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「試食は一人1つまで」〜乞食布教と呼ばれて〜 EP7.ようやくの東北と衝撃の旅人

東北はもう目の前

前夜は再びMcで雨宿り→深夜に公民館を見つけ出し軒下で就寝
だったので早朝から移動開始。

いよいよ福島まであと少しってなると「被災地」っていう勝手なイメージと、そのせいで妙な緊張感

福島入りの前に一旦気持ちを気持ちを落ち着けようと、意味もなくショッピングモールに立ち寄ります。

???

店内に入ろうとするも自動ドアが反応しない。当時、都市部では計画停電とかもあったので、

「さすが被災地のすぐ近くだけあって、徹底した節電ぶり。」

と思って手でこじ開けて入店します。

用事もないのでウロウロしますが店内はガラガラ。

するとおもむろに店員さんが近づいて来ます。


(店員)「・・・お客さま、、、ですか??」

(ひげ面リュック作業ズボン男)「はい。」

(店員)「・・・大変申し訳ありませんが、9時開店となっております。」

!!
なんとまだ営業時間外でした。

ひげ面リュック作業ズボン男 改め ひげ面不法侵入者 です。

たった数分前、自動ドアこじ開けたのがフラッシュバックします。

福島入り

勝手な偏見を反省しつつ、無事福島県いわき市に。

福島県に入ってすぐのコンビニ店員さんが、いきなり方言すごくて思わずニヤけます。


震災から2年経ってるので景色に溶け込んでますが、よく見たら家の基礎だけになってる所もかなりあります。

そしていわき市小名浜で確実に脳内再生される一曲。

マジ名曲


そのまま原発近くの行けるとこまで北上しようと思いましたが、そこからの迂回ルートなくて引き返さないといけない事が発覚。

6号線北上は一旦止め、
原発を避けて内陸→北上→再び海岸線
ダブル山越え迂回ルートに決定。


寝床を探していると、大熊町の方々の仮設住宅を見つけました。

初めて見る仮設住宅、しかも原発の関係で移られてる方々。
せっかくなので話を聞いてみたいけど、やはり躊躇します。

今まで戸別訪問とかも少しは経験ありましたがこれはちょっと別物で、完全な他所者が立ち入っていいのかかなりビビります。

結局、「今日はもう暗いから」と言い訳して就寝。

なさけないとのよにしやんしたとても

が頭から離れませんでした。

初めての仮設住宅

翌朝も相変わらず逡巡してましたが、せっかくなので声かてみるとその仮設住宅の自治会長さんでした。

・原発事故の影響で東北で一括りにされて被災による瓦礫の受け入れ拒否などあるが、岩手ー福島と福島ー静岡はほぼ同距離。東北=放射能みたいなイメージが悲しい。
・仮設住宅に住んでいるが、どこに行っても出身地を言えない空気感が辛い。まるでカゴの中の鳥のような感覚。
・原発の電気は、地元には使われてないのに批判されるのが違和感。
・仮設住宅には仏教の勧誘がよく来る

など色々と話してくれ、本当に勉強になりました。
ちなみに、「僕、勧誘ではないですオーラ全開でした。

初めての ②

その後一日かけて山を越え、郡山市に到着。

ダラダラと続く上り坂に加え、せっかくの下り坂も強風でしっかり漕がないと進まない状態。

箱根の次くらいに疲れ果てた一日でした。


ヘトヘトだったので公園で爆睡していると急に目の前が明るくなりました。

「こんばんわー。ちょっといいですかー。」

ついに初めての、職質タイム!!

今まで無かったのが不思議なくらいでしたが、とうとう見つかってしまった気分。

暗闇にひげ面だったからか、免許証見せるまで25才ってなかなか信じてくれません。

愛車の防犯登録シールには「奈良」て書いてたので怪しまれましたが、奈良から乗ってきたのを説明すると笑ってました。

明日にはもういないので許してもらいましたが、寝起き即職質は本当に心臓に悪いです。

初めての ③

郡山市から福島市に向けての道中、ちらほら仮設住宅の看板を見ますが仮設住宅自体すぐには見つからないし、やっぱり躊躇する気持ちの方が大きくて
① 探して② 立ち寄って③ 話聞く
までは中々できません。

どこか悶々としながら進んでいると、双葉町・浪江町・飯館村の方々の仮設住宅があったので思い切って飛び込んでみました。
自治会長の奥さんと話すことができましたが、あまり関わって欲しくなさそうな印象でした。

改めて本当にデリケートだと痛感したので、
「今の東北での布教はやはりとても難しい。ある程度被災地を見て回ったら南に戻ろう!!
と決意しました。


その後福島市に着き、今夜の宿にうってつけの公園を見つけたのでベストな寝床を探していると、公園のすぐそばに停車中のパトカーを発見。

高速回れ右からの早歩きスタート!!


後方から聞こえる足音と揺れる明かり、、、

お兄さーん!ちょっと止まってー!!

やっぱり僕ですか、、、

前日と同じ流れで解放されましたが、被災後でもあって不審者にはかなり敏感。
ちなみに見かけるパトカーもかなりの割合で他県ナンバー(主に関東)でした。

「この辺も色んな人がいるから荷物とか盗られないように気を付けてね」

別れ際に気になる事言われますが、僕も色んな人に含まれてると思うのでいつも通り就寝。


明け方目が覚めると体が宙で、みるみる地面が近づいてきます。

どうやらベンチから落下中。

頭も働いてないし、全身in寝袋なので反射神経でもなす術ありません。

衝撃度は、寝起き即職質 < 寝起き即地面
って事と、野宿に慣れて寝返りするほど体がベンチナイズドされてきたのがよく分かりました。

被災地巡りのメイン・宮城入り

その後、山を越えて相馬市→北上して宮城県入り の道中、NPOを立ち上げて放射線量の測定や除染作業をしてたおじさんの話聞かせてもらったり、雨宿りさせてもらったデイリーヤマザキの店長さんに津波を記録したDVDを見せてもらったりしました。

数日前見てた風景で、橋の高さとかも分かってたのでかなり衝撃的でした。

雨が一向に止む気配なく、店長さんの勧めで近くの大病院のロビーが今夜の宿。

明らかに不審だったと思いますが、特に注意を受けることもなく朝まで休ませてもらえました。


翌朝出発し、仙台空港を通過して仙台市に到着。

仙台はコンパクトシティと呼ばれるだけあって、駅周辺に都市的要素が密集し少し離れると田舎的景色が広がってるのが特徴的。

街並みは都会だけど人柄は田舎の人っぽい心安さがあります。


ちなみに仙台では高校の同級生と会うために2日滞在しましたが、この頃には見知らぬ土地でもなんとなく公園の場所が分かるスキルを身につけてたので寝床には困りませんでした。

情報ゼロで公園見つけるとテンション上がるので、元気が出ない時は第三の目で公園を見つけるゲームがオススメです。

国道6号→国道45号

仙台を抜けて、再び海岸沿いに北へ向かうので国道45号を進みます。

まさか元々聞いてた、

の「R45」を通るとは思いませんでした。


寿司の町・塩竈市(塩釜市)を過ぎると日本三景の一つ 松島 もあり、景観を横目に進みます。

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石巻に向けて走っていると前方に、やけに縦長のシルエットを発見。

場所はちょうどこの辺で、ゆらゆらとしてました。


近付いてみると、どうやら大きなバックパックを背負った細身高身長ボウズ

懐かしのショウくんに続く、旅人第二号!!

久しぶりの旅人に軽くテンション上がり声かけてみると、細身高身長ボウズどころか旅人あるあるが通じない衝撃のクレイジーボウズ

トッポ

次回は、「EP8.トッポと被災地」です。
お楽しみに!


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