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『デューン』サンドワームは実在可能ですか

 サンドワーム (Sandworm) は シャイ=フルード (Shai-Hulud) とも呼ばれ、『デューン』の重要なシンボルであり、ファンタジー物語におけるドラゴンであり、スパイスという財宝を守っています。

 また、デューンの砂漠は広大な海のメタファーであり、巨大な捕食者としてのサンドワームは鯨をイメージさせます。

 サンドワームは、シロナガスクジラと同じろ過接触動物です。シロナガスクジラは、口のフィルターで豊富に存在する水中のオキアミを捉えます。この給餌方法は非常に効果的です。

 また、ハーバートは、陸上環形動物の特徴を備えたサンドワームをヤツメウナギであると説明しています。結晶質の歯は、主に岩や砂をこすり落とすために使用され、フレメン (Fremen 古くは Freemenと呼ばれた) が所持するクリスナイフとして使われます。

捕食者として描かれたサンドワーム

 サンドワームは大型でおとなしい生き物ですが、アラキスには天敵も存在しないにもかかわらず、想像を絶するエネルギーを使用して砂の中を移動しています。しかし、巨大な体の維持と、大量のエネルギーを発生させるための資源は、アラキスに存在していません。

 したがって、サンドワームは小説内に書かれている範囲で言えば、生態学的に生存不可能です。

 しかしながら、サンドワームの生態がすべて明確になっているわけではありません。サンドワームの体内で、どのようなことが起きているかわかりません。また、小説に描かれていない要因が存在する可能性もあります。例えば、砂の中にサンドワームに十分なエネルギーを供給する物質、あるいは生物が含まれている可能性は否定できません。


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