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キッチンを変える、という考え方。

休みをいただき、近県の宿にきている。

宿と言ってもロビーやフロントがあったり、朝食や夕食のついている宿ではなくて、ドッグランの併設された一軒家、すなわち貸別荘である。貸別荘ということは、朝昼晩のごはんを自分でこしらえなければならない。そうすると出立にあたってあらかじめ肉や野菜を買い込んで、保冷剤とともにそれをクーラーボックスに詰め込んで、万全の準備を整えたうえで車を走らせることになる。

そして事前に肉や野菜を買い込むということは、事前に献立を決めている、ということでもある。初日の夜はこれを食べよう。2日目の朝はこれをつくろう。そして2日目の昼は軽くパンやコーヒーで済ませ、夜には豪華にあれを食べよう。そうした計画のもと、クーラーボックスに詰め込む肉と野菜、各種調味料は決定せらるる。

ああ、なるほど。——と、ぼくは思った。

貸別荘に泊まること。それはほとんど「戸建てのテントに泊まること」であるのだな、と。あるいは逆にキャンプも、「テントという名の貸別荘に泊まること」と同義であるのかもしれないな、と。

そう考えると貸別荘のアウトドア感もぐっと増すし、キャンプへのハードルもずいぶん低くなる気がする。

いや、もちろん貸別荘は風呂もトイレも完備されているし、清潔なキッチンもあれば冷蔵庫もある。夜になったらベッドでぐっすり眠れる。布きれ一枚で仕切られたテントのなか、寝袋で眠るキャンプとはまったく違う。

けれど、貸別荘に泊まるときのぼくがちょっと気をおおきくして高い肉を焼いて食べたりしているように、キャンプを愛好する人たちもまた、いつもとは少し違った厚い肉を焼いたり、豪華なカレーをこしらえたりしているのかもしれない。

いつものキッチンではつくれない料理。それを堂々とつくる場所が貸別荘であり、キャンプ場なのだろう。そりゃあキャンプもたのしいよね。

この「キッチンを変えてみる」という視点、仕事のほうにも使えるものかもしれない。ノマドとかリモートワークとかワーケーションとかの話じゃなくて、たとえば一人称と三人称の使い分けとかさ。

ぺだるも存分にたのしんでいます。