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なぜだかいつも酸素のうすい場所へぼくは。

きのうはオフィスに泊まっていた。

朝の6時前くらいまで原稿を書き続け、力尽きてソファに移動した。こういうこともあろうかと、オフィスの引越にあわせてぼくはフランスベッド製のソファベッドを購入しているのだ。取り外した背もたれがそのまま枕になるというおどろきの構造をもったそのソファベッドは、家にも1台ほしいくらいに寝心地がいい。

しかし、3時間としないうちに目が覚めてしまった。


編集者さんからの、けっこう切迫した催促メールが届いたからである。

いや、正確には「催促メールが届いた夢」を見たからである。マンガやTVドラマであればここで「なんだ、夢か……」とおおきく胸をなで下ろし、むにゃむにゃ二度寝したりするのが王道パターンなのだけど、現実はもう少し複雑だ。そんな夢を見るほど追い込まれた自分、そんな夢を見るほどに差し迫った月末、その月末を締切といわず「メド」なることばで濁していた、いつしかの会話。いろんな冷え冷えが胸に去来して、あたまは眠いのにこころが寝ついてくれなくなってしまった。

まあ、そこからはお茶を飲んだり、コーヒーを飲んだり、まんじゅうを食べたり昼食に出たり、そしてずうっと原稿を書いていたり、日記として書くにはあまりにも変化のない一日を机の前で過ごしていた。


変化があったとすれば原稿で、この先もうひとつ山が待っているのだけど、ひとまずいちばん心配していた山は乗り越えられたように思う。

それにしても登山にたとえたり、潜水にたとえたり、おおきな原稿を書くときのイメージは、ぜったいに平地じゃないんだよなあ、ぼくの場合。マラソンですらなくって、なぜか酸素のうすい(もしくはない)場所に行ってしまっている。

noteはちょっと、息継ぎみたいな気分だ。