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グレ魔以外に娯楽の知らない人間がアンダーテールを初見プレイしたので語りたい

2021年12月末日、グレ魔は流石に食傷気味。何か新しいゲームをしたい俺は、フォロワーさんからオススメされた「アンダーテール」を遊ぶ事にした。

以前、TL上で話題になった記憶がある。SNS上では「ネタバレ禁止及び自重令」が横行。幸か不幸か肝心のゲーム内容について全く情報が得られず、世間で何がどのように評価をされているのかが一切不明だった。

「まあまあ、それ程おもしれーって事なんだろうし、いっちょやってみるか。」

そんな軽いノリで俺はアンダーテールを始め、沼に肩までどっぷりと浸る事となった。

前置きはこの辺にして、各周回毎に適当に語ろうと思う。当然、ネタバレ全開な内容となる為、以降の閲覧は自己責任で。

なお、ゲーム内画像に関しては筆者が夢中でプレイした結果SSが殆ど存在しない。予めご了承願いたい。

1周目(Nルート Leaderless ED)

アンダーテールを起動しOPを眺める。「ああ、インディーズ系では良く見かけるレトロ調RPGゲームなんだな」と即時に解釈。仏頂面の主人公フリスクを操作しフラウィと出会う。

危うく殺されかけた所にトリエルが駆け付け、我が子の様に優しく接する。この時点で、俺の中の猜疑心が最高潮に達していた。フロムゲーに汚染された俺は徹底的に逆張りを続けた。誰も信じない、信じられない。そんな強いケツイを胸に秘めながらトリエルを殺害する。

「この世界は殺すか殺されるかだ。」

フラウィの言葉が脳裏を過ぎる。成る程、いつものRPGの様に迫り来る敵を殺せば良いのか。

遺跡を抜けた先でスケルトンのサンズとパピルスと出会う。寒いジョーク攻撃を喰らい、謎のパズルを強いられる。行手にパピルスが立ち塞がる。ムカついたのでパピルスを殺した。

今度はアンダインが立ち塞がる。なんだ、非常に好戦的じゃないか。数回のリセットの末アンダインを殺した。何故か達成感は無い。あるのはやるせなさ。

道中のモンスターも当然エンカウント分は皆殺しにした。上がるEXPとLVにほくそ笑む。

ホットランドのパズルを超えコアまで到達。メタトンが妨害して来たので破壊した。「もう終盤かな?ラスボス用にLV上げとかないとなー」と、ごくごく普通のRPGとして遊んだ。

先に進むとサンズから審判が下された。「EXP(エグゼキューターポイント)」と「LV(レベルオブヴァイオレンス)」の真実を聞き思わず絶句。弟を殺したクソ人間と罵られる。この時点で俺は気が付いた。このゲーム、普通のRPGじゃねぇわ。殺しちゃダメだったんだ。

だが、此処で引き返す訳には行かない。時間が無駄になる。

アズコア王と謁見。そして、最後の死闘。何度か敗れたがセーブとロードを繰り返し勝利。選択肢が出現した。見逃すはずは無い。殺した。俺の勝ちだ。これでモンスターの魂を取り込みバリアを抜け人間界に戻れる。

そう思った矢先に、突如フラウィが現れる。セーブデータが破壊され謎のデータが上書きされた。ロード先は地獄だった。

フォトショップ・フラウィは非常に強烈だった。一目見て分かった。理外の存在だ。ドット絵のゲームに実写取込みのモンスターが登場するなんて前代未聞だ。しかも、セーブとロードを使って来やがる。何なんだコイツは?

若干トラウマになりながらも花をへし折り簡素なEDを迎える。サンズから電話越しに罵られ1周目が終了した。

非常に後味の悪い終わり方だった(Nルートの中でも最も最悪なEDだったのは後程知る事になる)。

今までの冒険を振り返り「もしかすると、このゲーム誰も殺さずにクリア出来るのでは?」そう考えた俺は、リセットをして2周目プレイを開始した。

2周目(True Pacifist ルート)

「今回は誰も殺さない。」

そうケツイした俺は、襲いかかるモンスター相手に平和的な行動を徹底した。

トリエル戦で先に進めず非常に悩んだが「にがす」を連打すると先に進める事が判明。

完全に理解した。キチンとLVを上げずとも遊べる様なバランスに仕上がっているのか。ゲームの完成度に感心した。

モンスターとの会話や、1周目で殺したキャラとデートイベントを経ると嫌でも愛着が湧く。特に、アンダインのデートイベントは非常に面白かった。

だが、不殺プレイはフラストレーションが溜まる。エンカウント毎の対話は面倒過ぎる。だが、中途半端は宜しくない。俺は殺戮願望を抑え、我慢しながらストーリーを進行した。

しんじつのラボを経てアズコア王の元へ到着。避けられない戦いが始まると思いきや、友達が沢山集まる。平和的で幸せなEDが始まるのかと思った矢先に登場した、フラウィ。

人間の魂と幾多のモンスターの魂を取り込み、現れたのはアズリエル・ドリーマー。フラウィの正体は、「人間界で咲く金の花にアズリエルのケツイが注入したもの」だったのだ。

ストーリーの展開が目まぐるしく俺は理解が追い付かなかった。主人公はフリスク?    アズリエルって誰だ?    花の正体は本当にお前なのか?    最初に名前付けた奴って誰だよ?    疑問が止まらない。

アズリエル・ドリーマー戦は演出が凄い。曲がカッコいい。月並みな感想しか出て来なかった。実際その通りなのだから仕方あるまい。

アズリエルを分からせ、モンスター達は晴れて外の世界へ。トリエルからの究極の二択は相当悩んだ。悩んだ結果、元の場所の元へ帰った。

EDは本当に良かった。登場した全員が幸せそうだった。ああ、これを見るために頑張って来たんだな、と。

一服をしながら感慨に浸っていた所に突然のスペシャルサンクス。本当に突然過ぎて戸惑った。軽率にスペシャルサンクスを飛ばすな。

俺は大満足した。確かにこれは良いゲームだ、人に勧めたくなるのもネタバレを禁止したくなるのも頷ける。集合写真やバタースコッチパイを脳内で反芻しニヤニヤしていた所にふと疑問が過ぎる。

「じゃあ、今度は全員皆殺しにすればストーリーはどうなるんだろう?」

3周目(Genocide ルート)

「今回は全員殺してやる」

皆殺し。全員殺害。ジェノサイド。ここまで来たらやるしかない。しかも、大変都合良く「本当のリセット」なんてものがあるじゃないか。

本気で悩んだ。だが、俺はトリエルやサンズ、パピルス等々、皆との思い出よりも自身の好奇心を優先した。

遺跡を蹂躙後、トリエルを殴るとたったの1撃で死んだ。心が痛かった。

パピルスを殺した。アイツはバカだったけど最後まで主人公の事を思ってくれていた。後悔した。

敵を殲滅しないと先に進めない。ウォーターフールのモンスターを皆殺しにする。モンスターの子なんぞ"いいカモ"だ。

真のアンダインが現れる。めちゃくちゃ強い。葦名弦一郎よりも絶対強い。コントローラーをアケコンに替えて1時間程掛けて撃破。

難敵を倒し「よし!   やったぞ!」と喜びハッとする。Pルートでの鬱憤を晴らすが如く、俺はいつの間にか殺しを楽しんでいた。

Gルートはどうやらパズルを解く必要が無い。殺しに専念出来るのは良い。ランダム40体を手早く処理しメタトンを1撃で葬る。

審判の場でサンズと再会する。ボコボコにされた。どうやら、サンズはセーブの概念をある程度理解している模様。苦戦を強いられたが、スペシャル攻撃を凌ぎ屠った。思わずガッツポーズを決めた。

フラウィがアズコア王を殺した。手間が省けるな。そのままフラウィも殺す。これで全員殺害した。さて、どんなEDが来るかとワクワクしているとある一人の人物が現れた。主人公と同じ位の子供か?張り付いた笑顔が不気味過ぎる。

会話を進めると世界を破壊するかと聞かれる。折角此処まで来たのだし壊しとくとかと承諾する。画面中が9で埋め尽くされ、世界は崩壊した。

「えっ?これで俺のアンダーテールは終わりなの?」

ゲームを再起動するが、真っ暗な画面と風切り音しか聞こえない。

4周目(Soulless Pacifist ルート)

流石に埒があかないのでリスナーさんから情報を聞くと、暫く放置すると会話イベントが発生するとの事。適当に時間を潰すと確かにイベントが発生した。

どうやら、自己の魂と引き換えに世界を再構築出来るらしい。明け渡す以外に選択肢は無さそうなので渋々承諾。すると、見慣れたOP画面が戻って来た。本当に良かった。

フォロワーさんから「4周目はPルートやりましょう!」とアドバイスを頂く。また不殺やんのかよ。まあまあ、取り敢えずやってみるかと再度冒険を開始した。

この手で殺した奴らが、皆、何も知らない顔をして登場して来た。考えても仕方ない。淡々とPルートを進行した。道中やボスのセリフ等何か変化は無いかと思ったが、特に何も無さそうだ。

途中でNルートに寄り道をしつつPルート終盤。初見時は分からなかったラボやアズリエルとのやり取りも多少理解出来た気がする。

トリエルとの分岐が来た。トリエルと残るを選択した。寝室で寝ているのはフリスクでは無くGルートのアイツ。思わず鳥肌が立った。

皆の元に帰るも選択した。集合写真にはフリスクでは無くアイツ。他キャラは顔が赤く塗り潰されている。絶句した。

魂を明け渡した結果、アイツに乗っ取られてしまったのか。こんな終わり方あんまりだ。情緒が掻き乱された。もう本当に終わりなんだなと悟った。

最後に

アンダーテールは凄いゲームだった。RPGでの固定観念(敵を倒してレベルを上げる等々)を巧く利用したストーリーやシステムが斬新だった。ストーリー展開も先が全く読めず、ものの見事に作者の掌の上で転がされたなと感じた。

特に、メタフィクションの組み込み方が秀逸だった。セーブ&ロードの概念、主人公では無くコントローラーを操作しているプレイヤーやリスナーに語り掛けるセリフ等々、思わずハッとなる場面が幾つもあった。個人的には、Gルートニューホームでのフラウィのセリフが印象的だった。

普段、RPGは殆どプレイしない筆者ですらハマれる良いゲームだった。未プレイの方は、是非好きな様に遊んで各々で「アンダーテール」を感じ取って頂きたい。

令和の時代に、アンダーテールを一切何も知らずに遊べたのは奇跡に近い。紹介して下さった方には本当に頭が上がらない。この場をお借りして深く御礼申し上げます。

次はデルタルーン…の前に、ボーダーダウンリミックスモード攻略かな。こっちも楽しめそうだ。

次回に続く。

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