音楽的なことを尊重するのか、それとも奏者自身の技術的な都合を尊重するのか

常日頃、「音楽」と「演奏技術」について考えていることをメモ。

演奏する人々(プロ、アマチュア含めて)を見ていると、音楽的なこととその人の演奏技術の程度がぴったりうまい具合にバランスのとれている人ってあんまり居ないように見える。みんな、多かれ少なかれ、すれすれのきわどいバランスのなかで「音楽」と「演奏技術」のバランスをとっているように見える。なかにはずいぶん苦しそうな道のりを進んでいる人もいるようだ。

そんな時には音楽的なことを尊重するのか、それとも奏者自身の技術的な都合を尊重するのかというのは全く相反する事柄ではない、と考えてみると少しはラクにならないかな。

その道の権威と呼ばれるような方から「まず音楽的なイメージがあって、その後に技術。つまり技術とは音楽的なイメージを実現するための手段」というようなことを聞くとそれはそうなのだろうと思う。なんとなく頭では納得したような気持ちにならないでもない。

でも本当にそうなのかな。音楽と技術(この場合は演奏技術のこと)ってそんなにきれいに分けて考えられるものなのだろうか?

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