障害、運動発達の遅れは、ほとんどの患者で見られる。その他に哺乳の弱さや便秘、側彎、筋緊張の弱さを認める。呼吸器、循環器、消化器、泌尿生殖器、整形外科、歯科の症状を持つこともあるが、患者によっては合併しない場合もある。また、中耳炎を繰り返しやすく聞こえの症状を持つ場合、近視や眼振など眼の症状を持つこともあるが、いずれも定期的な検診で早期に発見し治療が可能である。根本的な原因をなくすことはできないが、上記のような合併症を持つ場合は循環器科、泌尿器科、整形外科、眼科、耳鼻科などの関連する診療科で定期的な検査や一般的な内科、外科治療を行う。患者ごとに持っている症状や重症度に個人差があるため、様々な経過をたどるが、一般的に生後すぐには呼吸器や感染の症状などに気を付けることは大切。乳児期を過ぎると平均して3歳ごろから独り歩きがはじまる。始語は平均すると2歳半頃に見られる。この症候群の生命的な予後は現在の治療法の進歩により改善している。生命にかかわる主要な合併症がなければ、生命予後は一般的に良好であり、 海外の報告では60代の方がいる。食事を口から取ることが苦手な患者もいる。そのような場合、医療機関で摂食や嚥下の評価を行い、その方にあった食事摂取の方法やリハビリ指導が必要になってくる。運動や言葉の発達には患者によってそれぞれ幅があるので、子どもの発達に応じてリハビリ療法支援が効果的であるとされる。また耳の状態(難聴や中耳炎)や眼の状態(近視、乱視や白内障)によっては、それらの医療的サポートすることで周りからの刺激や情報を適切に受け取りやすくなると考えられる。多くの方はお話しする(表出言語)よりもお話を理解する(受信言語)方が長けており、 ジェスチャーサインによってコミュニケーション手段を増やしていく方がいる。多くの方で発達の遅れは認めるが、日常的な支援を常時必要とされる方から、学童期に食事や着替えなどの日常動作を修得される方も多いとされる。また、行動面で多動や衝動性、過敏性やこだわりといった行動障害を認めるとされるが、養育、療育支援や特別支援教育による学習や経験により様々な技能を修得可能とされている。

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引用:希少難病ネットつながる理事長 香取久之



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