満月倶楽部の語り話

文化系作品全般が好きです。 文芸作品を書いたり、日々、考えたこと感じたことを書いていこ…

満月倶楽部の語り話

文化系作品全般が好きです。 文芸作品を書いたり、日々、考えたこと感じたことを書いていこうと思います。 メンタル的な文章も時々書いていくつもりです。 時々、イラストもついています。 メッセージお待ちしております。

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

【短編小説】絵本作家やまさきまひろの闘争 〜焼肉きんぐで食べ放題やりたい放題の巻〜

「おめえそれでも雄か!!  ナニついちょんやろがよ、おおぉん!?」 にんにくと芋焼酎の臭いが入り混じった息を吐きかけながら、まひろは若い男性編集者のいちもつをテーブルの下からトングで思いきり捻り上げた。 「ちょっとまひろさん、痛いです!やめて下さいよ、こんな所で!」 土曜日の昼下り、たくさんの子連れ客で賑わう焼肉きんぐの一角で思わず悲痛な声が上がる。 隣のテーブルに座っていた子どもがびっくりしてまひろ達の方を見ると、まひろは真っ赤に漬け込まれたカルビの一枚肉の様な舌を突き出し

    • 【精神科デイケア日記】筋トレデッドヒート

      今日はデイケアに行って筋トレのプログラムに参加してきた。 隣には自分よりもずっと年上の小柄のおばちゃんが並んでいた。 「それぞれ無理のないように。きつい人は途中休んで結構ですので」 スタッフがあらかじめ声をかける。 それでも、やっぱりみんなとやると、見られているという意識から、踏ん張ってこらえるようになる。 プランクや足上げ運動の時も、意外と隣の50代にもなろうかというおばちゃんがへばらずに最後まで食らいついている。 「負けてなるものか」 とついつい無理してしまった

      • 【日記】ひきこもりが春の陽気に誘われて天然水を汲みに行った話

        いよいよ春も真っ盛り。 「いい天気で過ごしやすいなぁ」 などと思っていると、もう少し汗ばんだりする時節になってきた💦 ということで、今日は朝から車を飛ばして、少し遠くの豊前地方にある「畑の冷泉(はたのれいせん)」神社まで水を汲みに行ってきた。 天然のミネラルウォーターでレモンソーダなんか作って飲んでみたかったのだ。 なんとも健康的じゃないですか😄 そんなこと言っておきながら、向かう途中、おいしそうな豚骨ラーメン屋ののぼりを見つけて早くも誘惑に負けそうになる😝 「

        • 「ひきこもってカッテージチーズ作りなんかしてみたけど」の話。

          B型作業所の人間関係に疲れて行くのが嫌になった。 精神科デイケアの人間に疲れて行くのが嫌になった。 いい歳をして思春期の青少年みたいに、人の目を気にして傷つく自分が嫌になる。 「もっと成熟した大人な人間になれたら」と思う。 でも、うまくもいかず、最近またひきこもったように暮らしている。 することもないので、YouTubeでみた牛乳から作れるカッテージチーズが美味しそうだったので、大量に作って食べてやろうと思いついた。 いざ料理を始めて、動画にある通り牛乳に酢を入れて熱にかけ

        • 固定された記事

        【短編小説】絵本作家やまさきまひろの闘争 〜焼肉きんぐで食べ放題やりたい放題の巻〜

        マガジン

        • 日記
          9本
        • 3本
        • コラム
          3本
        • エッセイ
          2本
        • 小説
          3本

        記事

          「正しいこと」は知的好奇心を満たすという意味では「面白い」けど、「笑えない」のは何故だろう。

          「正しいこと」は知的好奇心を満たすという意味では「面白い」けど、「笑えない」のは何故だろう。

          桜と鴉とメンヘラ男

          3月31日の日曜日の朝 春の陽射しを浴びて目を覚ます。 昨夜は精神科の頓服薬を飲んで床についたが、今朝も妙にイライラして寝覚めがよくない。 テレビでは桜が開花したと女性のアナウンサーが満面の笑顔をこぼしている。 「気分転換に桜でも見に行ってみようか。」 家にじっとしていてもふさぎ込んでしまいそうだったので、思い切って出かけてみることにした。 公園に着くと、小高い山一面に咲いた桜が本当にきれいだった。 ただ、公園の池の周りを歩きながら思った。 「みんな家族や仲間たちと

          桜と鴉とメンヘラ男

          メンヘラ弱者男性が思う男女不公平(ジェンダーギャップ)問題

          精神障害者のような弱者男性はつらい。 メディアは「社会の中で弱い立場にある女性」にケアの目を向けることが多いと思う。 女性は男性中心社会の被害者的存在として取り上げてもらえる。 (ジェンダーギャップ問題は、ほとんど女性差別の問題と同義に取り上げられる) でも弱者男性は中心に居場所なんてないし、男性だからケアの目も向けてもらえにくい。 特に中年男性なんて一番後回しくらいだと思う。 もっと言えば、ケアの目を向けられるどころか人一倍シビアな目で見られて、女性に言ったら差別に当たるよ

          メンヘラ弱者男性が思う男女不公平(ジェンダーギャップ)問題

          【デイケア日記】対人恐怖症人間が呪文を唱えて耐え忍ぶ今日この頃

          今日は精神科デイケアに行った。 また雑談の輪の中に入れず、一人で文章など書いてやり過していた。 いや、本当は書くフリをしていた。 会話をシャットアウトしようとしても、どうしても耳に入ってきて、書くことに集中できない。 内心、文章を書くことより、自分もあんな風に気軽に輪の中に入って仲良く雑談を楽しめたらと嫉妬心が渦巻いているので、文章など手につかない。 スタッフには「自分は別に雑談なんてしに来ているわけじゃないから」「なぜお金を払ってわざわざ雑談しに来なければいけないの

          【デイケア日記】対人恐怖症人間が呪文を唱えて耐え忍ぶ今日この頃

          【家事分担の気づき】「note式夫婦円満ゲーム」なるものを考えてみた

          今回、家事・育児分担にまつわるエピソード募集という企画を見て、自分なりにどうすれば家事・育児に不満やストレスを抱えている夫婦の問題解決ができるか考えてみた。 そこで思いついたのが、「note式夫婦円満ゲーム」である。 「note式夫婦円満ゲーム」は、noteの創作機能を使って、家事・育児の分担に不満を抱えている夫婦の問題をゲーム感覚で楽しみながら解決していこうというものである。 以下にゲームの内容と効果を書いていく。 ① 参加対象は、家事・育児の分担に不満を感

          【家事分担の気づき】「note式夫婦円満ゲーム」なるものを考えてみた

          【エッセイ】映画と父とチャップリン

          私の父は映画がとても好きな人だった。 子どもの頃、よく兄と一緒に隣町の映画館へと連れて行ってもらったのはいい思い出である。 子どもの頃私は身体が弱かった。そのため、幼稚園ではやんちゃ坊主たちによくいじめられて、小学校にあがっても四年生になるまでは、仲のいい友達はできなかった。 どこか、古いモノクロフィルムの様な寂しさを抱えた子ども時代だった。 それでも、父と兄と三人で、並んで映画を観ている間は色づいた様に楽しい時間だった。 私が人や物事に対してオドオドとしやすい子ども

          【エッセイ】映画と父とチャップリン

          ひきこもり解決法

          日本には、ひきこもりの人が150万人いるという。 私もそうだった。 どうやって社会に戻れるのかわからなかったし、戻るのが怖かった。 自分がダメな人間なせいでひきこもっているのであって、精神病とも違うと思っていた。 だから精神科病院も敷居が高かった。 障がい者向けの就労、居場所的施設である、作業所なるものがあることも知らなかった。 A、B型支援事業所は、普通、病院に通って手帳をもらったり、そこで教えてもらったりして存在を知って行くことになる。 しかしそれでは自分の

          ひきこもり解決法

          ドラゴンボールは、青春よりも強い

          僕にとってドラゴンボールは、青春よりも強い。 なんだかんだ言って人は、初恋の人よりも、母親の方が好きなように。 思い起こせば、幼少期の思い出は常にドラゴンボールと共にあった。 幼稚園の頃に見た、ブルマがショートパンツをはいてポーズをとっているコミックスの表紙のイラストは、中学生の時に初めて見たエロ本より強烈だった。 近所の友だちがもっていた、スーパーサイヤ人のキラカードは、美術の教科書に載っていたゴッホの星月夜よりも強烈だった。 学生時代に彼女と恋愛映画を見た時は、感

          ドラゴンボールは、青春よりも強い

          【詩】2024/3/5

          三月の朝 薄明かりのカーテン越しに 春雨のしぶきをあげて 自動車が走っていく音が聴こえる こたつの中で微睡みながら スマホで天気をチェックする 降水確率は100% 今日、好きだった人が 結婚式を挙げる

          ある年配福祉職員との出会いと別れ

          自分は精神科に通院しながら、障がい者向けの就労支援事業所で作業をしている。 今日、いつも通りの終礼の時、80歳を超えた管理職をしている職員から「今日をもって退職します。」という挨拶があった。 福祉一筋に60年やってきた、その人の最後の言葉は意外な程あっさりとしたものだった。 「みなさん、無理をすることなく一つ一つ取り組んでいって下さい。私は、〇〇(地元)の空からみなさんのことを見守ってますのでね。」 正確には記憶してないが、こんな感じで短くて簡単な言葉だった。 自分は2年

          ある年配福祉職員との出会いと別れ

          【短編小説】月夜のアコーディオン

          月灯りのふんわりと輝く夜 冬の終わりをつげるような 仄かな温風がガラス戸のすき間から部屋に流れこんできた。 煎餅布団の上にひとり横ばいになっていた男は、なまめかしい月の吐息に頬をさらされて、 めずらしく、ふいに人恋しい気持ちになった。 「町に出てみようか」 本棚の上に放り置かれた、古い小倉織のコインケースを手に取って開けて見ると、中には百二十六円きりしか入っていなかった。 男は押し入れを開けて、くたびれたアコーディオンをひっぱり出すと、 木造アパートのペンキの剥がれ落ちた階段

          【短編小説】月夜のアコーディオン

          太宰治天満宮、見物の記

          福岡にある太宰府天満宮へ行ってきた。 学問の神様、菅原道真公を祀る神社だけあって、それらしきものも多くあって面白かった。 門のそばにある、ご牛様も受験生の様に鉢巻を巻いている。 これはご利益がありそうだ。 神主の卵と思われる人物が、魚を献上しに行っている。やはり魚にはDHAがたっぷりと含まれていると言うし、喜ばれるのか。 一際目立つ人物を発見。 道真公の化身かと思いきや、ただの(と言っちゃ失礼だが)見せ物師のおっちゃんでした。 しっかりお参りしてきたので

          太宰治天満宮、見物の記