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「セクシー田中さん」と明日明後日生きる些細な理由

色々と話題になっているセクシー田中さんを読んだ。読んだと言っても数ヶ月前なのでやんわりとした感想になる。

内容としては最初は恋愛コメディだったが、少しずつ各人物に焦点が当てられて深掘りされてくると、どの登場人物も好きだなと思えるような優しい内容であった。

特に印象なのは6巻の田中さんと笙野母が出かけるシーンで「1つ1つは些細でも生きる理由になる」というセリフ?である。

私自身、特に人生に対して大きな目的があるわけではない。何かで優勝する!とか、これを成し遂げるのが私の人生なのだ!ということがあればどんなに生きやすかったのだろうかと思う時がある。
その目標が達成可能かはさておき、少なくともその目標のために生きて、明日も明後日も頑張り続けることができるのではと思う。

もちろん、ある程度の仕事をして、働いていれば、お金も入るし食べることもできるので肉体的な意味での生きることは可能だ。
しかし、食べて寝て次の日になって、食べて寝ての暮らしで精神的な面では生きたいと思えるのだろうか。何も成し遂げることもなく、ただ白紙の予定表にバツをつけ続ける日々なんてウンザリしてしまう。

そこでこの「1つ1つは些細でも生きる理由になる」である。
本当にささないことではあるが、来週のドラマの続きが気になったり、毎日更新されているnoteが今日はどんなものなのがくるかなーと考えたり、友達とのご飯の約束だったりと、そんなこれからの予定があると楽しみだなーそこまでは生きていないと!と思えてくる。

本当に些細なことではあるし、大きな夢でも目標もないけれども、そんな1つ1つの小さなこれからのことのおかげで明日明後日来週くらいまでは生きたいな!と思うことができている。
なんだかこのセリフにはそんな日常を生きるためのアドバイスみたいに感じ印象に残った。

大きな目標や夢を持たない自分にとっては、来週のドラマが気になるから生きていて、そしてこれからもそんな些細な生きる理由を見つけていくしかないのではないか。色々なことを模索し、関わり合おうとしながら生きていこうと思えた。

急遽終わってしまった漫画ではあるが、そんな気持ちになれる、やさしい世界が少しずつ小さく詰まった話であった。以上。

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