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5ブロックを役より優先する 松ヶ瀬選手の選択は?

東スポ問題の5ブロック的解説

東スポwebが記事にしたサムネの松ヶ瀬手牌について、こんなツイート↓をしました。

見やすいようにもう一度手牌を載せます。

これさ、中級者以上の人にとっては、単なる当たり前じゃん? これがプロの一打とか意味不明でしょ? となります。

しかしこれ時間が経つにつれて、いい問題だと思い始めたという。

一般紙の記事として、あまり複雑な説明はしたくない。状況説明が必要になるような問題は避けたい。そして、見た目として派手な魅力ある手を問題にしたい、となります。

というか専門誌だってそうです。ぼくは若いころ、何切るって、つながったいい手牌じゃなきゃ駄目なの?と疑問を抱きつつ、そんな問題ばっか作ってました。

あるとき、あまりよくない手牌を問題にして何が悪いんだよ、それこそ麻雀のリアルだろ!と思いつつ、たいしたことない手の何切るを出したら、やはりいつもと同じくらい人気あって、何切るはいい手じゃなきゃ駄目だという精神的拘束から解放されました。

でも、この東スポの記事みたいに、麻雀の手筋解説が目的ではなく、プロってすごいね!というフワッとした記事の場合は、やっぱすごい手の方が似合います。

この東スポ問題は、ぼくが「基本形80」という本で一番書こうとしたテーマにドンピシャとなってます。一番書こうとしたテーマというのは、5ブロックを無意識のうちに考えるようになってね!ということです。

この手牌は、ブロック分けすると、こうなります↓

その一方で、ここから1sを切るというのは、こういうブロック分け↓になってます。

上は安定性があって自由度が高く、万全の形です。あとはソーズが発展するツモを待つだけ。対して下は、形が限定されすぎてて発展性に乏しく、余剰牌を持てないし、ソーズの連続形が生かせてないです。

だから、上のブロック分けにして2pを切ってね、1s切りは駄目よという問題になってます。

実戦では次に7sを引いたので同じ結果になってますけど、次に36sを引いたときとか5sを引いたときには1sが残ってた方がよく、構えに差が出ます。

たとえば3sを引いたときはこう↓

ここから8pを切って、1sが残ってることが重要な受け入れを増やしてます。

ピンズは3メンチャンという万全の形なので、できるだけソーズを厚く持ちたいんですよね。

この問題は、タンヤオという役よりも、ブロック分けを先に考えるようになってねという話です。

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