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〝どけ、邪魔するな〟 映画『ため息に乾杯』

ため息に乾杯(2024年製作の映画)Good Grief 製作国:アメリカ 上映時間:100分
監督 ダニエル・レヴィ
脚本 ダニエル・レヴィ
出演者 ダニエル・レヴィ ルース・ネッガ ルーク・エヴァンス ヒメーシュ・パテル セリア・イムリー デヴィッド・ブラッドリー アルノー・ヴァロワ



「オリヴァーが最初に話したことは〝どけ、邪魔するな〟でした」by オリヴァーの父

ちなみにオリヴァーはゲイです。

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原題『Good Grief』は日本語では〝やれやれだぜ〟。

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監督&脚本&主演はカナダのドラマ界で演技賞も受賞しているダニエル・レヴィ。
彼はゲイであることをカミングアウトしており、
他の主要キャストとしてはルーク・エバンスとアルノー・バロワもゲイをカミングアウトしている俳優。

で、この映画は「画家の男性の夫が急死」したところからスタートするゲイ映画です。

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やっぱこのくらいのサイズ感のコメディを含めた大人向けの人間ドラマって最高ですよね。
大好き。

映画界で配信が幅を効かせるようなってからの利点のひとつでしょう。
劇場だけの興行だと不安が過ぎて製作もされないけど
配信なら回るし
観客としても実際このサイズので
映画賞とってるわけでも
人気俳優が出てるわけでもない映画を
劇場で見逃さないとは
言い切る自信がない。。。

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まずストレートに褒めますと、
女優のルース・ネッガが素晴らしいっ!

『ラビング 愛という名前のふたり』でアカデミー賞主演女優賞にノミネート。
『PASSING -白い黒人-』で全米映画批評協会賞で助演女優賞受賞という彼女。

ラビングの方はおとなし過ぎてそんななんですけど
PASSINGの演技はヤバくてヤバくて。。
ぜひ観てみてね、と。

で、今作の役柄としては
〝ゲイ男性の間でウロチョロする元気な女性〟。。

さんざん類型化されてきたキャラクターだけだルース姉さんに任せるとあら不思議。面白い。奥行きハンパない。

まぁとは言え、この役柄もそろそろなんとかならねぇかなとは思いますが。。

ゲイ当事者が監督&脚本&主演やった映画のこの役出てきちゃう??とは思う。。

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次に服がオシャレ!

全員現代のハイソサエティなキャラクターだし、途中からはパリに移動するしで、
とにかくオシャレ。
服も建物もオシャレ。

全員10頭身くらいなのもいい加減にしてほしい。

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で、
ハリウッド的なコメディ人間ドラマに陥らなかった点も好き。

もっとバンバン展開できただろうし
コテコテのコメディにも御涙頂戴にもできただろうけど

とてもミニマムな〝友情〟の物語を描こうととして描いた点もとても好感が持てます。

全然いいと思います。
好きです。

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だが、、、
もうちょっと見応えがほしいかなぁ。。。。

全然このサイズでいいし
このテーマでもいいし
大騒ぎしてない感もいい。
オシャレさもいい。
全部全然いいんです。。

でも、、、もうちょいクドさとか臭さが欲しくなっちゃったなぁ。

マンブルコア方面に行くわけでもなく、、
ハリウッドコメディ方面に行くわけでもなく。。

全然今のままでいいんですけどね!

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