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【データ三麻】これが毒文だ3 22「1シャンテンからの反撃」より

ベタオリ失敗率を考慮すると

細かいケースについて補足しておきます。

まず、今回のケースは安全牌がふんだんにあってほぼオリきれることを想定しています。しかし、場合によっては切る牌が無筋以外ないといったケースも少なくありません。その場合も同様に考えてよいのか、という問題があります。

基本的な考え方としては、無筋しか持っていない状況であれば1巡だけ前に出る選択肢はありです。その場合でも、やむなく押しているわけですから、オリられる見込みができたならスッパリ引くことが肝要です。

ベタオリ失敗率を考慮することによって、要求打点がどの程度下がるのか検討しておきます。抜きドラ1枚のリーチに対してベタオリ失敗率(一度失敗して、その後は失敗しないとする)を5%と考えたときの局収支の減少分は300 ~ 400点となります(10%とするとこの倍になります)。

アガリ率が約20%であればベタオリの局収支が400点下がれば要求打点は2000点、ハン数にして約1ハン下がります。このへんの知識まで活用できると、押し引きの理解が深くなります。

次に、要求打点の誤差について考えておきます。

8巡目、11巡目のアガリ率は約20%ですから、局収支の誤差を500点程度と仮定した場合、要求打点の誤差は約2500点となります。完璧にオリきれる保証はない、点棒状況が押し有利に傾いているなどといった場合には、この誤差を考慮しつつ前に出るのもありです。

さらに、14巡目について考えます。14巡目は終巡間近ですから、テンパイ料を考えて押すことも考えられます。しかし、終局時テンパイ率はそれほど高くないのが現実ですから、そのまま流局までいく可能性がそこまで高いわけではありません。また、アガれる可能性もわずか6%程度です。

また14巡目における片筋456の危険度は約15%、通常の無筋192837に至っては20%となり、無筋を押すのはかなりのリスクになります。テンパイ料を考慮して無筋を押すのは、14巡目であれば避けるべきです。

本にはない福地の感想

この「ベタオリ失敗率」って凸本のときにはなかった概念みたいですね。
その後取り入れることによって、押しが不利すぎた数値がだいぶ押せるように改善されたという。
と言われても「あ、そーですか」くらいの感じかと思いますが、こういうところに研究者の青春が存在するわけです。

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