3ヶ月でグリーンスリーブスが吹けるようになる!(ソプラノリコーダー教則テキスト)

こんにちは。リコーダー奏者吉嶺史晴です。3ヶ月間で初心者の方がソプラノリコーダー(イギリス式運指)でグリーンスリーブスを吹けるようになるための教則テキストを書いてみました。

こちらは吉嶺史晴がグリーンスリーブスを演奏した例です。(ここではソプラノではなくテナーリコーダーを使っています)

こちらの動画では楽器の持ち方について解説してみました。

この他にもチューニングの方法やタンギング、指使いのことを始めとして、木製リコーダーの取り扱い方やヴィブラートをかける方法、バロック期の名曲「イギリスのナイチンゲール」の分析などリコーダー演奏のためのヒントになる情報を豊富に掲載してあります。

目次
レッスン1 ■楽器について ■持ち方・息とタンギング ■チューニング
レッスン2 ■メリーさんの羊 ■聖者が街にやってくる ■きらきら星 
レッスン3 ■アメージング・グレース ■私のお父さん 他
レッスン4 ■ロンドンデリー ■フニクリ・フニクラ 他 
レッスン5 ■日本の名曲より「椰子の実」
レッスン6 ■バロックの名曲より「イギリスのナイチンゲール」
レッスン7 ■技術的な練習(低音域の練習)
レッスン8 ■技術的な練習(高音域の練習)
レッスン9 ■グリーンスリーブス1回目
レッスン10■グリーンスリーブス2回目
レッスン11■グリーンスリーブス3回目
レッスン12■グリーンスリーブス4回目
付録■ソプラノリコーダー運指表

(注意:このテキストで取り扱われるグリーンスリーブスは18世紀の初頭にロンドンで出版された"Division Flute"のグリーンスリーブスをもとに吉嶺史晴が部分的にアレンジしたものです。全体の変奏の数はオリジナルと同じですが、変奏の順番と旋律の音に関して数箇所アレンジが施されています)

レッスン1 

楽器について

扱いやすいのはプラスチック製の楽器ですが、最初の段階から木製のリコーダーを使ってレッスンを始めるのは良いアイディアです。木製の楽器の取り扱いには以下のような注意が必要です。新品の木製リコーダーで徐々に音を出してゆく作業は「慣らし」と呼ばれます。

■新品の木製リコーダーをいきなり長い時間、演奏しないこと。最初の1週間は5分程度、次の1週間は10分程度というように次第に音を出す時間を長くしてゆきます。この場合、主に低い音域の音をたっぷり出すイメージです。

コツとしては音がひっくり返るぎりぎりのポイントまで強い息を入れることです。これを少しずつ繰り返すことによってその楽器の低音域における鳴りが良くなってゆきます。(リコーダーの低音域は弱い息しか吹き込めないというのは必ずしも正しくありません。良い楽器を良い奏者が入念に慣らし作業を行った場合、その楽器の低音域の許容範囲は驚くほど大きくなるものです)

たっぷりとした大きな音で鳴らしたいのですが、その際に低音域で音がひっくり返ることを頻繁に繰り返してはいけません。何かひとつのことを同一の楽器で繰り返すとそのような癖が楽器についてしまうので注意が必要です。

コツは音がひっくり返る直前のポイントまでで息の強さをとどめておくことです。この点に気をつけて慣らしを行うと、その作業自体が「どこまで息を入れても良いのか」あるいは「このポイントを超えるとどうなるのか」というように奏者の感受性を養う訓練にもなります。

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