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最初は病院薬剤師がいい? 病院薬剤師におすすめな人とダメな人

こんにちは、病院薬剤師のいるかです。
今回は、大学のときによく言われる、最初は病院薬剤師になるべきか?
についてお話しします😌

★今回の目次★

1.薬剤師のキャリアパスについて

・薬剤師の仕事の種類(病院薬剤師と調剤薬局薬剤師)


 薬剤師の仕事の種類には大きく分けて病院薬剤師調剤薬局薬剤師(さらに調剤薬局とドラッグストアに分けられる)の2種類があります。病院薬剤師は、病院内での薬剤師業務を担当し、調剤薬局薬剤師は、調剤業務を担当します。このほかにもMRや製薬企業、市に務める薬剤師などもありますが、数が限りなく少ないので今回は割愛します😌

・薬剤師の仕事内容の概要

 薬剤師の仕事内容の概要としては、薬の調剤、副作用の管理、患者さんとのコミュニケーション、医療チームとの協力など多岐にわたります。

2.病院薬剤師とは

・病院薬剤師の役割と業務内容

 病院薬剤師は、患者さんの治療に関わる医療スタッフの一員として、薬物治療を担当します。具体的には、患者さんに合わせた薬剤の選定や投与、薬物治療の効果・副作用のモニタリングなどを行います。
 例えば、感染症の患者に抗菌薬が処方されたとき、この薬でいいのか、腎機能に対してこの量でいいのか、医師へ提案することもあります。

・病院薬剤師が携わる患者さんの治療

 病院薬剤師は、入院中の患者さんの治療に深く関わります。治療に必要な薬剤を適切に選定し、副作用の管理を行うことで、患者さんの健康維持や治療成績の向上に貢献します。

3.病院薬剤師になるメリット

 ここから病院薬剤師になるべき、メリット・デメリット、どういう人が見ていて、向いていない人はどんな人かお話しします。

①患者さんの治療に深く関われる

 病院薬剤師は、医師との協力によって、患者さんに適した薬剤を選定し、投与量や投与頻度を決定します。また、治療薬の副作用に関する情報を提供し、副作用の発生を予防するための措置を講じることも重要な業務の一つです。調剤薬局では見れないような検査や、カルテの内容を見ることができ、それだけで経験になります。例えば、脳梗塞で入院してきた患者がどのような治療をして、どんな薬を使って、リハビリにどのくらい時間がかかって、どこに転院・退院するのか、など経過を追って知ることができます。

 さらに病院薬剤師は、入院中の患者さんと密接にコミュニケーションをとることができます。調剤薬局では患者は早く帰りたい方など長く話ができなかったり、患者自身からの聴取が基本となるため、詳しい病態が分からず踏み入った会話が困難です。病院薬剤師はカルテや、医師・看護師との会話などから患者さんの薬物治療に深く関わっているため、薬剤師が説明することで患者さんの不安を取り除いたり、薬の正しい使い方を教えることで治療成績の向上につながることがあります。特に病院でやることがあまりない患者は比較的真剣に話を聞いてくれます(そもそも具合が悪くなって入院しているので)。

②専門的な知識が身につく

 病院薬剤師は、薬剤師免許を持っているだけでなく、医療に関する豊富な知識も必要です。病気や病態に関する理解や、治療に使用される薬剤の効果・副作用について深く知ることができます。また調剤薬局にはない点滴や注射製剤についても深くかかわります。特に僕が思うのは病院では医師や看護師から質問や相談を受けます。それによって違った視点で薬や疾患について知ることができます。

③病院でしか取れない認定がある

 病院薬剤師では病院でしかとれないような認定があります。例えば感染制御認定薬剤師、がん薬物療法認定薬剤師、緩和薬物療法認定薬剤師、救急認定薬剤師など、取得することでキャリアアップにもつながることもあります。特殊な資格が欲しい人などにはおすすめです。
 ちなみに僕は救急認定が欲しいのですが、取得しても給料は増えず、転職にもあまり役立たないので趣味みたいなものです(笑)

④多様な職種とのかかわり

 大学生の方は想像してみてください。病院には患者さんのほかに、医師・看護師・栄養士・理学療法士・検査技師・放射線技師など多様な職種の方とかかわることができます。それに対して調剤薬局では基本的に患者と薬剤師同士のかかわりが基本となります。病院ならばいろんな出会いもあり、それが人生にとってプラスになることも多々あります。看護師と結婚する方も多くいます。こういった点からも病院は最初の就職先としておすすめです。

⑤休みがとりやすい

 これは病院や薬局の規模や、方針で賛否両論あると思いますが、大きい病院であれば薬剤師は10~30人前後在籍しています。このため休み・有休が比較的自由に取りやすいです。僕の勤める病院では有休も月1~2回とれますし、業務に支障がなければ平日でも取得可能です。自由に休みがとりたい方などにはおすすめです。

4.病院薬剤師になるデメリット

①勤務時間が不規則


 多くの病院薬剤師は、24時間体制で患者さんの薬剤管理を行うことが求められます。そのため、勤務時間が不規則なことが多く、休日出勤夜勤も多いため、プライベートの時間を確保することが難しくなることがあります。
 不規則故、生活リズムが崩れやすいです。若い間は大丈夫ですが、年を取ってからは大変だったりします。

②ストレスが多いこと


 病院薬剤師は、患者さんの薬剤管理に深く関わるため、薬剤に関するトラブルクレームに対応することが求められます。また、医療現場はストレスが多い環境であり、薬剤師もその中で働くことになるため、メンタルヘルスに気を配る必要があります。僕も患者からクレームの電話を何度も対応していますし、態度の悪い看護師や、性格の悪い医師との継続的な対応することも多々あります。

③業務内容が専門特化しているため、薬剤師以外の業務に対する知識が少ないこと

 病院薬剤師は、薬剤師の専門性を活かした業務に特化しているため、医師や看護師など、他の職種に関する知識が不足していることがあります。そのため、チーム医療の中で、他の職種とのコミュニケーションに苦労することがあります。
 また、いざ調剤薬局に転職しようと思ったときに、取得した資格が年収アップにつながらない、業務内容が異なり苦労する、病院薬剤師というだけで調剤薬局から敬遠されることがあります。

5.最初に病院薬剤師を目指すべき人、そうでない人


 さて、最後に本題に入ります。薬学生のときに教授から「最初は数年でもいいから病院薬剤師になったほうがいい」といいわれることがあると思います。僕はもともと病院薬剤師になるつもりだったので関係なかったのですが、これを言われて悩む方もいると思います。
 この言葉の真意は「調剤薬局にはいつでも行けるから、病院でしか学べない知識・経験を最初に積んだ方がいい。調剤薬局に行っても知識や・経験を活かせるから」だと思います。

 しかし人生は人それぞれです。何を大切にするか、重要視するかは自分で決めるものです。
 なので、金銭面・給料を何より重視する方はドラッグストア・調剤薬局へ行くことをすすめます。病院へ行かなくても働き続けることは可能です。また夜勤・当直はしたくない、休日が不定期になるのは嫌だ。という方もお勧めしません。逆に経験を積みたいという方は病院へ。ずっと務める気はないという方は2~3年でも十分経験になると思います。病院でしか取れない資格が欲しいという方も当然病院がいいと思います。また人づきあいが好きで、多くの人とつながりを持ちたいという方にもお勧めです。
 
 ただし中にはお金はほしいけど、急いでほしいわけではないし、経験も積みたいんだよな~ という方もいると思います。というより悩む方はこういう方だと思います。病院に就職できるかどうかは運にもよるので、僕は最初の2~3年だけと決めて病院へ行くことをお勧めします。就職できなかったらスッパリ諦めて調剤薬局へ行けばいいと思います。
 この2~3年で調剤薬局では得られない知識がたくさん得られますし、逆に3年以上勤めて新規に調剤薬局で活かせる知識はそれほど多くないと僕は思います。

 今回は以上になります。
 ぜひまた見てください😌


最後まで見ていただいてありがとうございます。 もしサポートいただければ、今後の活動の経費にあてたいと思います。よろしくお願いします😊