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エッセイ【 イタチごっこ 】③ボランティアの話


主に、ボランティアをして生きています。


いまの生活をする前に働いていた職場は本当に多忙だった。

高齢者施設なのでいつ何時何があるかわからない。

当然、施設は24時間年中無休。

私は生活相談員なので基本日勤なのだが、

夜中や朝方、利用者の体調に異変があれば

呼び出されることもめずらしくなかった。

そんな中、私がいつも考えていたことは

「あぁ、ボランティアがしたい…」

だった。

なんで?

当然ツッコまれるところだ。

私はいま主にボランティアをして生活しているが

理解を得られることはほぼない。

「あー、有給ボランティアでしょ?」

ちょっと知ったふうな口で聞かれることがあるが
私からしたらそっちの方が

なんで?

である。

お金が発生しているか、発生しないかで物事を語るのは

なんだかもやもやして気持ちが悪い。

それは私が
” そういう人だから ”という他に理由はない。

昔から小さい子やお年寄りに好かれる性格だった。

高校生ぐらいのときはそれがはずかしくて
工業高校から福祉系の大学に行くのを

「女の子がたくさんいるから。」

ということにしていた。

大学時代のボランティアでもなぜだか子どもやお年寄りに好かれるし、

大学を卒業して自宅警備隊の任を負ってからも

なんとなくだが小学校未就学児が対象のボランティアに参加していた。

ボランティアをすると

自分が役に立てていることを実感できる。

何より終わった後の充実感がある。

ボランティアが性に合っているのだ。

その後、社会福祉士の資格を取って仕事をして

社会的評価も得て、貯金もあって

いわゆる" 順調 "であったのだが、

以前ボランティアをしていた社会福祉協議会の前を通る度に

「あぁ、ボランティアがしたい」

と思っていた。

仕事をやめると決めてからは無理やり時間を作ってボランティアに行った。

やっぱり充実感があった。

あの頃のすがすがしい気持ちがよみがえってきた。

チャイルドシートを運んでいるときに

とあるお母さんから

「なんでボランティアをしているんですか?」

と聞かれとっさに

「趣味です」

と答えてしまった。

お母さんの顔が一気に青ざめた。

しかし、

そのあと子どもをあやしている私の様子を見て安心してくれたようだった。

子どもに好かれるというこの長所は、なかなか理解が得にくい。

女性であれば「母性」ということで説明がつくが

男性だと危ない匂いがどうしても漂ってしまう。

友達の子どもをあやしているとたまに、

「えっ、なつきすぎじゃない?」

と気づいてもらえることがある。

でも説明のしようがないから

「〇〇の子どもでしょ?そりゃなつくよ!」

といってごまかすしかないのだ。

そんな諸刃の剣を背負った私だが

もう

自分に嘘をつかないことにした。

しばらくは

ボランティアをして生きていこう。


そう決めてから早、半年が経とうとしている。

11月から本格的にボランティアをスタートし、

現在までに18回ボランティアをしてきた。
※ワークショップ、シンポジウムはカウントしていません!


途中、1ヶ月ぐらいできないところがあったが
現在は多いときで週4でボランティアをしている。

ボランティアをしてきて思ったことは、

普段普通に生活をしていると考えることのない

様々な社会問題に取り組んでいる人たちがたくさんいるということ。

そして、

特に若い世代が社会問題に対して関心を寄せて取り組んでいるということだ。

大学生だけでなく、
社会人1〜2年目でボランティアに参加している人も意外と多い。

私のような30代はそこまで真剣に
社会問題に向き合っている人は少ない気がする。

どうしても会社で働いて、結婚して、子どもができて…

という型にはまった考え方が拭えない。

「意識高い系」

とバカにしてしまう人たちも多いと思う。

でも、

若い世代の価値観は確実に変わってきている。

私はそれを素晴らしいと思ったし、

美しいと思った。


そして、もう一つ

私が感じたことは

悩みがあるんならボランティアをしたらいい

ということだ。


「自分のことで精一杯なのに他人に尽くしている場合か!」

というツッコミがありそうだが、

私は結構本気でそう思っている。

何かの本で読んだが

人間が幸福感を長く持続できるのは

「自分が何かの役に立っていると感じたとき」

だけなんだそうだ。

私はこの話にすごく共感できる。

ボランティアをした後のあの充実感やすがすがしさは

何ものにも変えられない。

また、ボランティアをしている人によく私は

「なんのためにボランティアをしているんですか?」

と聞いている。

するとほとんどの人は

「自分のためです。」

と答える。

これを聞いたとき

” 偽善だ "と感じるか

” ちょっといいかも "と感じるかで

人生の幸福度は違ってくるように思う。

書籍『 反応しない練習 』


や書籍『 いくつになっても、「ずっとやりたかったこと」をやりなさい。』


でも、ボランティアで悩みが解消されたケースについて紹介されている。

また、私はあのローマの休日でおなじみの世界的女優

オードリー・ヘプバーン

のエピソードが大好きだ。

世界的に有名になった彼女であるが

人気絶頂のさなか

急に女優業を減らし、

後半生の多くを国際連合児童基金での仕事に充てていた。

そのまま女優を続けていれば人気はもっと上がり、

もっといい暮らしができたはずなのになぜ?

私は、それは彼女が人間の幸福についてよく知っていたからだと思う。

「お金をこれ以上手に入れたところで、自分の幸福は満たされない」

そう考えていたのだと思う。

海外のお金持ちたちがボランティアをこぞってはじめているのも同じ理由だ。


人間の欲求は物欲だけではないと
あの経済学者のアダム・スミスも言っている。


「人間は、物質的欲求に劣らず、道徳的、知的、美的欲求によって突き動かされていることを気づかせてくれる」

私は仕事終わりに大好きなミニクーパーのエンジンをかけて

「よし、明日からもがんばろう!」

と意気込んでいたあの頃より、

いまの方が毎日充実した気持ちでいる。

「仕事してないんだからそりゃ楽だろ?」

そう思う人もいるだろうが、

明日から仕事に行かなくてもいいとして

充実した日々が送れそうですか?

意外とそうでない人が多いと思います。

「なんだか心がさみしい」

「将来が不安だ」

そんな悩みを抱えている人に私は

ボランティアをおすすめします(^^)

いっしょにボランティアをはじめてみませんか?



仕事をやめてボランティアをしようと決めてから約半年。
うれしいことやツラいこと
いろんなことがありました。
そんなこれまでのことやこれからのことを
少しずつ綴っていこうと思います。
どうぞよろしくお願いします(^^)✨


他にも、

・絵本を紹介するYouTubeチャンネル
・本を要約するYouTubeチャンネル
・YouTube音楽チャンネル

などやっておりますので
ぜひご視聴いただけると幸せです(^^)


最後まで読んでくださりありがとうございました!

それでは!

ばいばい(^^)♫


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