見出し画像

わたしの「ていねいな暮らし」

じつはいま、激務と激務の合間をぬって、おうちの引越を画策している。

マンションの契約更新が目前に迫っていること、さすがにそろそろ家にもボロが出始めたこと、フリーランス時代に借りてた(そして現在書庫となってる)ワンルームマンションも処分したいこと、などが主な理由だ。さすがに内見に行く時間はなかなか取れないけど、ネットで調べたり、不動産屋さんと電話やファックスのやりとりをしたりは続いている。

それで思うのは、自分も大人になったなあ、ということだ。

もともと転勤族の家庭に育ったせいか、ぼくは引越というものをまったく苦にしないし、むしろ好きなくらいである。引越先を決めるにあたっても、ふらっと入ったテキトーな不動産屋さんの、内見一発目で「あ、ここでいいっす」となることが常だった。

なんというか、人生をなめていたのだと思う。

もう少していねいに言うと、いま現在の自分を「どうでもいい通過点」としか思っておらず、日々の生活を、自分という人間を、ごはんに味噌汁をぶっかけるようないい加減さで生きていたのだと思う。

それがいま、この歳になってようやく、ごはんと魚とお味噌汁にちょっとした香の物、みたいな態度で日々の生活を考えられるようになり、つまりは人生に向き合う覚悟ができてきた気がするのだ。というか、引越先を慎重に検討する自分の、その「慎重」という態度に驚いているのだ。

人生をなめくさってた20代の自分も、いとおしくて好きなんですけどね。