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2024年3月 活動報告

福島です。春の足音がはっきり聞こえているにも関わらず、まだ冬が足を掴もうとしている……そんな季節の変わり目を感じております。
年度最後となる3月の活動報告です。最後までお読み頂けると嬉しいです。
(写真はチャリカフェさん)


4度目だイノシシ

先月の活動報告で書いた通り、3月もイノシシ案件が発生しました。
同じ地域に繰り返し出没しているイノシシ2頭を捕まえるために、罠を設置することになりました。地権者の方や地域の方の意向を伺いながら調整し、イノシシが繰り返し出没している場所に設置することができました(自分の手柄の如く偉そうに語っていますが、罠を設置したのは業者の方なので、あくまで私は事前の手配だけです。念の為)。

賢くて罠に入りにくいと言うが果たして

現時点では捕獲に至っていないため「減った」訳ではありませんが、罠を設置してから途端に通報がなくなりました。地域の方が罠を見て安心したために通報しなくなったのか、イノシシがどこかに移動したのか……理由は不明ですが、まずは罠を設置できたことを喜びたいと思います(何事も「初めてのこと」は実施すること自体が大変なので)。

来年度はもっと柔軟に捕獲を手配できるよう準備を進めています。今までいなかった動物ということもあり手探りな要素も多いため、捕獲に繋がるよう引き続き模索して参ります。

ハンターデビュー(本当)

見えないシカとの勝負

2ヶ月連続で「ハンターデビューするぞ、ハンターデビューするぞ」と報告してきた私ですが、ようやっとハンターデビューしました。今度こそ本当です。先月報告したとおり、先輩ハンターから紹介して頂いた場所にくくり罠を設置し、遂にハンターデビューと相成りました。

出猟の動機、そして何より猟期の都合から、狙いはシカ一択です(一応イノシシもOKですが、生息頭数が少なく難しいので……)。
今まで箱罠は研究等で使ったことがありますが、くくり罠の実践は初めてです。今まで学んだことを思い出しながら自分なりに最善を尽くし設置してみました。本当はシカが踏み抜く場所をピンポイントで狙って設置できれば良いのでしょうが、今の私にはそんな技術はありません。そこで、「シカの通り道近くにエサを撒いてシカの方に寄ってきてもらう」という小林式誘引捕獲法で挑戦することにしました。設置した3月上旬時点ではまだクマの錯誤捕獲は考えにくかったので、安価で使いやすいヌカを撒き、私の狩猟が遂に始まりました。

『正解』が分からないのでこれで良しとする

翌朝見回りすると、早速ヌカが食われていました。捕獲できていないということは「罠に気付かれた」或いは「踏み抜くよう誘導できなかった」あたりが原因かと思われます。「エサをドーナツ状に撒く」ということは理解していますが、このドーナツの太さや高さはどの程度がいいのか、周辺の落枝はどの程度片付けた方が良いのか、敢えて残した方が良いのか……。場所ごとに条件が違うため、当然考えるべき事項は無数にあります。より良い設置方法を素人なりに模索します。

ヌカの食い逃げ

そんなこんなで試行錯誤を続けて数日……。

Zzzzz……

あ!!!!!!!!!

シカだ!!!!!!!!!!!!!

人生初の獲物は立派な雄鹿となりました!非常に感慨深い光景ではありますが、トドメを刺して運び出さなければなりません。「初めての獲物だから自力で処置したい!」という思いが強く、先輩ハンターを呼ばずに処置して運び出すことにしました。
講習の記憶を頼りに放血し、完全に動かなくなったところで思わず手を合わせます。さて、一刻も早く搬入しようと車まで運んだ時点で「ある事実」に気付いてしまいます。

……カゴが………小さいな……………。

狩猟用に車を買い、更にシカを積む用のカゴを付けたにも関わらず、あまりにも立派過ぎるシカだったためカゴに入り切らないという非常事態が発生。
数分だけ格闘した結果、潔く諦め先輩の軽トラで運んで頂くことになりました。「安全第一」の前には「自力で処置したい!」という邪念はリスクにしかなりません。
年度末で事務仕事にてんやわんやだったのと、あまりにも大きすぎて自分では捌けないだろうと判断したこともあり、MOMIJIさんに搬入してシカとはお別れをしました。記念すべき初めての獲物だったので、お願いしてツノだけ頂きました。

お金持ちの家にありがちな「壁から生えているシカの首」はお金持ちになったら作ります

無事捕獲することはできましたが、反省点もありました。
まず見回りが遅かったためかシカが足を怪我していました(写真のシカが寝転がっているのはそのためです)。これについては自分の認識の甘さに拠るものであるが故に、意識次第で改善できるため「次回以降注意する」に尽きます。
そして罠が上手く作動しなかったことも反省点であり、これはまだまだ改善が難しそうです。少なくない罠でエサだけが食われ罠が作動しておらず、このことは罠の設置方法に問題があることを意味しています。しかし「何が悪かったのか」を判断する技術を習得していないため、引き続き模索するしかありません。
また、今回作動した罠は本来括るべき脚ではなく蹄を括っており、非常にギリギリで捕獲できたという状況でした。これについては、使用した罠が非常にシンプルな構造であり、括りが浅くなりやすいタイプだったということが大きな要因かと思われます。この点は、少し価格がお高くなりますが、括り位置が高くなる罠を導入することで解決が期待できます。これについては色々なタイプの罠を使ってみて、自分に合うものを見つけたいです(単純に色々な罠を使ってみたいという興味もあります)。

毛皮と蹄の間に締め付けの跡が

捕獲2回目………?

シカ捕獲後も2頭目を狙い捕獲を続行。シカが近くまで来ているけども捕獲には至っていない状況が続き……10日程経ったある日のこと。

…………???

ふわふわもこもこが落ちている

タヌキがかかりました。猟期外のため当然リリースしますが、近付いても微動だにしません。『弱って死んでしまったのか……?』とも思いつつバネの締めを解放したところ、タヌキがビックリして飛び起きました。私もビックリして飛び退きました。ビックリとビックリが鉢合わせしてしまいてんやわんやでしたが、車に積んでいたカゴを盾にしてタヌキの動きを封じ込め、無事に罠を外すことができました。出血もなく一安心です。

罠を外したのにタヌキが不貞寝(狸寝入り)するアクシデントもありましたが、最後は元気に山に走り去っていきました。もう来るんじゃないよ、お互いのためにも。

もう罠外れてるよ

結局シカはこの1頭のみで初猟期は終了しました。正直ビギナーズラックでの捕獲だなとは感じていますが、0頭と1頭では雲泥の差なので非常にありがたいです。狩猟の神様か何の神様か分かりませんがありがとうございます。来季も頑張ります。

交付金の検査

3月26日、交付金の検査のために釜石にある沿岸広域振興局に行ってきました。これは何かと言いますと、今年度に町がもらった鳥獣対策に関する交付金が不正なく使われていたかを確認する検査のことです。
内容が内容なので細かいことは書けませんが、自分も携わっていた仕事も多く、年度末を感じる振り返りのような検査でした。私個人としても初めて確定申告をした年だったということもあり、ちょっとドキドキしながら持参する資料を準備しました。

農村RMO勉強会

3月5日、役場の会議室で開催された農村RMOの勉強会(第2回)に参加しました。

Q. 農村RMOとは?
A. 「複数の集落の機能を補完して、農用地保全活動や農業を核とした経済活動と併せて、生活支援等地域コミュニティの維持に資する取組を行う組織のこと」。

農林水産省HP(https://www.maff.go.jp/j/nousin/nrmo/)より)

初参加の私はてっきり地域の方(更に言えば農家さん)ばかりが参加されるかと思っておりましたが、行政の方を始め多様な方が参加されていました。
「なぜ人口が減るのか」ということについて各自が意見を出し合い、それらの意見を深堀りしていくワークショップが特に印象に残っており、自分以外から見た大槌町のことを知ることができました。

全国的に人口減少が進んでいる以上、大槌町だけでなく自分の故郷、更に言えば日本中にある「誰かの故郷」も同じ問題を抱えているんだろうなと思いを馳せる機会となりました。

契約ハンターデビュー

先月は、商業用に出荷するための捕獲方法について勉強させて頂きましたが、3月28日、安渡公民館で開催された契約説明会に参加し、MOMIJIさんにお肉を搬入する契約をさせて頂きました。
正直なところ自信があっての判断ではない(「質が高い捕獲をする」というレベル以前に「捕獲できるのか」という低レベルなところで)のですが、「まずは多く出猟し、経験を積んでほしい」というお言葉に刺激を受け、思い切って挑戦することにしました。

そんな私ではありますが、お肉を搬入した時点で当然「プロ」になります。納品したお肉に瑕疵があった場合、「自分初心者なんで~~~」という言い訳は通用しません。分からないことは分からないと言う、自信が無い時は「安全」な方を選ぶ、といった初心者であることを恥ずかしがらない心構えで精進して参ります。

終わりに

早いもので大槌に移住してから1年が経ちました。右も左も分からない状況で始まった当時のことを思えば、右と左の違いくらいは分かるようになったとは思います。前進の2年目となるよう引き続き励んで参りますので、今後とも宜しくお願い致します。

お読み頂きありがとうございました。

出張リスト

3月26日 沿岸広域振興局@釜石市。鳥獣交付金の検査のため。

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