理系や文系じゃなくってさ、

むかしから、「理系」と「文系」という線引きに不満を持っていた。

受験科目としての線引きならまだしも、「ああ、彼は根っからの理系人間だからね」とか「いや〜、まさに文系男子特有の悩みだね」みたいな言い方をされること、そして思わずそういう線引きを使ってしまう自分の頭上に、ほんとのほんとにそうなのか? というクエスチョンマークは常に点灯していた。ましてや、「理系の人は左脳人間」で「文系の人は右脳人間」などといった話は、出来の悪いオカルトでしかないと、いまでも思っている。

それで最近、仕事の資料を読みあさっているなかで、とても納得のいく線引きに出合った。17世紀イギリスの哲学者、フランシス・ベーコンの提言だ。

彼は学問の土台は3つに分けられる、という。
その3つとは「歴史」と「哲学」、そして「詩」であるという。なにを言ってるのか、それぜんぶ文系じゃないか、などと思ってはいけない。ベーコンはこう言うのだ。

歴史に求められるのは「記憶力」であり、哲学には「論理力」が求められる。そして詩で問われているのは「想像力」である。

この分類は、とてもシンプルで、とても納得がいく。

そしてぼくが偉人のアフォリズム集みたいなものに気持ち悪さを感じるのは、きっと「哲学」に貫かれていたはずの論理をズタズタに切り落として、見栄えのよい「詩」にしてしまう、似非科学めいたインチキをそこに感じるからなのだろう。

さらにまた、ぼくの好きなブンガクってのは「論理」と「想像」とが、ひとりの作家のあたまのなかで奇跡的に手をつないだ瞬間に生まれているのだろう。

歴史、哲学、詩。
記憶、論理、想像力。

いろいろと役に立ちそうな軸なので、メモ代わりに書いておきました。

馬の耳に壇蜜。
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古賀史健

コメント2件

みんなでつくるのはよくないんですかね。
「ブンガクってのは「論理」と「想像」とが、ひとりの作家のあたまのなかで奇跡的に手をつないだ瞬間に生まれている」という表現は素敵で、的を突いていると思います。自己満足に陥らない美しさかな。すがすがしい。
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