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できることだけを、する

職業人としての成長、ぼくの場合でいうと文章や本づくりのスキルが向上するときのポイントは、どこにあるのだろう。会社をつくったおかげで、ひとりで仕事をしていたときよりも真剣に考えられるようになったテーマです。きょうは数年後の自分に向けたメモとして、いま現在の仮の答え、暫定的な答えについて書いてみたいと思います。

よく、成功者を自認される方々が「自分にはなるべく高いハードルを課しなさい」とか「自分の壁を突破しなさい」とか、あるいは「いままでやったことのないことにチャレンジしなさい」とか、とかく難儀な正論をおっしゃるじゃないですか。

そんなのいらない、とは言いませんが、いちばん大切なこころがけは「できることだけを、する」じゃないかと思うんです。これは「できないことは、やらない」とセットになった考えともいえて。

というのも、仕事が甘いひとたちって「できるはずのことを、やらない」の積み重ねが、不信や不振を生んでるだけのような気がするんですね。能力的にも、時間的にも、できるはずのことは、もっとある。それを丁寧に、根気づよくやっていけば、おのずと結果もついてくるはずだし、次にやるときには「できること」の範囲が拡張されているはずなんです。

たとえばぼくらの仕事でいうと、読むべき資料をちゃんと読みこむとか、原稿を送る前には最低でも3回、「めんどうくさい」と「もったいない」を禁句にしつつ推敲するとか、ゲラ(校正刷り)の段階でもう一度、編集者さんやデザイナーさんのご苦労も鑑みず朱を入れまくるとか、「できるはず」で「できないとは言わせないよ」なことはたくさんあるはずで、そこをやるかやらないかが成長に関わってくるんだと思うんです。

できないことまでやる必要はない。できるはずのことを、さぼることなく、丁寧にこなしていく。ドーン!とかバーン!とか、わかりやすいブレイクスルーじゃありませんが、そこにしか道はないような気がしています。

どうでしょうか、数年後のわたし。別の答えを見つけてますか?