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炭素繊維と「舟を編む」

炭素繊維は樹脂と一緒に用いることで性能を発揮する。通常、繊維だけを配置して製品を作ることはない。それは、繊維の位置がずれると設計通りの性能を発現しないからである。そのため、繊維を編んで織物にするか、さきに樹脂を染み込ませてペタペタと適度にくっつくようにしてしておく。後者の材料はプリプレグとよばれる。幅1mほどのシートがロール状になっている。

最近では、プリプレグを10cm幅ほどに細くさいてテープ状にして、それを上手く巻いていくことでより軽く、強い材料が作られている。例えば、ヨットなどのマストである。マストは船の長手方向に力がかかるために楕円形状になっている。かつ、ねじりに強くなるように繊維を斜めに巻いてある。(例えば、特開昭57-060989を参照)

舟は重心が低いほうが安定するため、重心より離れた位置にある部位は軽量であることが好ましい。舟が編まれるように製造される時代も近いかもしれない。

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