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特技は"お菓子作り"って言ってみたい【#休日のすごし方】

どうやら私は、人が頑張っている姿を見るのが好きらしい。
GW中のんびり出来る今、リアリティコンテスト番組を見ている。

元々、Eテレで放映中の料理番組『ブリティッシュ・ベイクオフ』が好きである。


めんどくさがりだから、凝ったお菓子なんてロクに作った試しすらないのに。

課題を与えられたアマチュアの料理人たちが、制限時間の中で作った作品を審査される。評価が低かった方は、コンテストの場を去らなければいけない。
シビアな番組なのだ。

通常、料理番組ってキレイな部分だけしか放映されない。
手際のよさ、美しく仕上がったお料理。

でもコンテスト番組では、慣れた環境で作業出来るワケじゃない。温度管理や調理器具も異なる。ひっくり返してしまったり、焦げてしまったり。
制限時間もあって焦る姿、失敗作が出来上がってしまった瞬間が記録されてしまう。
極限状態の人の姿が、より鮮明に映し出される。

普段の料理なら、「食べてごまかせ」が通用するけれど、審査されるとなると失敗作も披露しなければいけない。
想像どおり出来なくて泣きそうになる姿に、こちらまで胸がキュッとなってしまう。

だからこそ、「頑張れ」と手に汗握ったり、思いがけなくステキに仕上がった作品を見て感動出来るのだ。

そういえば、昔亡き母が言っていたっけ。
「お菓子作りは繊細なのだ」と。
料理なら、わりと材料や手順がテキトーでも何とか仕上がる。だがスイーツの場合は、分量を間違えてもダメ、手順を飛ばしてもダメなのだとか。
ごまかしがきかない、のだと。

奥が深い。

番組では、審査員から絶賛されることもあれば、残念ながら辛口な意見をもらうことも。
でも、その指摘は的確。
回数を重ねる毎に、参加者の成長を見守ることができる。
イギリスBBC放送が作っている、この番組。

もし日本で作ったら、どんな番組になるだろうと、ずっと思っていた。そんな私の妄想を具現化した番組が、今、Amazonプライムで視聴できる。
ベイクオフ・ジャパン』だ。

まず高原に設置されたパステル調のキッチンのある大きなテントが、本家さながら再現されているところに驚く。

そしてMCは、俳優の坂井真紀さんと工藤阿須加さん。司会のイメージなかったけれど、爽やかな進行で、好感が持てる。回を重ねる毎に、場になじんでいっている。

審査員は、パティシエの鎧塚俊彦さんとパン職人の石川芳美さんだ。
このお二方が、良い出来だったら手放しで誉めてくれて、ダメな部分はなぜダメなのかハッキリ言語化してくれる。
好みが別れるところは、「私は、◯◯だと思う」って、"私"の部分を強調して、参加者に配慮しておられる。
また悪かった点も、「こういう風に工夫したらよくなるのでは?」と提案してくれるのも良い。ダメ出しだけなら誰でも出来るけど、代案を出して下さるから「さすがプロ!」と唸らされる。

日本版の審査員たちの方が、本家よりも個性を大事にしながら、アドバイスしているように感じられるなぁ。
全体のハーモニーが大事、美味しさがマストなのだと。

こういう場に出場するくらいだから、10人の参加者たちは、腕に覚えのある方たちばかり。でもそんなアマチュアな彼、彼女たちが、プロの舌で批評されることによって、さらにぐんぐん飛躍していく。
これまでひとりよがりだった部分が、愛ある審査で、さらにセンスが研ぎ澄まされるんだろうな。
他者の評価を受けるって、大事なんだな。
視聴途中の今、参加者のどなたが勝ち残るのか、全く検討もつかない。

参加者たちがライバル関係ながらも、バチバチのマウントの取り合いじゃないところもいい。
道具が足りなくなったら貸し借りし、うまくいかなかった時に励ましあう姿が確認出来る。
本家の清々しい間柄が好きだっただけに、日本版でもお互いリスペクトしあっている部分が見られて嬉しい。

また日本ならではの食材、アンコや抹茶を使用する方、ご自分の海外の生活を元にした「ナニソレ?」みたいな素材を準備する方。
バラエティ豊かで、刺激を受ける。
イギリス版の本家だと、「色鮮やかだけど、実際お味はどうなの?」と絶句しちゃうこともあるが、日本版だと「だいたいこんな味かな?」と出来上がる作品がより身近に感じられる。

最近コロナ禍の影響で、どうも人間関係がギスギスしてるなぁ、気持ちがささくれてるなぁと感じるけれど、この番組を見ている時は心穏やかに過ごせる。

普段テレビ番組はあんまり見ないけれど、ハマってしまった。
お菓子作りが好きな方は、ご自分でも調理したくなるんじゃないかしら?

お菓子作り得意な人に憧れる。
そんなGWである。

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