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バズらなくっちゃ、ダメかしら?【#読書の秋2020】

「なかなかフォロワーさんが増えない」
「もっとたくさんの人に読んでもらいたいのに」
noteをはじめる前、いろいろな方から聞かされてきた悩みだ。

だから私もはじめに、「一喜一憂しないようにしよう」とか、「承認欲求に振り回されないようにしよう」とか、かなり覚悟してnoteを投稿しはじめた。
実際やってみると、これがまぁ~書いた端から他の方のステキな記事に埋もれてしまう。
けっこうなレッドオーシャンだ。
だから頑張って営業活動している方、ウケを狙ってる方の気持ちは、すごくよくわかる。
でも頑張りすぎると、疲れちゃうだろうなぁ~とも思う。


これまで競争しないで生きていこうと省エネを目指して生きてきた私。
そんな私の心にも、いわゆる、バズらせたい!わけじゃないんだけど、やっぱり自分だけの日記帳に書いてるわけじゃないんだから、ちょっとは誰かに読まれたいという欲が芽生えたりする。
うーん。人の心は複雑だ。


そんな時、noteでも投稿されている三宅香帆さん

著『文芸オタクの私が教えるバズる文章教室』という書籍に出会った。


その書籍が気になってる時点で、「バズらせたいんじゃん」と思われるかも知れない。
だが、まえがきにある、


「自分の言葉の見せ方」
を工夫するだけで、
すこしずつ、
あなたの文章を読んでくれる人が増えるはず。


そんなひと言に「そうそう、そんなカンジになりたい!」と思って手に入れた。


森鴎外のような文豪とか、教科書でおなじみの向田邦子やら、現代のシンガーソングライターの星野源に至るまで。

どーよ?このラインナップという面々の文章を取り上げて、真面目に楽しく分析している。
もう目次、見てるだけで楽しい。
『つかみ』、『文体』、『組み立て』、『言葉選び』といった章立てで構成されている。
好きな作家さんのところから読みはじめるもよし。
気になる章から目を通してもよし。
読んでみると、もっと楽しい。
知らない作家さんでも、文章の一部を引いて魅力を解説しているから、「知らない、興味ない」じゃなくて、「読んでみよう」と思わせてくれる。
文章読本であると同時に、書評でもあるのだ。


その作家や作品の魅力を「面白い」と言うのは簡単だけど、この書籍では、いろんな切り口から論じて、要点まで明記しているので、「そうだったのかー」に繋がる。
さらに、この技を「自分でも試してみよう!」と思わせてくれる。
どこから読んでもタメになる。


いつの間にか「バズる文章」のことなど、どうでもよくなって読みふけってしまった。
忘れかけていた、読むって楽しい、書くって奥が深いを改めて感じさせてくれる嬉しい1冊だ。
この書籍のラストにある


ずっと楽しく「自分の文章」を書き続けられますように。


を、私も実現していきたい。

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