ふくま @数学 とぽろじい~大人の数学自由研究~

数学サイト、とぽろじい https://math-topology.hatenablo…

ふくま @数学 とぽろじい~大人の数学自由研究~

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

「大学での数学の勉強例」という名の自己紹介

 今更ながら自己紹介(というより過去紹介)をします。数日前「やわらかくない?トポロジー」というnoteを書いたように、私の専門は幾何学の中の代数的トポロジーと呼ばれる分野でした。  実は昨日、メインサイトの方で「代数的トポロジーのロードマップという名の自己紹介」という記事を投稿しています。「また自己紹介するのか」と思われるかもしれませんが、メインサイトの方は「数学のどのような分野を勉強したか」という「数学を知っている人向け」でした(数式もありませんし、雰囲気だけなら数学をそ

    • "やばい"空間を集めた数学の本【毎日投稿16日目】

      16日目です。 今日は少し変わった本の紹介です。 Counterexamples in Topology"やばい"空間が集まっているCounterexamples in Topology を直訳すると「トポロジーの反例たち」。 あらゆる「空間」("図形"と読み替えても構いません)で成り立ちそうな性質に対して、反例としてその性質が成り立たないことを言うために用意される空間が紹介されています。 しかし、もともと「あらゆる空間で成り立ちそう」と思われていた性質であることから分か

      • 「くじ絡みの確率」と無限級数【毎日投稿15日目】

        15日目です。 3日連続の「くじの確率」の最終回です。 導入常に $${\dfrac{1}{n}}$$ の確率で画面に当たりが表示されるボタンを $${n}$$ 回押したとき、少なくとも1回画面に当たりが表示される確率を $${Q(n)}$$ とします。 このとき極限 $${\displaystyle \lim_{n\rightarrow \infty} {Q(n)}}$$ を2つの方法で求めます。 1つめの方法「余事象」2つの方法で求めるとは言いましたが、「13日目」で

        • 1/nの確率で当たりが出るくじをn回引いてちょうど1回当たる確率【毎日投稿14日目】

          14日目です。 これまで「毎日投稿」では、シリーズ物はありませんでしたが、今日はあえて昨日の続編です。 ぜひ昨日の記事と合わせてご覧ください。 問題常に $${\dfrac{1}{n}}$$ の確率で画面に当たりが表示されるボタンを $${n}$$ 回押したとき、ちょうど1回画面に当たりが表示される確率を $${P(n)}$$ とする。このとき極限 $${\displaystyle \lim_{n\rightarrow \infty} {P(n)}}$$ を求めよ。 こた

        • 固定された記事

        「大学での数学の勉強例」という名の自己紹介

        マガジン

        • 数学の雑記
          31本
        • メインサイト数学記事紹介
          22本
        • ハイスピード数学プロブレム
          20本
        • 数学の問題解説
          25本

        記事

          1/10000の確率で当たりが出るくじを10000回引いて当たる確率(微分を利用)【毎日投稿13日目】

          13日目です。 今回は微分を使って確率の問題を考察してみようと思います。 問題常に1/10000の確率で画面に当たりが表示されるボタンを10000回押したとき、少なくとも1回画面に当たりが表示される確率はどれぐらい? 関数の導入求める確率は $${\displaystyle 1-\left(1-\frac{1}{10000}\right)^{10000}}$$ で表されます。 $${x}$$ を $${0\lt x\lt 1}$$ を満たす実数とします。 $${\dis

          1/10000の確率で当たりが出るくじを10000回引いて当たる確率(微分を利用)【毎日投稿13日目】

          数学で1+1=0になるとき【毎日投稿12日目】

          12日目です。 でも世の中には1日に複数投稿をされている方もいるということで自らの未熟さを感じます。 今回はタイトルにあるように「1+1=0になるのはどんなときか?」ということをお話しします。 ちなみにれっきとした数学の話で、哲学的なお話などではありません。 整数や実数の世界ではなさそう整数や実数など普通の数の世界で当然 $${1+1=2}$$ ですし、$${1+1=0}$$ では算数のテストで×をつけられそうですね。 そのため、普通の数の世界ではないわけです。 剰余の

          数学で1+1=0になるとき【毎日投稿12日目】

          対称式がらみの2変数関数の最大最小で困ったらx=yのときとすれば高確率で正解できる理由【毎日投稿11日目】

          連続投稿ですが「書き溜め」はしていません(できていないだけです)。 今日は書き始めが23時すぎでしたので、時間との戦いでした。 さて、今回は「大学入試の数学の問題で困ったときのあるある対処法」について解説します。 焦ったせいかタイトルが長くなりました。 具体例と反例正しい解き方は多種多様あります。 しかし、今回は「解き方が分からなくて、とりあえず答えを書いておくなら?」という視点で考えます。 早速、 $${x=y}$$ としてみましょう。 このとき、$${x^2 +y^

          対称式がらみの2変数関数の最大最小で困ったらx=yのときとすれば高確率で正解できる理由【毎日投稿11日目】

          科学の中で数学は最も安全説【毎日投稿10日目】

          ※ジョーク記事です。本気ではありませんのであらかじめご了承いただけましたら幸甚でございます。 昨日の話題から高低差で耳がキーンとなりそうな記事です。 記念すべき(?)10日連続投稿に成功しているのに、速読にもってこいの記事とも言えます。 今回は科学の諸分野の中で数学が最も安全という説を提唱してしまいます。 「科学の知識で戦うヒーローで誰が強いか?」のような考察でもあります。 化学は薬品がある!化学(薬学や医学も)は危険な薬品や化合物で人を脅かすことができます。 そもそも実

          科学の中で数学は最も安全説【毎日投稿10日目】

          極限って何?(「めっちゃ大きくする」から「圏論」まで)【毎日投稿9日目】

          今回は「数学を学ぶことで意味が広がったり深まったりする例」を紹介します。 連続投稿…ギリギリ間に合いました。 理系高校生「めっちゃ大きくしたり、何かに近づけたり」 高校の数学では数列 $${\{a_{n}\}}$$ について $${\displaystyle\lim_{n\rightarrow\infty}a_{n}}$$ は何か?と尋ねられると 「nをめっちゃ(限りなく)大きくしたときに $${a_{n}}$$ がどのように挙動するか」と答えることが多いです。 この頃は

          極限って何?(「めっちゃ大きくする」から「圏論」まで)【毎日投稿9日目】

          やりそうにないやりたいことたち「数学の絵本を作りたい」など【毎日投稿8日目】

          ここ数日は割と真面目に数学の解説みたいな記事を書いていました。 そのおかげか閲覧数やフォロワーが急増していてありがたい限りです。 しかし本日はかるーーーーい雑記ですので肩の力を抜いてお読みいただければ幸いです。 以前上記のような記事を書きました。 部分的ではありますが、動画投稿をはじめ、少しずつ実現している企画が多いです。 今回は以前と異なり、「実現可能性が低いけど、うっすらとやりたい企画」を紹介します。 数列の問題集を作りたい【実現可能性25%】昨日の記事で書いたよう

          やりそうにないやりたいことたち「数学の絵本を作りたい」など【毎日投稿8日目】

          和分差分学:(等差)×(等比)の和を微分積分の要領で計算する【毎日投稿7日目】

          上の問題は「2倍してずらして並べて引く」などテクニカルな解法もよく使われますが、今回は別のアプローチをします。 和分差分学? 今回は大学入試の問題としてもしばしば出題される、俗にいう「(等差)×(等比)の和」の問題を階差数列の考え方を用いて解きます。 タイトルに入っている「和分差分学」というのはざっくり言うと微分積分の数列バージョンです。 今回も微分積分の解法と対比させながら解説します。 なお、今回の記事は何年か前にメインサイトの方で体系化して紹介した「和分差分学」の体

          和分差分学:(等差)×(等比)の和を微分積分の要領で計算する【毎日投稿7日目】

          場合の数:正多面体の塗り分け3つの解法【毎日投稿6日目】

          問題 立方体の各面を6色で塗り分ける方法は何通りあるか。 ただし6色すべてを使うものとし、回転して一致する塗り方は同じと見なす。 今回は大学入試の問題としてもしばしば出題される「正多面体の塗り分け」の解法を段階を踏んで3つ紹介します。 「円順列」の考え方6色を赤、青、黄、緑、紫、橙とします。 ↓ 赤色を塗った面を底面に固定します。 ↓ 上面の塗り方は残り5色から1色を選ぶ5通りです。 ↓ 残り4面の塗り方は3!=6通りです。 ↓ したがって求める場合の数は5×6=30通り

          場合の数:正多面体の塗り分け3つの解法【毎日投稿6日目】

          オイラーの多面体定理の初等的"ではない"アプローチ【毎日投稿5日目】

          中学や高校の教科書の隅に書かれている「オイラーの多面体定理」。 すべての凸多面体について (頂点の数)-(辺の数)+(面の数)=2 個人的には中学・高校に出現する定理や考え方のうち最も好きなものです。 なぜなら、オイラーの多面体定理は私が大学生のときに取り組んでいた「代数的トポロジー」の重要な考え方につながるからです。 しかし、その証明の多くは初等的な方法が多く、大学で学ぶ数学を知らない方からすると「一発芸」的な定理に見えがちです。 そのため、コラムということもあり厳密

          オイラーの多面体定理の初等的"ではない"アプローチ【毎日投稿5日目】

          お金をかけず数学の動画編集をしています【毎日投稿4日目】

          3日坊主を脱出しました! こんな動画を投稿していますYouTubeにて、こんな動画を投稿しています。 動画編集に使っている道具まだまだ動画をガンガン投稿するわけでもないのに有料動画編集ソフトを使うのは怖いなあということで、私は以下のサイト「canva」を愛用しています。 https://www.canva.com/ クラウド上で動画やスライドショー、アイキャッチ(noteやサイトの記事も)など様々なものが直感的な操作で作れるというのが魅力です。 もちろん課金することで

          お金をかけず数学の動画編集をしています【毎日投稿4日目】

          3次元より26次元の方が簡単なこともある【毎日投稿3日目】

          3日目です。3日坊主回避に向けて大きく前進ですがまだ油断できません。 今日は昨日と打って変わり、専門的な数学でよく出てくる「次元」についてのコラムです。 高次元の方が簡単になることも大学で数学を学んでいなかった人に「研究の中で26次元など高次元の空間や無限次元の空間を使ったことがある」と話すと非常に驚かれます。 「高次元の方が難しい」と多くの人が感じると思います。 しかし、「ポアンカレ予想」(肯定的に解決しています)のように高次元の場合から証明が完了し、最後に3次元の場合

          3次元より26次元の方が簡単なこともある【毎日投稿3日目】

          足し算の問題を作問したら引き算を学べた遠い日の思い出【毎日投稿2日目】

          ややこしいことに1日目の記事を5月8日の深夜0時台に書いてしまったので、2日目を5月9日にするべきか迷いましたが、何を書くか悩んでいるうちに投稿時刻が似たような時間帯になりました。 作問の原点小学1年生のころ、足し算を勉強したときに次のような問題を「作問」したことがあります(問題文はの文言はテキトーです)。 問題 ◇に入る数はそれぞれ何? (1) $${2+◇=5}$$ (2) $${◇+8=12}$$ (3) $${◇+◇=14}$$ 実際は普通の足し算の問題も含めて

          足し算の問題を作問したら引き算を学べた遠い日の思い出【毎日投稿2日目】