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社会は「女性優遇」なのか「女性蔑視」なのか

先日、とあるイベントがあり、都電荒川線で「男性専用車両」を作ったところ、参加者は12人だったらしい。

最近では『弱者男性』という言葉も出てきている。
社会的に弱い人、例えば収入が低い、独身であるなど、社会的な『弱者』の男性を指すようだ。

ネットなどではよく見かけ、弱者男性と自認する人も多い。いまでは『男性専用車両』の設置を望む声も多いようだ。しかし、実際に弱者男性を優遇しようとすると、まだその優遇に乗っかろうとする人は少ないらしい。

■女性専用車両とは

女性専用車両といえば、痴漢被害から女性を守る目的で2001年に誕生し、そのベースには、『地下鉄御堂筋事件』というおぞましい強姦事件がある。

1990年代〜00年代、テレビの特番で放映される『警察24時』の番組では、レギュラーのように、地下鉄御堂筋線のなんば~梅田間は痴漢常習者の現状犯逮捕の場面が放映されていた。常習者のほとんどは、痴漢をするためになんばから梅田の約10分の距離を何往復もするらしい。
当時その電車に乗っていた女性で、痴漢にあったことない人は、少なくとも私の周りにはいなかった。
そんな時代なので、女性専用車両ができたのはありがたかったし、積極的に利用した。

しかし、ここ数年は「女性=弱者」という捉え方自体が差別的だという意見もあり、女性専用車両に対して批判や疑問を投げかける人も散見される。

■女性優遇には種類がある

先日、ひろゆき氏の下記の発言が話題になった。

これは、男女平等を訴える自称フェミニストの方々に対して
「それを言うなら女性が優遇されているものを辞めさせる運動も行うべきだ」
と唱えている。

その昔、日本では女性というだけで社会的に不利な立場だった。
同じ能力で同じ会社に入っても、男女で賃金格差があり、女性が出世を目指すというのもないものとされていた。

その頃に比べると、女性の立場は改善されていった。
しかしそれは、男女同権、男女平等が実現したということなのだろうか。
そして、女性を弱者として扱いう必要性はなくなったということなのだろうか。

それを考えるにあたり、『女性蔑視』『女性優遇』には 『身体』『社会』の2つの種類が存在することを知り、整理しなければならない。

まずは、『身体的』な女性と男性の違い。
言わずもがな身体的な男女の大きな違いとして、女性には子供を産む機能、男性には女性に子供を産ませる機能が備わっている。
女性に「子供を産む機能」があることで、女性は十代以降、そのリスクをとり続けることになる。
十代半ば以降、女性は、子供を産める体なのかそうでないかにより、女性ホルモンに支配されることになる。
子どもを妊娠しやすい状態のときは、精神が安定し、肌はきめ細かくなり、魅力的になる。しかし、排卵が過ぎ妊娠しづらい時期になると、精神が不安定になり、男性を近づかせづらくする行動を無意識にとろうとする。月経期になると腹痛関節痛などの体の不調が起きる。
この月経周期で考えると、女性が自然に安定していられるのは、月に一週間ほどだ。
また、性行為によるリスクも男性より女性のほうが大きい。
仮に臨んだ妊娠だとしても、子供を産むというのは命がけの行為だ。

『社会的』な違いとして、女性のキャリアアップの現実がある。
昨今の会社では、女性の管理職も以前に比べて多くなってきた。
しかし、「女性のキャリアアップ」をうたう会社の中では、女性を優先的に出世させようとする一方で、その空間に女性が入ることへ戸惑いや嫌悪感を感じる男性上司も少なくない。
また、笑い話で、「女性のキャリアアップはうたっているものの、その現実は、喫煙室ミーティングや仕事終わりの飲み会に強制的に女性を参加させているだけ」という会社もあるようだ。

この2種類のうち、女性専用車両は『身体的』女性優遇だろう。しかし、それに対して「男性専用車両も作るべき」というのは『社会的』平等を求めている。
また、ジェンダーレストイレや、スポーツ大会でトランス女性が女性の部で出場するというのも、身体的と社会的を混合させている。
それらを一緒にして議論をしようとするから、解決できないのである。

■男性専用車両は必要か

結論から言うと、個人的意見としては、男性専用車両は設置するべきだ。社会的平等は実現するべきだ。しかし、設置したとして、それを利用する人は極端に少ないだろう。なぜなら、弱者男性の訴えが社会的男女平等に対し、専用車両の必要性は、身体的女性擁護から生まれたものだからである。
その現実を可視化するのが良い。



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