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【#YJMS2019】好かれる広告とは?【CREATIVE】

先日、Yahoo主催の『Yahoo! JAPAN MARKETING SUMMIT 2019』に招待いただきイベントに参加して参りました。

・CREATIVE
・MEDIA
・PLANNING


3つのテーマでパネルディスカッションが行われたのですが、全部を通じての共有のコンセプトが

「DOUBT! THE MARKETING.~そのマーケティングを疑え~」

今マーケティングの常識なっているそれって本当に正しいの?ということを各セッションで問いていくイベントになっていました。

今回のエントリーでは、それぞれのテーマで行われた議論から僕自身が感じたこと記述させていただければと存じます。

DOUBT! THE CREATIVE.

1つ目のセッションのテーマは「クリエイティブ」について。
登壇者は以下の通り。

【スピーカー】
ワンメディア株式会社 代表取締役/CEO 明石ガクトさん
ByteDance株式会社X Design Center 鈴木 瑛さん
株式会社バスキュール 代表取締役 朴 正義さん
CHOCOLATE Inc. 代表取締役 渡辺 裕介さん
【モデレーター】
ヤフー株式会社 井上 大輔さん

まずはモデレーターの井上さんより「好かれる広告とは何か?」という投げかけでトークが進行していきます。

昭和の時代の広告は "楽しいもの" で話題の中心。例えば学校の休み時間はテレビ広告で放映されたものが話題になっていたりした。

ところが平成の時代、広告は "嫌われもの" になっている。事実、広告のアドブロッカーが3年連続で有料アプリNo.1になっていたりする。

では令和の時代、広告はどのようになっていくべきか?

そして、
何故平成の時代に広告に嫌われものになってしまったのか?」
という問いに対して、各登壇者は以下のようにお話をされていました。

明石さん:
広告の型・パターンが決まってきたので嫌気がさしているから。

朴さん:
そもそも見るコンテンツが増え過ぎた。可処分時間の中で、何故わざわざ見たくもない広告を見なければならないのか?と感じてしまうから。

鈴木さん:
ニーズやウォンツを満たすものが広告。モノが溢れて満たされる世の中、そもそもさらに満たすものを提供するのが難しくなってきている。

渡辺さん:
広告がまだまだ一方通行だから。生活者の立場を考えずに企業側から一方通行のメッセージになっているから。

ざっくり上記のようなお話をされていました。

朴さんの「そもそも見るコンテンツが増えすぎた」というお話は、まさにスマホ全盛期である今の時代でよく耳にするお話です。

そして上記のお話の合間に井上さんが

「今日見た広告で覚えてるものがある人挙手してください」

という会場への投げかけに対して、ほとんどの人の手が挙がらなかったのがまさに今の時代において「好かれる、話題になる広告」が少なくなっているなというのを目にした瞬間でした。

ちなみに東京都内で1人が1日で見る広告の数は何千にもなるそうです(それでも手が挙がらない...)

そしてトークは、昨今のコンテンツにおけるレゾリューションコンテクストの話へと展開されます。

「最近はコンテンツがハイレゾ(高解像度)でなくローレゾ(低解像度)でも受け入れるようになっているのではないでしょうか」という井上さん。

確かに広告に限った話ではないですが、TikTokやYouTube等の少し荒いコンテンツにアテンションが集まるような時代になってきました。

その中で最近Twitterでバズりにバズっているくつざわさんも議題に上がりましたが、鈴木さんが「画質的な解像度(レゾリューション)は下がっているが、文脈的な解像度(コンテクスト)は以前より上がっている」と言及。

「くつざわさんにしても、コンテンツが時代や受け手の共感を以前よりも呼んでいる。」と明石さん。

そして好かれるコンテンツとは?という議題に。

渡辺さん:
「作り手やコンテンツを取り巻く熱量・業みたいな部分がすごく大事。例えば『ボヘミアン・ラプソディ』という映画は、マーケティング発想で作った場合、ファンの何人が観てみたいな感じで考えた場合にあんな大ヒットコンテンツは生まれない。でもそこにはものすごい熱量があり、クチコミが広がりヒットコンテンツになっている。」

朴さん:
「データを使って、今までになかった好かれるコンテンツをつ作る事ができると思う。単純に役に立つデータではなく、例えば流れ星が流れる瞬間に都内のイルミネーションをライトアップするとか。データを使ってコンテクストを理解したコンテンツを作るだけではなく、モーメントを作ることもできる。」

渡辺さん:
今、社内でオリジナルコンテンツを作っているけど広告と作り方が全く違う。広告は基本合議制。その中に「」は構造上入りづらい。オリジナルコンテンツはアウトプットした際に、例えば企画書じゃ伝わらなかった細かい絵のタッチや動きやその人の「」が入ってくる。

好かれるコンテンツというテーマの中で頻出したのが「業・熱量」というワード。また朴さんのデータを使って今までになかったモーメントを作ることができるというお話も含めて、井上さんが共通項として「ユーザーのニーズから始まっていない」という事を挙げられていました。

一方で

鈴木さん:
制約があってお題があるものがコンテンツとして面白くなる。サッカーにルールがなかったら面白くない。特に広告業界におけるコンテンツには重要。

というお話もされており、「オリジナルコンテンツ」なのか「広告」なのかによって、「作り方」や「受け手の感じ方」にも違いがあるのではと僕個人は感じました。

総括

何故広告が嫌われようになったのか?僕が感じたことは以下の3点

✔コンテンツ過多により、自分にとって不要な(ジブンゴト化できない)モノが多くなりすぎている。
✔そもそもコンテンツ(特にネットのバナー広告等)に熱量がない。
✔コンテクストを無視したものが多く、ジブンゴト化できない。


上記を解消できるようなコンテンツを作ることを心がけるべきなのではないでしょうか。今後のコンテンツ制作に参考になれば幸いです。


お金がなさすぎて死にそう(死にそう)