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本を選ぶときにぼくのやること。

今月のはじめ、幡野広志さんに一冊の本をすすめられた。

それは写真についての本で、寡聞にしてぼくは、その本の存在も、作者の方のお名前も存じ上げなかった。本を手に取り、パラパラと目次をめくって、「プロってなあに?」という項を見つけた。ページをたどって確認すると、作者は「プロ」について、こう定義していた。

〝 私の場合、何をしてプロと呼ぶかと言えば、絶対的な安心感だと思います。つまり、どんなアクシデントも無きがごとくに冷静に対処できる。そのためにはあらゆる写真に対する対処方法を経験として積んでいなければいけないわけで、決してフリーになったから、あるいは報酬をもらうからプロなんてことはあり得ません。〟


この人は信用できる、これはおもしろいに違いない、と読み進めた。しっかりおもしろい本だった。その本の名前を、『撮る人へ 写真家であるためのセルフ・マネージメント』安友志乃著/窓社)という。

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こんな感じでぼくは、目次に書かれたことば——今回の場合でいえば「プロってなあに?」——を頼りにページを開き、その事柄について作者がどんなことばを述べ、どんな定義づけをしているかを確認したのち、購入や通読を決定することが多い。

いま、幡野広志さんの新刊『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』の目次をながめ、そこからページをジャンプしたりしている。目次を、そのもととなる見出しをつくるのはなかなかむずかしいのだけど、いい本ができたというか、これは好きな本だなあ、とにこにこしている。