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『窓から逃げた100歳老人』ヨナス・ヨナソン著、柳瀬尚紀訳 西村書店

イスラエルとハマス、ロシアとウクライナ、イラク、シリア、パレスチナ、アフガニスタン、ソマリア、中央アフリカ。。。
世の中、悲惨な話題が多すぎて、どうにもやりきれません。

こんな時こそ、ニンマリと笑える本が必要ではありませんか?
というわけでこちら。『窓から逃げた100歳老人』の登場です。

めでたい100歳の誕生日を祝うため、老人ホームの誕生パーティに市長や取材陣が集結しつつあるというのに、主人公アラン・カールソン(100)は窓からスリッパ履きで大脱走! 自由の身になってウォッカを飲むつもりが、外に出たとたん、大金が入ったギャングのスーツケースを持ち逃げしてしまい、追われることに。

ところが、このアラン老人、ただの100歳ではなかった。
爆弾作りの天才で、フランコ将軍から、トルーマン、スターリン、毛沢東、ここ百年間の歴史上の著名人は、みーんなアランのお友達か命の恩人か敵(笑)
そんな馬鹿な! いやしかし、100年も生きてれば、まさかとは思うけど、あ、ありえるのか!!
アランは、イデオロギーと宗教の話だけは絶対に受付けないのに、どんどん周囲のイデオロギーに巻き込まれたり利用されたり。イデオロギーのために多くの人が死ぬ、そんな現実の世界を徹底的に揶揄しているわけです。

ワハハと笑えるところは少ないですが、とにかくニンマリ、ニヤリ。
現代版の『ほら男爵の冒険』だと言ってもいいんじゃないかしらん。

それにしてもこの100歳、元気すぎる!!(笑)