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炭素繊維と酸素

炭素繊維の構成元素はほぼ炭素である。にもかかわらず、酸素が極めて重要な役割を果たす。

炭素材料を製造するには1000度を超える温度で処理するため、酸素が混じると燃えてしまう。そこで、酸素を抜いた後、窒素を流しながら熱をかけていく。酸素を抜くには真空/窒素導入を複数繰り返すか、窒素加圧/常圧を繰り返すかを行うことが一般的である。ところが、温度を上げながら窒素を流すことで炉内酸素を置き換えて実験しているとなぜか強い炭素繊維ができた。原料を増やすと再現しない。温度を上げる過程の温度帯で酸素の存在が不可欠であることを発見し、炭素繊維が生まれた。

一旦、酸素原子が取り込まれるものの、1000度まで加熱される過程で二酸化炭素として分解され、酸素は除去される。ただし、最後にまた酸素原子が重要となる。繊維表面に酸素原子を付与する。すると、一緒に使うプラスチックとの馴染みが良くなり、きっちりとくっつく。このように炭素繊維に酸素は欠かせない。

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