留年大学生のとき、大学が半年間休みになった。
前期の単位を落としただけで留年したから、後期は何も取る必要がなかった。

そこで半年間外国旅行をすることにした。
ヤマザキパンの工場でバイトしたわ。

横浜から船でロシア（当時はソ連）のナホトカに行き、そこからシベリア鉄道に乗ってソ連を縦断した。
当時はウラジオストックが軍港で閉ざされてたから、ナホトカになった。

そのシベリア鉄道の車内で、日本人４人が同じ客室になった。
たまたま４人だったんだよね。

３人が20代前半で、１人が20代なかばだった。
留年大学生の俺、卒業旅行の２人、仕事をやめて自分探しの１人。

卒業旅行の２人は信金に就職が決まってて、ドイツで女を買って初体験するのが目標という情けないやつらだった。
風の便りでは無事童貞を卒業できたらしい。

その列車内で、シンガポールから来てる20代後半のねーちゃん２人と仲良くなった。
ロシア人とはコミュニケーションできないので、外国人同士で仲良くなるんだよね。