見出し画像

【現代麻雀への道】43 出世したメンゼン

今回からマガジン「現代麻雀への道2」になります。43から85までの43回で、そのうち無料版が4回あるので計39回ですね。

メンゼンって日本の役なの?

点数が同じなら、ポンチーした手牌よりもメンゼンの方がいい。リーチすれば一発や裏ドラの可能性があるからだが、それ以前にメンゼンの方が美しいという価値観があるのではないか。

メンゼンが好き――この感覚は、日本に麻雀が伝わってからできたものだった。中国ではポンチーするのが当たり前で、メンゼンがかっこいいという価値観は存在しなかったという。

「博打に好きも嫌いもないあるよ。そんなことより金を持ってきたあるか?」 こう言われてしまうものだった。

日本に伝わった麻雀はおもに南方ルール。そこにメンゼンという役はなかった。メンゼンは北方の地方役で、それが日本では中心的な役として当初から採用されていた。

このメンゼン、日本に輸入されると、まずは10符役から始まった(当時は符役と翻役があった)。それがまもなく1ハン役に昇格する。そこで問題となったのはピンフとのかねあいだ。

ピンフの定義は符がつかないこと。そうなるとロンアガリしたときにはいいけれど、ツモアガリしたときにはツモ符がついて、ピンフという役が消えてしまう。つまりツモアガリした方が安くなる。

そこで出された改革案は、麻雀史上でもメンゼンを最高に出世させるものだった。メンゼンのロンアガリは1ハン、ツモアガリしたら2ハンとされたのだ。

たしかに、これならピンフの問題は解消される。けれども、当時はホンイツが1ハン、チャンタも1ハン、チンイツすら3ハンの時代である。リンシャンカイホウはわずか2符だ。今度は他の役とのバランスが悪くなってしまった。

また別に出された改革案は、ツモアガリしたときにツモ符をつけながら同時にピンフも認めるものだった。

そこでの間題点は、符がつかないというピンフの原則に反してしまうことだった。これも何か許せないものがあったのだろう 。 却下された。

※この文章だけ単品で100円で買えますが、このシリーズ39回(本1冊分)がマガジンで1000円となっています。

ここから先は

775字 / 1画像
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?