【人生編】 旅に出ているあいだ、みなさんからの質問にお答えします。

ネパールへの旅は、ぼくをどんなふうに変えていくのだろう。

いま気づきましたが、ぼくはひとつの仕事に臨むとき、それが自分の人生を変えてくれることを期待しているような気がします。今回のネパール行きも完全にそう。

本日は「人生編」に分類させていただいた質問と、その答えです。


人生にまつわる12の質問。


Q.1 ライターをやめようと思ったことは、ありませんでしたか?

A. あります、あります。何度もあるし、たぶんこれからだって、もしかしたら来年だってありますよ。いちばん強くやめようと思ったのは『嫌われる勇気』を書いた直後で、まだ大ヒットというわけではなかったものの、やれることはぜんぶやったし、自分にこれ以上のことはできないだろうと、かるく燃え尽きてしまいました。

もしかするといまもまだ、その燃えかすに火を点けようと四苦八苦している時期なのかもしれません。


Q.2 24歳にして、叶うのかよというような大きな夢を抱いてしまいました。掛ける言葉があれば、頂けませんか?

A. ぼくもちょうど24歳のときに会社を辞めて、フリーライターになりました。当時はほんとに食パンの耳と実家から送ってもらったシーチキンしか食えないくらい、仕事がありませんでした。上京したばかりで、東京に友だちもおらず、当然 SNS もなければ形勢逆転するツテもなく。あのころのぼくに比べたら、どんなにおおきな夢を描いていようと「きっと、できる」だと思いますよ。


Q.3 古賀さんの一番好きな言葉はなんですか?

A. いつもこころに置いていることばは「一発逆転」です。冗談でもなんでもなく、本気でいつも、どの仕事のどんな瞬間においても一発逆転の可能性を考えています。


Q.4 10年前に描いていた自分になれていますか?

A. 10年前は、なんにも思い描いてなかったかもしれないですね。ただ、ちいさな夢に聞こえるでしょうが「40歳までに自分の本を出したい」とは思っていたので、そこはかないました。


Q.5 僕は今、25歳です。カッコよくない大人がきらいで、そんな大人が大部分を構成している社会も少し苦手です。古賀さんは、大人や社会に対してネガティブな感情を抱いたことはありますか。もしあったなら、それをどうやって消化しましたか。

A. ぼく、いまでも「カッコよくない大人」は苦手ですよ。でも、誰かのことをカッコ悪いと断罪するためには、自分がカッコよく生きてないとダメですよね。そして、若ければ正義で、若ければカッコいいのかというと、決してそんなことはない。「カッコ悪い」は、自分を映す鏡なのだと思います。


Q.6
・他の職業を選ばなかった理由
・子どものころ、夢中になったものはありますか?
・ひとりでいるときどのように過ごしていましたか?
・強く影響を受けた人物や出来事、言葉でもよいので、それらにまつわる前後のエピソード
・ぺだるさんはおとうさんのどういうところが好きですか?

A. 質問が多いので、すみません。ひとまず上の3つについてまとめてお答えします。

子どものころぼくは、ひまさえあればマンガを描いていました。いちばんたくさん描いたのはプロレスもののマンガで、世界最強の男を決めるトーナメント戦に出場した主人公が、幾多の難敵(実在のプロレスラー)をなぎ倒し、決勝戦でアントニオ猪木と対戦する、というストーリーでした。

それで、「ああ、今回1回戦でアンドレ・ザ・ジャイアントとハーリー・レイスを戦わせたけど、ここはアンドレとミル・マスカラスと戦わせたほうがおもしろいよな」なんて思うたびに描きなおし、その作業はいつまでも終わることがありませんでした。

で、本来ならそのままマンガ家に、あるいはその「おれが見たいものを現実化する」の作業を発展させた映画監督になりたかったのですが、残念ながらその才はなく。「他の職業を選ばなかった」のではなく、「選べなかった」が、ぼくの場合は正しいです。


Q.7 古賀さんの失敗談が知りたいです。 ぼくはもうすぐ40代になるので、可能なら40代でこんな失敗をした…みたいな話だと、勝手にその話をお守りにして頑張れそうな気がしてます。

A. 40代に入ってからの失敗談かあ。ちいさな失敗は毎日のようにあるし、明日も明後日もなにかしらやらかすんだと思うけど、いまでもこころに引っかかっているのは採用かなあ。

会社をつくって、なんら具体的なプランがないまま、勢いだけで自分の不安を埋めるように「来てください!」とお声がけし、そこに応えてくれた人たちに、しっかりとした活躍の場や機会を提供できなかったことは、いまでも申し訳なく思っています。

きっと笑えるエピソードを求められていたんでしょうけど、マジレスでごめんなさいね。


Q.8 忘れたくない良い日だったなー、と思う日のことを、どんな風に記録しますか?

A. メモまですることは意外と少なく、その場の「映像」を憶えるようにしています。それで後日「ああ、何年か前の冬、ちょうどこの横断歩道を渡っているとき、こんな感じの風が吹き抜けて、手ぶらで歩いてたぼくはこんなことを思ったんだよなあ」みたいに思い出したり。

歩道橋とかエレベーターとか、なんでもない並木道とか、瞬間的な「感じ」の記憶が詰まった場所はいっぱいありますね。逆に、映像を伴わない記憶は残りにくいです。


Q.9 古賀さんには、『自分からは語らないけど、質問されたら語りたい事柄』はありますか? もしあれば、その事についてぜひ教えてください。

A. その質問ではたぶん、なにも語りたがらないでしょうね。たとえば直接的に「初恋について聞かせてください」「支持政党とその理由について聞かせてください」みたいな質問を受けたら、(場や人を選びつつも)自分なりのなにかを語るのかもしれませんが、この質問はちょっと、そうじゃないですよね。


Q.10 かっこいい、と思うアティチュード、態度、姿勢を深くない答えで良いので教えて下さい。仕事に対して、私生活について、遊ぶことについて、人に対する思い、接し方について。

A. 自分のみっともなさを知り、「かっこいいは、かっこわるい」を知っていることじゃないでしょうか。


Q.11 古賀さんの周りには面白い人たちが集まっているような印象ですが、面白い大人と出会うにはどうしたらいいですか?

A. 「おれなんかに会っても、おもしろくないはずだ」と卑屈にならず、「おれのおもしろさを、わからせてやる」と不遜にもならず、フラットな姿勢で会いに行けばいいのだと思っています。あ、そうだ。待つのではなく、会いに行くのが大事です。


Q.12 古賀さんにとっての生きがいとは何でしょう?

A. 誰かのあたまの片隅に「ぼく」という人間が存在していること。たとえば、さっきの小学生時代の話につなげて言うと、アントニオ猪木さんの近況を報じた記事をきっかけに「そういえば小学校のときに、同じクラスだったコガって、猪木が好きだったよなあ。あいつ、いまごろなにやってんのかなあ。このニュースをどこかで聞いてんのかなあ」と思ってもらえること。

それだけで、自分の存在が肯定されるような気がします。


教祖猫を噛む。
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古賀史健

古賀史健(2018)

古賀史健の note、2018年分です。
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