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リハビリ専門職のキャリア選択〜後悔しないために、これだけは伝えたい3つのこと〜

こんな方へ

・今の職場でずっと働き続けていいのか疑問
・自分が本当に何をやりたいのかわからない
・思いきって自分で何かやってみたいけど、食べていけるのか不安

こんにちは。
大山史朗(@ThanksDailylifeです。

私は理学療法士として3つの医療機関で整形外科疾患術後のリハビリテーションやスポーツ障害からの復帰、地域医療、訪問リハビリテーションなどに従事。また大学院で心と体の関連性、ストレスと自律神経応答について研究し心身健康科学修士号を取得。

現在は起業独立して出張整体やダイエット個別指導、地域での健康講座、企業の健康経営のサポートなどを行っています。この記事を書いている2021年8月現在は独立して2年目です。

この度ご縁あって田中宏樹さん(After Reha代表)と対談の機会をいただきました。題して『誰も教えてくれない!リハ職のキャリア選択 ホントのところ』

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☆オンライン対談の詳細はこちら

そこでこの機会に自分の歩いてきた道をふり返り、いまキャリアや将来に悩むリハビリ専門職の方に何かお役に立てればと思います。

私も3つの職場を渡り歩いて、多くのことを学ばせていただきました。
対峙する患者さま、職場の上司・先輩・お仲間の皆様、連携する他職種の方々、院外で出会う皆様…
学び、失敗、成長してきたことは一言では語りきれませんが、できるだけわかりやすく、細ぎれにしてお伝えいたします。

今回は『キャリア選択で後悔しないために、これだけは伝えたい3つのこと』です。

本記事を読むことで得られるメリット

・キャリア選択の実例を知って参考にできる。
・キャリア選択の際に押さえておくべき最低限のポイントを知って、リスクを減らせる。
・自分のやりたいことへ一歩踏み出すきっかけになる。

「人生100年時代」のキャリアデザイン

本記事を読んでくださっているあなたはご自身のキャリアや働き方、仕事と家庭や子育て、趣味とのバランスに少なからず「違和感」を覚えていることだと思います。

でもそんな自分を責めたり、マイナスにとらえたりしないでください。最初は夢と理想をもって働きだした業種・職場であっても、そこでの経験や学び、出会いによって考えは変わって当然です。

ましてや昨今は「人生100年時代」と言われ、これまでの終身雇用・年功序列の規定路線はとっくに外れています。これはリハビリ専門職の世界においても同じ。

“変化が激しい”と言われる時代において満足のいく働き方・生き方をするためには、主体的に積極的に「変わり続けることを変えない」姿勢が必要です。

それを踏まえたうえで、いまの私が考える『キャリア選択で後悔しないために、これだけは伝えたいこと』が3つあります。

1.自分を知る

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どうやっても“隣の芝生は青”く見えるし、自分の状況は悲観的にとらえてしまいます。これはもう人類が生き残るために備えてきたサガ、思考のクセです。

答えのない時代、未来を進んでいくためには、自分の現状を正しく知ることが第一歩です。自分の軸を定めるとも言えるかもしれません。

いまSNSや広告をみれば、“こうすれば楽に稼げる”系の情報にあふれています。ですがどんなに立派な「地図」を持っていても、「現在位置」が間違っていたら、とんちんかんなルートを行くことになったり、無闇な難所にぶちあたったりすることになりかねません。

しかもよく目耳にする成功譚はどれほどのN数でしょうか。そもそもあなたに適したやり方でしょうか。垂涎のおいしそうな情報を追いかける前に、「自分は何者なのか、今どこにいるのか」を知るのが先決です。

「自分を知る」と一言でいっても、さまざまな要素が絡んできますが、大枠ではこちらの3項目が役に立ちます。というか、キャリア選択の折々で考え続けていくことになります。

【自分を知るきっかけになる3つの問い】

・自分は何をしたいのか?
・自分は何ができるのか?
・自分は何を求められているのか?

「自分は何をしたいのか?」とはあなたの好きなこと、自然と興味・関心をもっているジャンルや分野です。英語でいうと「what」。

リハビリ専門職でいえば「脳卒中」や「スポーツ分野」、「認知行動療法」「福祉用具」といったものでしょうか。「これまで多くのお金と時間を費やしてきたもの」を思い出してみてもよいでしょう。


「自分は何ができるのか?」とは、あなたが得意とすること、それほど苦労せずとも人並み以上にやれていることです。英語でいうと「how」。

例えば、人と協力して何かを作り上げる、エクセルでデータを整理する、わかりやすくプレゼンする、前に出る人をサポートするなど。

自分のことは意外と理解できていないので、まわりの人に意見を聞いてみるのもいいですね。

「自分は何を求められているのか?」とは、社会のニーズや時代の流れから自分をみることです。

同じ職場で働いていても、新人のころと今のあなたとでは求められる役割が違っているはず。目の前の一人の患者さんのことに一所懸命向き合うのか、部署内でリーダーシップを発揮するのか、経営的な視点で戦略を考えたり、院外の人脈とつながって交渉するのか。

ニーズをとらえ違えるとどんなに正論であっても、置かれた立場で良好な関係を築いたり、望む成果をあげたりすることは難しいでしょう。


例えば、新人のころの私であれば、
・好きなこと:スポーツ障害のリハビリテーション、徒手療法
・得意なこと:資料を集め、まとめる。データを整理し、統計分析する。患者さんの話をじっくり聞く。
・求められること:担当する患者さんのニーズやウォントに応えるべく一人ひとりと徹底的に向き合う。理学療法士としての知識・スキルを磨くべく勉強する。施設のルールを理解し、部署内や他部署の先輩方と良好な関係を築きながら必要な指導支援を仰ぐ。

「3つの問い」は絶対普遍のものではなくて、自分の進むステージや置かれた状況よって変化していくものです。
ぜひ肩の力を抜いて考えてみていただければと思います。私も進む道に迷ったり、決断したりするたびに何度も何度も書き出しています。

2.“積極的に流されて”みる

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理想のキャリアを積み重ねている人たちは皆、計画通り思い描いた道を進んでいるのでしょうか?

いえいえ、決してそんなことはありません。

“キャリアの80%は偶然に支配されている”とされ、これを「計画された偶発性理論(ジョン・D・クランボルツ)」といいます。

「計画された偶発性理論」をキャリア選択に生かすのが「キャリアドリフト」という考え方。「ドリフト(drift)」とは「漂流する」の意ですね。

そこでキャリアドリフトとは

『自分のキャリアについて大きな方向づけさえできていれば、人生の節目ごとに次のステップをしっかりとデザインするだけでよく、節目と節目の間は「偶然の出会い」や「予期せぬ出来事」をチャンスとして柔軟に受け止めるため、あえて状況に“流されるまま”でいることも必要だ』という考え方 (『医療機関・介護施設のリハビリ部門管理者のための実践テキスト』189ページより)

たしかに、異動を命じられた先や、指示されていった研修会で思わぬ出会いやチャンスにめぐり合うことがありますよね!

私も職場を移るときや、起業のきっかけを得たときも“偶然の”人の出会いでした。今思いかえしてみると、本当にありがたいですね。

偶然に訪れたチャンスを生かすのに大事なのは、“オープンマインドの姿勢”でいること。

「こうでなければならない」「〜あるべきだ」というこだわりは、せっかく新しい世界に出会うとびらを閉じてしまいます。自分の持っている考え方や信念のほかにも、心を開いて受け止める。そうすると思いもよらぬヒントやアイデアが生まれます。

あなたも出会う人やできごとに“積極的に流されて”みてはいかがでしょうか。

3.“バカバカしいほど小さく”動きだしてみる

少しだけ、ほんのちょっと

“自分で何かやってみたいけど、うまくいくかどうか不安だ”と思うのは当然です。私もそうでした。

未知の領域、初めてやってみることに恐れや不安はつきもの。

ですが“宝物”を手に入れるためには、その恐れ・不安を知ってプレッシャーを抱えつつも、前に進まないといけません。ましてその“宝物”が、あなたがのどから手が出るほど欲しいものであればなおさらです。

大丈夫、そうそう初めからうまくはいきません!笑

いまや世界的大企業に成長した「ユニクロ」の柳井社長でさえ“1勝9敗”だといいます。凡人の我々の成功率なんていかほどでしょうか。

なので新しいことを始めるときは、「まず小さく」動いてみるのが賢明。それも“ばかばかしいほど小さく”です。

はじめから大きな理想を描き、目標を成し遂げた姿をイメージすると動けなくなります。人にはホメオスタシスが働くので、急激な変化にははげしい抵抗が生まれます。

あなたのやりたいことや目標につながる小さなステップにはどんなものがありますか?

例えば研究したいなら、Google Scolarで単語を一つ入れてみる。
書くことが好きなら、Twitterで一つつぶやいてみる。
役職につきたいなら、書店でリーダーシップのコーナーを眺めてみる。
理想のチームを作りたいなら、後輩に「なにか困っていることはない?」と声をかけてみる。など

ポイントはほんとに“バカバカしいほど小さく”動くことです。小さすぎて不安になったり、プレッシャーを感じたりする暇もありません笑

ですが、「小さな習慣」の影響はバカにできません。

バタフライ効果をご存知でしょうか?“風が吹けば桶屋が儲かる”的なあれですね。

一つ動けば、何かが変わります。少なくとも行動を起こした自分の中でスイッチが入ります。その小さな行動を3日、3週間、3ヶ月、1年と続けたらどうなるでしょう?

あの米国大リーグで最多安打記録を叩き出したイチロー選手も言っています。

小さなことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただ一つの道

だと。

さあ、あなたも「気になっているけど、動けていないこと」を小さく一歩踏み出してみましょう!きっと今は想像もできないほどの、偉大なあなたになっていることでしょう。

むすびに

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いかがでしょうか。

医療機関勤務を歴て起業独立した私がいま考えている、キャリア選択において大事だと思う3つことをまとめました。

こんな言葉があります。

選ぼうとしている道が正しいかどうかなんてわからない。
選んだ道が正しかったと言えるように、努力するだけだ。

そう今も、これからも正しい道は自分で選び、作っていくことができます。今できるのは選ぶ道をどうにか進んでいけるように「準備」して、選んだ状況に適応できるよう「試行錯誤」すること。

いま私も独立起業して本当によかったと思っています。もちろんプレッシャーは消えません。未来への不安と恐れもあります。

でも自分で決めて選んだこの道を正解にしていくために、私の選択を後押ししてくれたまわりの人達のために、私のサービスを待っていてくれるクライアントのために、今やるべき目前のことに全力で取り組んでいきたいと思っています。

本記事があなたのよりよいキャリア選択の一助となれば幸いです。一緒にがんばりましょう!

オンライン対談企画へのご参加もお待ちしています\(^o^)/

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