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ガラス乾板からのカラー化

うちの写真館は大正期に創業したらしく古いガラス乾板が少し残っています。時間が取れず、整理もできてませんが一枚だけデジイチで複写して処理してみました。

ガラス乾板は主に明治期から大正期にかけて使用されていていました。
この写真がいつ頃の物かはなんの資料も残っていないのでわかりませんが、かなり古い時代のものであることは間違いありません。

ただデュープしただけのネガの状態は以下の写真

ガラス乾板のネガ画像

良い状態で保存してありました。ガラス面にはちょっと拭いたぐらいでは取れないような変質がありましたが、乳剤面はニスで拭いてあって鉛筆で修正した部分も確認できました。
デュープ(複写)はガラス乾板を立てて、背景に白い紙を置いて撮影しています。ガラス面の写り込みも抑えられて比較的に簡単です。

次の写真はネガ画像を反転したもの

ポジ像(正画像とも言うかな?)

ポジ像に反転して全体の明暗のレベル補正をしています。
ちょっと緩めに。
ここで完全な明暗補正をかけるとカラー化の時点で上手くいかなくなります。
暗い部分は完全に黒にはしない。明るい部分は完全な黒にはしない。
ローコントラストの状態でカラー化の作業に入ります。

カラー化はphotoshopのニューラルエンジンを使います。
まずは画像全体に適応するとイメージが掴みやすい。

細かい部分はブラシのカラー適応で色を変えていきます。

人の顔は細かく作業するとニューラルエンジンで立体的な色付けができます。具体的には人物一人一人毎に半身像を切り出して別画像を生成して
それ毎にカラー化作業をして顔部分を張り込んでいきます。

最後に画像を統合して彩度を調整、レベル調整を行います。

完成画像

まだまだ課題もあります。
そもそも白黒の画像で本当の色ではないはずで、人物の肌はそれらしく再現できますが、着物の色は適当な感じ。
何らかの資料がないと無理です。
今後も挑戦してみます。

軽く100年くらいは前の写真かもしれません。
カラー化で何かできることがあるかも。

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