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そしてわたしはこんな夢を見た。

犬の去勢手術を間近に控えた先週末、こんな夢を見た。

あばれる犬を抱いて、動物病院に連れて行った。獣医さんから、手術の流れや考えうるリスクなどについて説明を受けた。そのまま犬を預け、診察室から立ち去ろうとしたとき、獣医さんが言った。

「あっ。せっかくですから、お父さんも一緒に去勢されたらいかがですか?」
「へっ!? ぼくが?」
「ええ。最近多いんですよ。ワンちゃんとご一緒に手術される方」
「そ、そうなんですか?」
「はい。もう日帰りで終わっちゃうくらい簡単な手術ですし、ぜひ」
「い、いや」
「もう痛みもほとんどありませんから」
「あ、その、えっと、じゃあ……」


目が覚めて、おのれの選択に愕然とした。「じゃあ」じゃねえだろ。オスとして、もうちょっとがんばれよ。モテるとかモテないとかは別に、せめてがんばる意志くらいは示してくれよ。


むかしからぼくは「英雄色を好む」的な言説について、けっこうな疑念を抱いてきた。たとえばぼくにも、モテたい欲求はある。けれどもそれは、男友達を含めた、飲み仲間や心の通じ合う仲間がほしい、の欲求であって、あんまり色を好んでいるわけではない。ますらおぶりの豊かな、色を好む人がいるのはぜんぜんかまわないけど、それを「英雄」の条件とされるのはかなわないなあ、と思ってきた。

まあ、なんとなく「こういう夢を見た」ってことと、「そこで自分は(受動的ながらも)そっちを選ぼうとした」って事実は、おぼえておいたほうがいいような気がする。

こんど二村ヒトシさんのご意見をうかがってみよう。

桃栗三年、カキうまいねん。
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古賀史健

ライター。バトンズ代表。著書・共著「嫌われる勇気」「古賀史健がまとめた糸井重里のこと。」「20歳の自分に受けさせたい文章講義」など。週日更新しています。http://www.batons.jp
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