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未来のチームの作り方 アウトプットLAB

2019年8月10日(土) BOOK&CO TENJIN にて開催された

―#サイボウズ式チーム本―  「未来のチーム」の作り方

ゲスト     サイボウズ式編集長 藤村能光氏


        Wasei代表     鳥井弘文氏


        Wasei Salon     平山高敏氏


モデレーター            池松潤氏





あっという間に満席御礼になったこのイベント、普段福岡で行われる有料イベントは出足が遅いと言われるが、これほど一気に埋まるスピード感は珍しい。追加席まで発売され、参加者の期待値の高さがひしひしと伝わってくる。

早速本を手に入れて会場に向かう。

何やらあまーい香りに誘われて、たまたま座った席の前が、福岡といえば

博多発 ケンジーズ・ドーナツタワー。

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イベントが始まる前から、色とりどりのドーナツが気になっちゃう。

やっぱりこれを入れて写真撮らないとね、ということで、一生懸命良い角度を探してパシャリ。他の人の邪魔になっていたかもしれない。


「未来のチーム」の作り方出版記念イベントスタート

いよいよイベントスタート。とは言え「未来のチーム」の作り方出版記念イベントと称しながら、それだけでは終わらないのが #アウトプットLAB の凄みであると言える。

モデレーターの池松潤氏が今回もゲストを困らせるほど深堀りし、ぐいぐいと本音に迫っていく。

急な申し出にも快くオファーを受けてくださったゲストのお三方、そして、忙しい中、時間を割いて集まった参加者のため、実りある時間にしたい。自分にとって信じられる大事なこと、ここにいる皆さんにシェアしてほしい、そこを最大限引き出したいというのがモデレーターである池松氏の想いである。

だからこそ参加してみないと分からない、参加したからこそ味わえる、深部が肚落ちする瞬間を楽しみに。

かと言って、参加できなかった人のために、惜しげもなくその内容を伝えるため、今回も公式ハッシュタグによるTLで参加者からの情報発信を促すのも心憎い演出。

アウトプットLABおなじみの撮影会から始まる。ゲストの三名、プラス毒舌モデレーターがドーナツタワー前へ。急遽オファーした福岡でのイベントを楽しみにしてくれていたことが、ゲストの笑顔からも伝わってくる。

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この3人で行けたらいいか!

こじつけでなく、そこに未来のチーム感が見える。

そしてサイボウズ式チーム本著者の藤村氏からはもちろん、三名のゲストの方からそれぞれにチームについての見解を聞くことが出来る。

これは贅沢な時間になると確信。アルコールが入って舌も滑らかになったところでトークイベントが始まった。


立場の異なる3名 チームに対する見解とは

今回のイベントでも、ちょっとイジワルな質問できわどいところを切り込み、本音の部分をかなり引き出している。

元々飾らないお三方であるのかもしれないが、マンガから受けた影響というものが軸になっている点でも分かる。

平山氏の考えるチーム ~仲間を集めず同志を集める~

現在、会社の中ではチームに属さず、ほぼ一人で回している。ただその中でも様々な部門から

仲間を集めず、同志を集める      幽遊白書

のスタンス。

例えば、キリン本搾りは砂糖不使用、これって知っていましたか?

企業の中にも熱い思いを持っている人は多い。子会社のメルシャンが植物由来の丹精込めた商品を開発、その思いや由来を伝えたい。

デジタルメディアという僕のスキル、その+αで、企業のコンセプトや理念をこの世の中に伝えることが出来る、貢献出来たら、これって嬉しくないですか?

組織の課題を見つける→正論をぶつける→紡いでいく   ミッション+理想→カタチになる

ハートとテクニックのバランス感覚、自分にフィットする欲を持つ人に近づき、理念で会話する。

理念で話した時に冷笑する人は、即刻シャットダウン。

また理念ファーストで自分の意見が走ってしまいがちな時に、「平山さんの言っていることは組織の中で〇〇な意味なので」と翻訳してくれる人がいることの有難みがあるというのが、平山氏における社内でのチーム感とのことだった。

また何を届けたいか、自分の足元で何が出来るだろうとしっかり考える。

理想を追える場所、背筋を伸ばすことのできる場所 

を持つことの重要性も説いた。外に甘えやシェルターというだけでなく、自分はもっとこうありたいと、理想を追える場所を持てるようにする。社外に良い意味での緊張感を与えてくれる仲間を持つことは、自分の仕事をきちんとやっていくために背筋を伸ばすことにつながる。


鳥井氏の場合 ~理想で結ばれるビジネス、ほれ込んだ相手にお金以上のものを返していった結果~

鳥井氏は自ら起業しWaseiを立ち上げた、どちらかというと外側のフリーという立場。企業の中で守られていない、かといってガツガツ営業をしているようにも見えない。営業しない営業とは、どうやって仕事を頼まれるのかという疑問に対し、

Waseiはメディア記事、広告収入、noteでの企業メディアの運用サポートなどが収入の一つの軸になっている。クライアントからの記事作成依頼、価値観が近い自治体からの依頼、またそこから派生したイベントなどのつながりが増え仕事が広がっていく。

例えばイケウチオーガニックとの関係性

ネット界、SNS会ではよく知られた会社であるが、それほど規模の大きな会社とは言えない。

最初、見積もりを出したときには金額面で折り合わず断られた経緯があったそうだ。大企業であれば躊躇なく出せる金額であっても、地方の一企業であれば、やはり少し考えるところでもある。そこで、Waseiは金額を下げるのではなく、敢えてアゴアシマクラで受けた結果お金以上に価値があることに夢中になり、それがチームの意欲を高める結果にもつながった。

この仕事をやりたいという心意気を皆持っていた、安く受けるよりもただの方が潔い、そしてその心意気や思いを伝える方法でもある。この流れではみんなのやる気を削がれ、やらない方が損失になりかねない。他にも収入があったので全体でトントンになればよいとした。

そこで生まれたのが

イケウチな人たち。


である。

池松氏からはさらに意地悪な質問も飛び出す。そうはいっても仕事=金、経営的判断から金に負けたりしないのか。

概して、大体設立3~5年で投資家による上場しろというあおりを受ける、ベンチャーはM&A、数億~数十億というのを夢見ているところも多い、そこに一切関係してこないのが投資を受けない自己資本の強みだと強調した。

安く使い倒そうとする人の相手をする必要はないが、自分が惚れ込んだ相手にはお金以上のものを返していく。

惚れ込んだクライアントに先行投資した結果、自分たちのやりたい仕事につながっていった。

イケウチオーガニックとは理想の関係性。理想で結びついてお金がもらえるというのもある種チームワークといえる。

また鳥井氏は理想を追える場所で小さな火種を作ることが大事であり、チームメンバーを集める際も、こんなのがあったらいいよね、を繰り返すうちに自然と今の形になっていったと話す

その姿からは潔さ、透明感しか見えてこない、この崇高なイメージは心の清らかさから来ているものだろうか。

また、鳥井氏は

安西先生のように、何もせず見守る  スラムダンク

人に対して変えようとするのではなく、本人が気づく場所、機会を与えて見守ることの大切さを説く。変えようとするから変わらない、突き詰めるとより離れていくと話した。

藤村氏の場合 ~たとえ少数でも共感してくれる人がいたらいい~

ちなみに藤村氏の考えるチームにマンガ引用はなかったが、とにかく短時間のうちにギュッと濃縮し、響く言葉で熱く語ってくれた。

まず本を出すきっかけとして

扶桑社からサイボウズチーム作りの本を作りたいと企画が出された際、出版社で本の企画を提出すると、なぜ良かったか、採用されたか、不採用だったのか、この中身が全く分からない、ブラックボックスであるという実態を知らされた。

その時に、チームみんなで企画作りができたらいい、チーム全体で情報共有、このやり方はサイボウズだけのものにするのでのものにするのはなく、共有することで他の方にも役立つのではないかと気づいた。

会社員として、一人でできる仕事は数少ない。自分の理想を伝えただけではチームの理想にはなり得ない。

藤村氏のチーム作りの原点は

個人としての成果はいいが、チームとしての成果は上がっていないよね

30歳の頃、上長からの言葉が気づきのきっかけになった。

サイボウズに入った頃、自分のための仕事に対しての頭打ち感があったが、仲間と力を合わせて仕事をするという考え方に行きついた。

稼ぎたいVS理念 

のベン図で重なった部分というのは何なのか、サブスクリプションの商品を提供する会社として商品の価値を見出す。

サイボウズを使い続けてもらうため永続的な関係性を作る、選んでもらえる理由、選ばれ続ける理由、そこに価値が生まれる。

好きという価値観で仕事をしたいと思っても、100%その心意気だけで埋め尽くすのは不可能。それでも、自分の心にフィットする働き方を選択する。

有名、無名問題についても、理想を達成するための仲間が1人、2人でもいたら理想には近づくことが出来る。最初に味方になってくれる人、共感してくれる人が少数でもいたらそれでいい。

有名・無名に関係なく届けたい思いをまだ会っていない仲間に届けること。まずは目の前の一人にラブレターを届けることが重要なのだ。

理念への共感という意味では、現在もチーム一人一人と週1回30分ほど直接対話する機会を持っている。

自分の意見を押し付けるのではなく、相手の心の内を知る、心を開いてもらいたいという点で、30分映画の話だけで終わることもあるらしい。

また壮大過ぎる理想だと、とっかかりの部分がつかみにくいため、小さな理想を一つ一つ、成功体験を積み重ねていくことが大事であると話してくれた。

じゃんけん大会

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じゃんけん大会で今回のバナー入りコーヒー(シードヴィレッジ様提供)が当たりました。

もったいなくてなかなか飲めそうにない。でも味わいたい。

イベントを終えて

今日、この場に集まった人たちには共通点があったように思う。

自分が変わりたい、環境を変えたい、より良くしたい、周囲に自分の考えを理解してほしい・・・恐らく現状維持を望む人はここには来ていないはずだ。だからこそ、掴みどころのないモヤモヤとした思いを何らかの形で払拭したかった。

その思いはゲストの皆さんも同じように持っていたのかもしれない。自分たちの経験、知見を参考に、少しでも現状を打破してほしい、周りを変えようとするのではなく、自分自身の心と向き合い、内省し、敢えて視座を低くしてでも周りの意見に耳を傾け、小さな理想を一つずつ現実のものとしてほしい、それが成功体験につながっていく。理念を追求することで必ず道が開かれる希望へと導いてくれた。

壮大な目標を掲げ、一度くじけたら終わりではない。一人でも同じ理念を持った仲間と共に、一歩ずつ、着実に進んでいけばいい。

ただ夢を語るのではなく、地に足の着いた、されど前を見据えて向かっていくことのできる清々しい希望に満ちたイベントだった。

ゲストの皆様、イベント主催の池松氏に感謝します。






#未来のチームの作り方

#アウトプットLAB





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