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同級生は、ここにいる。

ぼくは団塊ジュニア、と呼ばれる世代のどまんなかに生まれた。

中学校でも高校でも、1学年に10クラス以上あったし、1クラスあたり50人近い生徒がいた。あまりに生徒が多すぎて教室が足りなくなり、中学時代にはあわててプレハブ校舎が建てられた。野球部やサッカー部には100人以上の部員がいて、2軍の試合に出ることさえむずかしいような、わけのわからない状態でみんな部活動に励んでいた。

けれども「あれ」を当然の風景だと思って生きてきたため、とりたてて「同級生が多いなあ」とか「競争がはげしいなあ」と思ったことはない。

きのう、津田大介さんを呼びかけ人として定期的に開催している「73年会」なる集いに出かけた。1973年に生まれた同級生が集まる、ただそれだけの会だ。

過ぎてしまった「あのころ」を懐かしむでもなく、血気盛んに「これから」の野望めいたものを語り合うでもなく、ただただどうでもいい馬鹿話に明け暮れる。

10年とか15年前だったら、ちょっと成立しづらかった会かもしれない。へんなライバル意識、劣等感に嫉妬など、もろもろの感情がじゃまをしてこんなにおだやかな会にはならなかったかもしれない。

この歳になってそれぞれの道でがんばっている同級生を見ると、単純に「すごいなあ」「えらいなあ」と思える。「お互い、ほんとよく生き残ったよね」と思えてくる。あたりまえの尊敬が、互いのなかにある。母校の同窓会にはほとんど参加したことがないんだけど、同級生は、ちゃんとここにいるんだよな。

10年後まで続けられたら、たぶんもっとたのしくなるんだろう。

みなさん、また集まりましょう。