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癒される棚素材・組手什(くでじゅう)

昼前、買物へ行く道中。ある建物が、目に入る。

外観は戸建て住宅の雰囲気なのだけれど、自治体が運営している「環境学習施設」らしい。

以前から、前を通り過ぎるたびに、「中はどうなっているのしら?」と気になっていた。

外から中の様子は見えないので、扉を開くのは少々、ハードルが高い。

時計をみる。ちょっと立ち寄るくらいの時間は、ある。

勇気を出して、木製の引き戸を開けてみる。

玄関があり、広々とした戸建て住宅の雰囲気。

係りの方が、「見学されますか。」とスリッパを出してくださる。

施設の概要を説明してくださり、「わら細工のワークショップなどもしています。」と案内してくださったのが、この写真の棚。


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わらで作られた午の飾りや花入れ、ほうき、鍋敷きなどなどが飾られていた。

一面のわら細工、眺めていて癒される。ワークショップ、いいなあ。

そして、「あっ」とあることに、気づいた。

この棚の材料は、朝ドラ『おかえりモネ』で紹介されていた、『くでじゅう』では!?


現在放送されている、NHK朝ドラ『おかえりモネ』のヒロイン「ももね」は宮城県登米市の森林組合に就職するのだけれど、

ドラマの中で、林業の体験学習に来た小学生たちに、

「これは、何にでもなる魔法の材料です。」

「くでじゅう」を紹介していたのだ。


「この棚は、もしかして・・・?」と係員さんに尋ねると、

「そうです!『くでじゅう』です!朝ドラでヒロインが紹介していたものです!」

と、教えてくださる。


『くでじゅう』とは・・・

組手(くで)」とは障子の桟など建具を組み立てるときの切り込み(業界用語では、切り欠き)のこと、「什(じゅう)」とは什器のことで、身の回りの器具のことを表すという。つまり、組手什は、組手を使った身の回りの器具のことだ。双方の切り込みをはめ合わせて組み立てることで、木材の欠点とされる反り、ねじれ、曲がりが補正され、丈夫な構造になる。(中略)
震災被災地で組手什が大活躍
2011年3月、東日本大震災が起きた。被災地で組手什を活かそうということになり、まずは国土緑化推進機構の緑の募金支援活動の一環として、5月4日(みどりの日)のイベントに合わせ、組手什おかげまわし東海の代表・長坂洋さんとあいちの木で家をつくる会の事務局長・渡辺径さんが、組手什をハイエースに積み込み、名古屋から宮城県気仙沼市まで10時間かけて運んだ。この時に運んだ鳥取県智頭町の組手什4千本と愛知県の2千本は、2カ所の避難所とボランティア活動の拠点となっていたRQ市民災害救援センターに持ち込まれ、間仕切り兼収納棚や支援物資を分ける棚などに使われた。できあがりの棚を寄付するのではなく、利用者自らがみんなでわいわい話しながら組み立てることで、集団生活の潤滑油になり、自分たちの利用しやすい棚が完成。利用者からは「場所を選ばず簡単に組み立てられ使いやすい」「木の香りが心に安らぎを与えてくれる」と喜びの声が上がったという。これが組手什の被災地支援の始まりである。
同時に、現地の木を使って組手什を作る活動を呼びかけたところ、宮城県の栗駒木材(取り扱いは、日本の森バイオマスネットワーク)と登米森林組合が手を挙げ、地産地消の組手什生産も始まった
さらに、この言葉にはもう一つの意味合いも込めている。「什」は、「人」と「十」が組み合わさった文字。つまり、「人々が交わり、長所を活かし、短所を補う」という意味があるようだ。(以上、「なごや環境大学」HPより引用)

登米森林組合はドラマの架空の設定?と思っていたら、組織は実在するのですね!)


こちらの施設では、以前から組手什(くでじゅう)を活用されているそう。

組手什に気付かれた方、初めてです!」と係員の方がうれしそうに、教えてくださった。なんだか、うれしい。

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形を自由に設計できる、組手什。奥にある、布バッグがかかっているラックも、組手什。

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荷物置き場も、組手什。

※写真撮影、掲載は快く了承いただきました


「おかえりモネ」の初回放送は、先月、5/17。

「おかえりモネ」を観ていたことと、このタイミングでこの場所を訪れたことが重なっていなければ、「組手什」に反応することも、なかっただろう。

と考えると、なにがしかのご縁を感じずには、いられないのであった。


増え続ける我が家の本の置き場に、組手什、検討してみよう。



#1日6000歩  昨日6/2歩数 6,465(+465)歩✨


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