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最後のスキンシップ

手を握っているのは 私
握られているのは 母です。

2年前に母は、老衰で亡くなりました。

人工呼吸も
点滴も
入院もしませんでした。

施設で
やせ衰えていく母を
見守っていました。

お世辞にも仲の良い親子ではありませんでした。

母の人生の物語を聞いたことはありません。

そして、母に私のことを話したことはありません。

肉親だから話せないこともあったのだと思います。


そんな時に、母の思いを聞いてくれる人がいれば良いのにと思ったことがありました。

そして、旅立った後に、許された範囲で、家族に思いを伝えてくれたら。

その仕事は、尊いなあと思ったことを思い出しました。


母は、食事を取らなくなってから

時々点滴をして

痰の吸引の苦しさを味合わずに

ゆっくり

静かに

2週間後に息を引き取りました。


穏やかに葬儀がされ

骨になり

四十九日に納骨されました。


あんなに憎んでいた母ですが

つい先日、口から出た言葉が

「私は、親を愛している」

でした。


この言葉を言えるまで
半世紀掛かりました。

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