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クリーニング店がない!【#note感想文】

衣替えの季節だから気づいたのだけど、最近クリーニング店が減ってきたように思う。
(え、ウチの近所だけですか?)

なーんて思っていたら、クリーニング店つながりで、はじめましてのnoterさん・タダノさん

の投稿に行き着いて、楽しませてもらった。

ちょー怖い店員さんとの攻防。
タダノさんの心の中のツッコミや、クセつよ店員さんの独特な口調に、思わずくすっとさせられる。

そういえば私にも学生の頃、苦手なクリーニング店の店員さんがいたっけ。
母親に言いつけられて店に衣類を取りに行くと、
「来るのが遅い」だのなんだの文句を言うのだ。

知らんがな。
こっちは命じられただけやし。
なんて思っても、何も言い返せないのだった。
段々行くのがイヤになって、おつかいを拒否するようになってしまった。

最近、以前からお世話になっていたクリーニング店が、大手チェーンに買収されてしまった。

そのお店は、まず受付対応の感じがよい。
昔のトラウマを払拭してくれた。

いつもほがらかで、衣類を受けとって下さる際の確認も入念。年配のご婦人なのだが、手際よく熟練の技だと感心させられる。

しょっちゅう半額セールがあって、料金を支払う際も「割引券、使えますよー」なんて、お財布にも優しい配慮をしてくれる。

受け取るのが少々遅くなっても、イヤな顔なんてしない。なんなら、お店の迷惑にならないよう速やかに引き取りに行こう!と、自主的に思わせてくれるお店だった。

衣類が傷んで戻ってきたなんてトラブルもなく、つまり安心してまかせることができたのだ。

仕方がないので、業務形態が変わった新しいクリーニング店の会員になることにした。
「会員になりたいんですけどー」
お店に行くと、受付のおねーさんが明るい笑顔で出迎えてくれた。

…あぁ、前のお店のおばさんではないのね。
いくぶんガッカリしながら、でもおねーさんの明るい受け答えにほっとする。

初回はポイントがたくさんつくとか、割引があるとか、丁寧に説明してくれる。
ふんふんと適当に相づちをうちながら、申込書に必要事項を書き込んでいく。

「あ、こちら、機械で24時間、受付も受取もできるんですよー」

そーだった。表に大きな機械が設置されている。
便利な世の中になったものだ。

「あの私、機械に疎いんですけど…」
おそるおそる申し出ると、にこにこ笑顔のまま、彼女は
「もし何かありましても、夜7時までは私共がおりますから、サポートさせていただきます!」
そんな頼もしいお言葉を聞いて、その日は会員になった記念のクリーニング袋だけもらって、帰宅した。

そして、後日。
持ち帰った袋に冬物を数点入れて、例のクリーニング店に足を運んだ。

そういえばこの前、料金表をもらおうとしたら、まだできてないと申し訳なさそうに断られたんだっけ。
お値段、いくらぐらいになるかなぁ。
まっ、いっかー。お店で確認できるし。
よいしょと衣類を抱えて、お店に向かう。

現地に着いて、がく然とした。
本日、定休日

…ウソやん。
この大荷物抱えて、ウチに戻れと?

いやいやいや。
この店の売りは24時間受付だったはず。
受付の人いないけれども、レッツ、チャレンジ!
機械の前に立った。

①受取日を指定する
②ICを読み込ませる
③衣類をボックスに入れる

工程はこの3つだけ、と書いてある。

だけって、言われてもさー。
受取日を指定するのは、いいよ?画面を押すだけだもんね。

でもICって、何さ。
会員になった時に、何も説明されてない。
そもそも会員カードのようなものも渡されてない。
どーすりゃいいのよ。

…そーいえば。
クリーニング袋の中に、バーコードが記載されたカードが入っていたっけ。
これじゃん、これじゃんと読み取り機にかざす。

…機械は沈黙したままだ。
ウソやん。動かんぞ、この機械!

うまく読み取りできないのかなーと、同じ工程を繰り返すこと数回。
機械は沈黙し続けている。
壊れてんのかな?

誰かー、と周囲に助けを求めようにも、詳しそうな人は見当たらない。

市政に不服をもちマイクで演説している、おばーちゃんだけである。ちなみに聴衆は誰もいない。

ちょっとぉ。クリーニング出せないじゃん。
話、違うじゃんよ~。
もう諦めかけて、店の前から立ち去ろうとしたその時だ。
もらったクリーニング袋を改めて見る。
袋の端に、3センチ四方の小さなタグがついていた。
「?」
タグにはICと、小さく記載されている。

…もしや?
と読み取り機にかざすと、一生開かないんじゃないかと思われたクリーニング受取ボックスが、ぱかっと開いた。

おおっー。
感動するヒマもないまま、慌てて袋を放り込む。

じじーっという音と共に、受取票が出力された。
後は受取日に店に行けばいい、ということなんだろう。

ふぅ~。
なんだか一仕事終えた気分。
気づけば、演説していたおばーちゃんもいなくなっていた。

ふと思う。
今までのクリーニング店では、こちらが気づいていなかったシミや傷みに気づいて、それらをどうするか話してから受け取ってもらっていた。
安心してまかせることが当たり前になっていた。
私の衣類、ちゃんと無事に戻ってきてくれるかしら。

それにそもそも、私、お金払ってない。
次回、引き取る時に請求されるのだろう。
でも冬物を数着出して、高額請求されるんじゃないかしら。
だんだん不安になってきた。
便利な世の中になったけど、それが問題だ。

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