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HubspotとPardotを両方使ったアドミンが選び方をガイドするよ!

こんにちは!Hubbleで営業管理・オペレーション企画をやっています。インサイドセールス・フィールドセールスが自分たちの数字に集中できるようサポートする立ち位置です。

具体的には、各種の業務フローの改善や、単純作業の自動化、アウトソーシングのマニュアル作成、ダッシュボードの作成、請求・・・なんかをやっています。

今回、MAツールを導入することになり、PardotとHubSpotを実際に利用してみたので、サービスを選ぶにあたって考えるべきことをガイドしていきます!

前提

想定する企業
● B to BのSaaS企業
● 営業・マーケメンバーは5人〜10人のチーム
● Salesforceは使っているが、MAは経験者がいない

担当者のレベル
✅ Salesforce認定アドミニストレーター
✅ プログラム(Swift, Java)はわかる。ノンコードツールがあると水を得た魚。
✅ HTML, CSSはちょっとカスタマイズはできる。ゼロから書くのはしんどい
✅ Wordpressでのサイト作成くらいならできる。

弊社でMAとの連携を考えるツール
 👨 Slack
🎦 Zoom (ウェビナー、アポイント取得後の商談)
📩 Gmail (インサイドのフォロー)
📅 Google カレンダー (アポイント)

比較するものについて
PardotはGrowthエディション、HubSpotは Marketing Hub のProfessionalを比較対象とします。

Pardotのほうが優れている点

Salesforceキャンペーンとの完全な統合
個人的にPardotを買う理由の98%はここだと思っています。PardotキャンペーンはSalesforceのキャンペーンと完全に統合することができます。HubSpotでは、フォーム送信時にSalesforceキャンペーンに登録することができますが、PV数などをSalesforceキャンペーンで管理したい場合はPardotを選択する必要があります。

なお、キャンペーンを統合した場合、Pardotからはキャンペーンが作成できなくなります。Pardotでは、メール・フォーム等にほぼキャンペーンが必要なので、毎回Salesforceからキャンペーンを作成して同期されるのを待つのはけっこう不便です。PardotからSalesforceキャンペーンを作れると良いのですが・・・。

Salesforceプラットフォーム上で通知を受ける
Pardotの有料オプション「Engage」を使えば、Salesforce上で通知を受けることができます。他の通知手段としては、メールがデフォルトで用意されています。

HubSpotでも、Todoを発行してそれを同期することで、Salesforce上で通知を受けることはできると思います。(試していません。)

フォームで一部の機能だけ事前入力する
MAで作成したフォームは、事前にわかっている情報を入力した状態で表示することができます。HubSpotでは事前入力する/しないを設定するだけなのに対し、Pardotでは項目ごとに設定をすることが可能です。例えば姓・名・メールを聞くフォームで、メールアドレスだけは事前入力した状態で表示するが、姓名は必ず空白で表示する、というような具合です。

マーケティングオートメーションでの分岐処理後、統合できる
これは図で見たほうがわかりやすいでしょう。

Pardot 分岐

ワークフローで分岐したあとに、同じ処理をする場合は、Pardotのほうがやりやすいです。まあ、Hubspotでも長くなる場合は、別のワークフローに飛ばせばいいので、このへんは好みですが・・・。

HubSpotのほうが優れている点

通知をSlackで受信する
HubSpotではアプリでSlack通知機能が提供されており、メール通知の代わりの感覚でSlack通知を受けれます。チャンネルに通知する場合もワークフローから項目を指定して通知ができます。

PardotでSlack通知をしようとすると、Pardotで作成されるtodoかキャンペーンメンバーをトリガーにして、Salesforceプラットフォームから通知を出す必要があります。
(あるいは、通知メールをSlackに転送する方法もありますが、これは通知する内容をカスタムできません)
何を通知するにも、todoかキャンペーンメンバーのオブジェクトを経由して通知をすることになり、大変手間です。

フォーム送信時に、その内容をSlackに通知したい場合には、絶対にHubSpotを使ったほうが楽です。

MAで作ったフォームを送信した人を、Zoomウェビナーに登録する。
Zoomウェビナーに参加した人の情報をMAに戻すのは、Pardotでもデフォルトできます。なのでセミナー後のフォローをMAでやる分にはどちらでも問題ありません。
一方で、セミナー前の集客をMAで行う場合にはHubSpotのほうが簡単です。

HubSpotでは、フォーム送信時にワークフローからZoomウェビナーに登録することができます。

Pardotでは一例ですが、フォーム送信時にZoomウェビナーのキャンペーンメンバーに登録して、それをトリガーにワークフロールールからアウトバウンドメッセージを出し、それをzapierで受けてZoomのREST APIを叩くと登録する事ができます。
(実際に作りたい場合は連絡ください。5万円くらいで作ってさしあげます。)
毎回zapierの設定をしてもよいのであれば、ZoomのAPIを叩く代わりに、Zoomとzapierのデフォルトの連携が使えるので少し簡単になります。

カスタマーサポート
電話をリクエストすると、5分くらいで電話してきてくれます。この体験は素晴らしいものでした。問い合わせフォームから問い合わせて、回答まで2日待たされるようなことはありません。

ヘルプページ
HubSpotのヘルプページは非常に優秀です。大体のことはGoogleで検索すると出てくるヘルプページを読めば解決します。やたらと読みにくい日本語を解読する必要はありません。

💡 設定方法と考慮すべき事項が別のページに書いてあるようなこともありません。このようにインライン形式で見やすく記載されています。

メール、メール配信設定ページ、フォーム、ランディングページのカスタマイズが簡単。さらにデフォルトでレスポンシブ
HubSpotではメール、配信設定ページ、フォーム、ランディングページをノンコードでかなりカスタマイズできます。

ボタンの色、角丸の半径、姓名の横並び、ボタンの右寄せ/左寄せ、などはノンコードでカスタマイズできます。確認した限りすべてのものがレスポンシブになっています。

Pardotにもメールやランディングページには一部レスポンシブのテンプレートもありますが、画面の操作性やテンプレートの完成度には大きな差があるので、テンプレートはHTML/CSSを書いて作るつもりのほうが良いと思います。
フォームについては、ベストプラクティスさんが無料で公開していらっしゃるので、これを使うといいかもしれません!

iframeでの埋め込み時にフォームの高さを自動で調整してくれる
HubSpotの埋め込みフォームは優秀で、項目の増減があると、高さを自動で調整してくれます。iframe内でスクロールするようなポンコツなアウトプットを出すことはなくなります。

Pardotの場合、項目を増やすとインテグレーションの調整が必要です。そのフォームがどこで使われているかをもれなく管理し、そのすべてのHTMLコードの高さを適切に再設定する必要があります。一度作ったフォームを変更しない前提であれば、最初の一回だけ調整すれば良いので、大きな差にはならないと思います。

埋め込みフォームの表示が早い
これは1ページに2つ並べて表示してみるとわかりますが、HubSpotのフォームは表示が爆速です。表示スピードが全然違います。

細かな使い心地がよい
これは主観ですので、あくまで参考までにしてください。例えばメール作成時に、HubSpotではボタン要素が簡単に使えたり、画像を差し込む際に過去の画像一覧がデフォルトでプレビューで表示できたりします。

画面に表示する情報のレイアウトを、非常に入念に検討して開発されていることがよくわかります。メール作成、メールのテスト配信、フォーム作成、フォームの埋め込み、メール配信設定ページの作成、各種設定、・・・様々な操作でUXの違いを感じることができます。

PDFをホストした際、ダウンロードではなくプレビューできる
HubSpotでホストしたPDFファイルのURLにアクセスすると、ブラウザで表示できます。Pardotの場合、必ずダウンロードになります。まあファイルのホストは別のところでやってもいいですが、マーケティングアセットをMAツールに保存するのは自然な発想なので、留意しておくと良いと思います。

Wordpressアドイン
HubSpotではWordpressアドインが使えます。これを使うと、Wordpressで簡単にフォームを埋め込めます。
PardotのWordpressアドインは Plus エディション以上での対応であるため、今回は試せていません。

Pardotを購入すべき企業

次の条件をすべて満たす場合には、Pardotを使うと良いと思います。

✅ 既にSalesforceキャンペーンを使いこなしており、PV数やフォーム送信など情報をSalesforceで管理したい
✅ 業務フローが決まっていて新しいテンプレートを作る必要がないか、メールのテンプレートや、LPのテンプレート、フォームなどをCSS/ HTMLで作成・保守できるリソースがある。

HubSpotを購入すべき企業

逆に、次のいずれかに当てはまる場合は、この2択ならHubSpotを使うべきです。

✅ Slackと連携したい。
✅ Zoomでウェビナーを実施している。
✅ さまざまな施策を試行錯誤したい
✅ システムのカスタマイズに割けるリソースが少ない

その他の考慮事項

Salesforceとの連携について
Salesforce連携は、キャンペーンの統合以外は実現可能なことについて、HubSpotとPardotでは大差ありません。既にキャンペーンを使っていて、そこでPV、CVなどを管理したい場合(≒ダッシュボードを絶対にSalesforce上に作りたい場合)を除けば、ここを選定基準にするのは間違いです。

💡 HubSpotは商談情報も同期できるので、受注貢献もちゃんと(HubSpot上ですが)確認できます。
💡 Todo もSalesforceとHubSpotで同期できます。

同期のスピードはHubSpotのほうが早い気がします。HubSpotではカスタム項目も自動で同期されるのもポイントが高いです。

HubSpotのその他の機能
HubSpotにおけるMAは1つの機能でしかなく、他にも便利な機能が(無料で)使えます。気に入っているのは次の3つです

Gmail連携
Gmailと連携して、個別メールの開封を追跡できます。Salesforceの場合、Inbox(3000円/月・ユーザー)で同等の機能が実現可能ですが、無料でできるのは良いですね。

モバイルアプリ
HubSpotのモバイルアプリはめっちゃ使いやすい・・・。受電時に誰からの電話であるかを、クラウドのデータを参照して表示してくれる機能が地味に便利。

日程調整機能
youcanbook.meのような、相手に空き時間から日程を選んでもらう日程調整が使えます。まあyoucanbook.meでいいんですが。

総論

極論を言うと、これらのサービスで「実現可能なこと」には大きな差はありません。それぞれ得意・不得意があるだけです。 

「初めてでもやりたいことが簡単にできる」ということを重視する場合にはHubSpotを、「Salesforce上で統合したダッシュボードを見たい」という場合にはPardotを選ぶと良いでしょう!


免責

本エントリの内容は、筆者が実際にそれぞれのサービスを利用した経験を元に執筆したものです。機能については可能な限り調査をしていますが、その正確さを保証するものではありません。それぞれの製品はアップデートにより仕様が変わる場合があります。また実装はされているものの気が付かなかった機能がある可能性があります。

また、実際の使い心地等、個人の主観に依存する内容が記載されています。上記の情報はあくまでユーザーの1つの意見として参考程度にするにとどめてください。

その他

Salesforce, HubSpot, Pardotを使いこなしたい会社さん、ぜひ勉強会しましょう。コメントください。

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