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【現代麻雀への道】44 マンピンソーの起源

麻雀以前に存在したソーズの謎

麻雀にはマンズ、ピンズ、ソーズと、三種類の色がある。どの色が好きなのか、人によって好みが分かれるだろう。派手好きの人はビンズがいいと言い、渋好みの人はソーズを好む気がする(マンズ好きの人にはなぜか会ったことがない)。

この三種類にはどんな意味が込められているのだろう。それが今回のテーマである。

ここで話はガラッと変わるのだが、中国は歴史の国。正統な歴史から裏面史まで、さまざまな歴史書が残されている。そのひとつ、「清朝史演義」(しんちょうしえんぎ)に、こんなエピソードが紹介されている。

雍正帝(ようせいてい)の時代(1723~1735)に、血滴子(シュエティツ)という秘密警察の組織があった。これを用いて、皇帝は気に入らない者を片っ端から処分して いた。
正月休みのこと、王雲錦(ワンユンジン)という大臣が、三人の大官を招いて紙牌遊びをしていた。
数ゲーム終えたとある局、王雲錦は3s待ちでテンパイしていた。けれどもいっこうに出てこない。勝負が終わって調べてみると、3sが1枚なくなっていた。
このとき、王雲錦はこれでやめようと言い、まだやりたがっている三人の耳元で何事かささやいた。思い当たることがあったのだ。
翌日、御前に出た王雲錦は、正月休みに何をしていたのかと帝から尋ねられた。当時、博打は禁止されていたが、葉子戯 (イエーツーシー、麻雀のルーツ)をしていたと答えると、帝は正直なやつだと言い、何かをポンと投げた。
拾ってみると、それは昨晚なくなった3sだった。

秘密警察が大臣の家にまで入り込んでいたことを伝えるエピソードだ。

しかし、それより気になるのは、この話に3sが登場することではないか。麻雀が誕生する前の18世紀、すでにソーズは存在していたのだ。


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