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注射調剤は内職? 薬学生が理想と異なる病院薬剤師の注射調剤💉


 注射調剤は調剤薬局とは大きく異なる業務の1つです。注射と聞くと病院薬剤師として活躍できるところだと考える方も多いのではないでしょうか。もちろん注射も薬剤師としてたくさん介入できるところですが、意外とその業務は地味なものです。

 今回はその注射調剤について説明していきたいと思います。


1.注射の種類

 そもそも、注射といってもいくつか種類があります。

1.アンプル

2.バイアル

3.輸液

 大きく分けるとこの3つになります。注射調剤としてまず覚えるのは薬の置いてある場所です。病院ごとにやり方は異なると思いますが、自分の職場は普通薬、抗菌薬、抗がん剤、劇薬で棚が分かれており、他に輸液はたくさん場所をとるので輸液がずらっと並んでいるような感じです。また他に注射薬は温度に不安定なものが多いので冷所品もたくさんあります。他にも金庫に入っている毒薬、麻薬などもあります。TPN製剤(また今後説明します)も別になっています。

 新人さんはまずこの場所を覚えてもらいます。次は注射調剤の種類を紹介したいと思います。


2.注射調剤のやり方

 注射調剤は一言でいうと内職みたいな感じです。

 まず処方通りに薬を集めます。処方箋通りのシールが印刷されるので、それを輸液に貼ったり、アンプルやバイアルは小さい袋に入れます。これを永遠とやっていると内職かなって思います(笑)。

 またある病院とない病院があるとは思いますが、注射の数が多い病院ではピッキングマシーンというのがあります。それが注射のかごに名前を印字してくれて、さらにピッキングマシーンの中にはたくさんのアンプルやバイアルが入っており、ある程度点滴を集めてくれる機械です。たくさんの患者さんの点滴を調剤する場合や、集めるものが多いときなど役立つ機械です。

 このピッキングマシーンもピンキリでしょうが結構なお値段がするらしく5000万円~1億くらいするとかしないとか(カタログ等みてないのであいまいですいません)

 そのわりにたまに機械が動かなくなったりするので連休などで忙しいときに止まったりするとめっちゃ焦ります💦


3.注射調剤の種類(処方箋の種類)

 注射でも処方箋はあります。種類は以下の通り。

1.臨時注射

2.定期注射

3.TPN注射

4.外来注射

5.抗がん剤注射


 意外と種類がありますね。今回は1つずつ細かくは見ていきませんが、臨時注射とは基本的には、入院患者が当日使用するオーダーがこれに当たります。この処方は常に入力されるため、処方が出るたびに調剤しなければなりません。

 次に定期注射は翌日分をまとめて払い出しする処方です。処方が出るたびに注射を病棟に上げると注射がバラバラになってしまい、間違いのもとになるためです。また注射を1人ずつ集めるより、ある程度まとめて集めた方が楽なためです。そのため薬剤部で前日の決まった時間までに入った注射は、午後にまとめて注射を集め、シールを貼って患者ごとにかご分けします。これが入院患者さん分やるのでかなりの時間がかかります。連休で数日分作ることもあるので1日がかりになることもあります。


4.注射調剤の注意点

 注射調剤もただシールを貼ればいいというものではありません。チェックするところはしています。注射調剤も間違いやインシデントが多発しやすいところです。

 まず間違ってはいけないのが患者間違い。連続で注射を調剤するので間違えて次の患者さんに注射を入れてしまったなんてこともよくあります。

 またシールを貼り間違えたなんてこともよくあるのでシールの内容と物は間違えないようにしましょう。


 次に当然注射の内容ですね。投与量や、規格が違わないか、適切な溶解液がついているか、投与速度は適切かなどはチェックポイントですね。

 また最近では処方箋に検査値がある程度載っていたりするので電解質に対して適切な輸液か、腎機能に対して投与量は適切か判断もできます。

 こういうところは薬剤師の腕の見せ所ですね。実習生さんなんかはよくわからないから無心で注射調剤していることもありますが、よく見て確認しながらやるようにしてねというようにしています。


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