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ベッコフ様、申し訳ありませんでした!

桜も咲いて4月になったのに、まだ肌寒い日の夜にベッコフを生まれて初めて食べてきました。

フランスの肉ジャガ

ベッコフはフランス東部のドイツと国境を接するアルザスの郷土料理で、肉とジャガイモを、ニンジンや玉ネギと一緒に煮込んだものなので、フランスの肉ジャガと呼ばれることも多いようです。

日本の肉ジャガが写真映えしないのと同じように、ベッコフの見た目も冴えません。そういった意味ではパリの星付きのレストランで食べるガストロノミーと呼ばれるようなものとは真逆の、典型的なフランス内陸部の郷土料理と言えます。

実際にフランスではアルザスに行くか、パリなどでアルザス料理の専門店を見つけないとベッコフは食べられないようです。

因みに、今回このFumamotoがベッコフを食べてみようと思ったのは、今まで食べたことがなかったから、という単純な理由です。正直なところ美味しい料理を期待していたわけではありません。

ウマい!

オーダーしたベッコフの特別コースは先ず「ホタテの入った新玉ネギのポタージュ」と前菜の「自家製シャルキュトリーの盛り合わせ」から始まります。

2人分のシャルキュトリーの数々がフランス産のタンポポのサラダと一緒に盛り付けられた皿は迫力満点といった感じです。

そしてメイン・ディッシュとして熱々のベッコフが運ばれてきます。

アルザスの職人が手作りした厚手の鍋の蓋は外からパン生地を巻いて密閉されているので、何時間もかけて蒸し煮される素材の味わいは内側に閉じ込められたままです。

このパン生地を取り外し、蓋をあけると湯気が上がり、閉じ込められていた豊かな味わいは先ず嗅覚で受け止めることになるのですが、この瞬間にベッコフは決してフランスの肉ジャガではなく、フランス料理そのものだと気づくはずです。

素材を煮込む際に入れる水分はアルザスのピノ・グリ(白ワイン)だけで、香辛料のローリエや香草のタイムも一緒に入っているということが豊かな味わいの秘密だと思います。

この記事のはじめの方に「正直なところ美味しい料理を期待していたわけではない」と書いたのですが、実際に食べてみて、その味わい深さに驚きFumamotoは「ベッコフ様、申し訳ありませんでした」と謝りたくなってしまいました。

豚ビストロ

今回このベッコフを味わったのは人形町と馬喰横山の駅の中間にあるラ・ブーシュリー・グートンという名前のビストロ。常連からは「グートン」と呼ばれ、フランス料理が好きな人の間では豚肉を使った美味しいビストロ料理を味わえる「豚ビストロ」として知られた存在です。勿論、このベッコフにも何種類もの異なる部位の豚肉が入っています。

スペア・リブ

ラ・ブーシュリー・グートンの詳細は、是非、以下のリンク先で見てみてくだっさい。

https://www.eatpia.com/restaurant/Boucherie-Goutons-Ningyocho-French

仲間と一緒に

グートンの郷シェフによるとベッコフは「鍋に詰める食材の量が増えれば増えるほど旨味がまして美味しくなる」ので4人ほど仲間を集めて大きいサイズの鍋をつかって蒸し煮したものを味わってみるのが良いと思います。

以下の写真はベッコフの後に、コースの〆に出てきたデザートの「イチゴのヴァシュラン」になります。

イチゴのヴァシュラン

因みに、EATPIAのサイトで使用されている写真はプロの写真家に撮影してもらっているのですが、今回の記事で使用されているのはFumamotoが自分で撮影したものになります。

偉そうに撮影の現場では「上から」「横から」とプロに撮り方を指示するFumamotoですが、こうして撮影した写真を見ていると、自分にはセンスがないことを痛感します。

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