ラクを選んでよいのですか。

今月、大御所たちのコンサートに行って驚いたことのひとつに、彼らのファッションが挙げられる。ボブ・ディランとエリック・クラプトンの両御大が、なんとまさか、ジャージを穿いてステージに上がっていたのだ。しかもクラプトンなんて、ばっちりアディダスの3本線が入ったジャージを。

もともとクラプトンというひとは来日時のたのしみのひとつとしてジーンズとブーツを買い漁ることを挙げるくらい、おしゃれの好きな男である。ディランだって、今回サテンっぽいシャツの上にウエスタン風のジャケットを羽織り、パナマ帽みたいなハットをかぶるキメキメぶり。なのに下はジャージ。正直、意味がわかりません。向こうのセレブのあいだで、いまジャージが流行ってるのかとググりたくなるくらい謎めいています。

……なんてことを思いながら、客席で彼らを見上げるぼくもまた、ジャージを穿いていました。エドウィンから発売されている「ジャージーズ」シリーズのジーンズを。


ぼくはもっぱらこれのスキニータイプを穿いてるのですが、まあほんとにラクです。いわゆるストレッチ機能付きのジーンズとも全然違って、穿いてる感覚がほとんどないくらい、パジャマにできるくらいに軽くてやわらかい。堕落していく自分を、日々実感しています。

むかし女の子たちのあいだでレギンスパンツが流行りはじめたとき、「ラクを選ぶんじゃない!」と憤慨してたのに、自分にもそのラクを選ぶ機会が訪れると見事に流されていくんですね。

とりあえずこれを仕事着&作業着としながら、お出かけ時には普通のジーンズを穿く生活が続いています。

って、ディランとクラプトンにとっても、ジャージは仕事着だったのか。

鬼にカネボウ。
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古賀史健

ライター。バトンズ代表。著書「嫌われる勇気」「古賀史健がまとめた糸井重里のこと。」「20歳の自分に受けさせたい文章講義」など。週日更新しています。http://www.batons.jp
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